蛍の夜無人駅から一時間
光れない蛍飛び交う山の奥
陽光に輝く植田水の神
雑草を抜いた植田のにごりかな
宿題のなき休日や植田澄む
大粒の雨の帰りを待つ植田
連休に伸ばした髭や植田澄む
月の映る植田見ている車椅子
さきにシャワー浴びてきなよとひとりごと
からみつく気怠いシャワーかすれ声
運命に逆らえずただシャワー浴ぶ
水を吐きのたうちまわるシャワー管
シャワー浴び覗いた鏡別の顔
来ぬ人や風になびきたる麦畑
風鈴の 脆き響や 平和の音
シャラシャラと風とデュエット麦畑
一粒の麦やミレーを模写する手
青空と麦畑だけありにけり
蛍烏賊霧笛の二秒鳴りにけり
蛍烏賊の漂う何も聞けぬ夜
得点にならぬ演技や蛍烏賊
義経の奇襲戦法蛍烏賊
透明よ 貴方の色は 永遠だ
リラの花ブラスバンドのチューニング
二回目の結婚前夜ライラック
三人で撮りたる写真ライラック
小説を 葦編三絶 生きている
葦編三絶(いへんさんぜつ)は 書物を繰り返し読むという意味
あと少し あと少しが少し 少し多い
ライラック母と見上げる時計台
ライラック古きアルバム閉じにけり
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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