麦嵐犬を連れたるシルフィード
夏服の襟の汚れと胸のシミ
水中花誰か帰ってきた気配
鰹釣る大漁旗に感謝の字
青空に100メートルの鯉幟
薬玉やインフラトンのエネルギー
妻からの手紙の返事新茶飲む
遠足の帰りのバスの子守唄
トラックの荷台に座りしゃぼん玉
大小の蜂ベランダで躍りけり
黒い猫片目ない猫目刺し焼く
こみ上げた想い大きく送辞読む
合格の通知来ぬまま卒業式
新札にて切りたる指や暖かし
失恋で吐いた血の赤冬の暮
元彼のアカウントあり冬の暮
皮も毛もそのまま刻み香る独活
のど飴を 噛み砕く音 花火かな
草餅を摘んだ手にも指輪あり
母よりも母らしい味蕪汁
シマウマの光と影や稲光
口笛の輪唱楽し独楽まわし
父母と子供に見えたる氷柱かな
新しい苗字に届く年賀状
パクるなよあたしの好きな大徳寺
薀蓄を垂れて喜ぶ朝は傘
苫舟や仮想空間滝壺に
忘筌を知らぬ筈なし暇おやじ
お父さんまたやってるわと子が嗤い
おぞましや投稿チェックの暇おやじ
吾をおきて人はあらじと勘違い
おせっかいやられ過ぎると煙いだけ
暇おやじ画面見すぎて医者通い
逃げ込んだ今夜もサイバー妻嗤う
夕鵙やひとり暮らしの部屋の窓
百舌鳥鳴くやベランダ産のサラダバー
あの百舌鳥の前世はマリア・カラスなの
特大のファウルボールや枯葎
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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