夏深しボトルシップは雨の中
夏深し月を吐き出す遠い雲
夏深し影踏み逃げる子の笑顔
釣り銭の切れた自販機夏深し
風貝に 潮含まれて 海の色
雨の日は休めたる喉法師蝉
ほどけないコブラツイスト法師蝉
法師蝉徐々に音量下がりけり
鳴き止むなまだ鳴き止むな法師蝉
ブルースにのせた哲学法師蝉
ぴりぴりと痺れる左脳法師蝉
川開やめた煙草に点けたる火
工場の裏の濁流川開
たまやーの声の掠れる川開
川開妻の機嫌の直りけり
ソーダ水ダイヤモンドの砕け散る
ソーダ水今夜ぐらいはシンデレラ
トランプの見えたる鏡ソーダ水
ソーダ水燃えて消えゆく星ひとつ
デタラメに並べた音符ソーダ水
薔薇色の空に抱かれてソーダ水
紫陽花や嘘をつきたるタンブリン
紫陽花の街を横断する戦車
成人よ 大志はほどほど 行動だ
*自分に言ってます。
紫陽花を抱えて赤いハイヒール
紫陽花とともに濡れたる五重塔
紫陽花やお色直しにたつ新婦
六道の辻を行き交う蛍かな
蛍火や松井冬子の描く犬
祖母と母と私と娘蛍の夜
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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