行かない、行かない
行きたくないわけでもないけど
行かない、行かない
行かない、行かない
....
東北はいかにもらしく曇りをり
田舎てふ恒常不変なま欠伸
緑なす山野に怯ゆ吾義眼
青森は遠し ....
ここに根を生やせ
ここに
ここに倒れこめ
ここに埋葬される
ここに
ここは不毛の故郷
....
雨が降っている
傘がない
濡れる
冷たい
ふるえてもいい
のだろうか
僕は
....
夜ご飯の支度をしていると
息子が
「今日はなに？」と聞きました
「コロッケだよ、手伝って」
....
踊りましょう今わたし泣きたいから
風のワルツ丘のタンゴ星たちのメヌエット
歌いま ....
森のなかで
きえてゆく向日葵の
吐息が
とても
せつなく感じられるのであれば
きみよ
虹 ....
差し伸べられた手は
突然、透明人間になった
わたしのこころだけを
....
とある日の夕方から
世界が止まって見えるようになった
窓辺に腰掛けて
動く視界を想像する毎 ....
もう何度も手放したって
笑う
自分の醜さを
あなたに重ねて
無意味な夜を
何度過ご ....
トラブルが起きると
誰かが泥をかぶる
誰かが猫をかぶる
噂が流れる知ったかぶる
....
カザフスタンから来た
優しい女性看護師が
僕の脚をさすりながら
もう痛くないかと聞 ....
空は自由への道標
太古の昔から それはあった
あらゆる生命の頭上に 広がっていた
海は故郷 ....
産まれて間もない頃
抱いていたのは後悔だったことを覚えている
私は三人目 二番目の雄
....
巻かれた卵が
伸びた手にほどかれ
すぐに食べられてしまうので
ウサギになれないまま
林檎はず ....
世界が終わり
一本の樹に
実が成る
世界が終わり
一対の男女は
互いに睦言を捧ぐ
世界が ....
たとえば、試しに
全部デリート
ですね
脱皮したいならば
それを聴いてわたしは
混乱し ....
遠い日に見た空
せいいっぱいにオレンジ
おさないわたしは
背丈を忘れて
そこへ渡りの整列飛行 ....
雛は鳴いて 朝露流れる 雲白く
つたのからまる古木 陽が射し
巣穴からのぞく 黄緑の小鳥
....
恋
無我夢中でおぼれた恋に
淡いアプリコットのソーダ割り
あなたを想う愛しく想う ....
日曜の午後
つまは午後聖書携え伝道に出づマタイ二章をかきうつすわれ
曇り日のサンルー ....
液晶ヴィジョンで見かけた
クロコダイルが連れてきた幻想
半分のビート
半分の鼓動
....
小さい頃から自惚れてた
もしかして自分は特別で
ゲームの主人公みたいに
死 ....
少年は、ＣＤの最後の曲が鳴り止んだ後の時間が苦手だった。少年はいつもヘッドフォンで音楽を聴いていたが ....
｛ルビ戦闘蟲＝せんとうき｝の背に乗り、砕けた空をかける
火を知った｛ルビ同胞＝はらから｝に帰る ....
カートでつぎのホールに向かう
カート道には木漏れ日
森をゆくような気持ちになるのは
ぼくの脳が ....
たぶんもう
下流なのだと思う
海は間近い
抵抗をしたことがないことを
わたしは
誓うこ ....
目覚めて即
自慰した日が
懐かしい
夢に出てきた
アイドルおかずに
....
少年だったあの頃を思うと
浮かんでは消える楽しい思い出
激しく苦しい吐き気
自転車の二人乗 ....
思わぬ方角から飛んでくる
ボールのように
不幸は突然
ぼくに当たる
視界が狭くなり
周 ....
私は
私を選んで生まれてきたのだろうか
もし そうなら
私は私でありたかったのだろう
そこま ....
あまぐも
が
垂れ下がる昼下がり
うっかり爪を引っかけたら
鈍痛を引き寄せてしまいそ ....
目指したわけではないけれど
二十と数年先の世界
タイムマシーンの誤作動です
大きな変化はあ ....
おとしぶみと言う虫に託す詩集ひとつ恋愛論のなれの果て
ストリートミュージシャンにあすを尋ねるど ....
深夜にカッコウが鳴く
ホトトギスと同類の鳥
托卵が習性とは云え
さぞ悲しかろう
....
「欲望がわたしの燃動機関なのです、言葉を失くした鸚鵡たちが、回転する眸を、彼の磔刑される翼の ....
自殺するのは人間だけだ
だから 生きたり 殺したりすることは
どんな生物にもできることなのだ ....
ホリゾンタルな視線にさらされて
少女はストラトハンマーをふりかざす。
三千世界の鴉を殴り ....
恋には形があるからさ
だから、つくれるしさ
だから、こわれるしさ
39rows, 1.02sec.
