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夕べ見た理不尽な夢を
起きぬけのコーヒーに浮かべ
スプーンでぐるぐるかきまわす
寝起きの頭はぼさぼさで
....
夕飯に缶詰をあける
100均の鯖缶だ
閉め切った部屋に
さかなの匂いが充満する
ろうそくの灯りの中
....
まるで山間をながれゆく
せせらぎのような人でした
からだは一滴の雨粒で成っており
どこまでも沁み入 ....
冬がひきこもっていた
クローゼットを開け放ち
ハンガーにヒヤシンス
春のドレスが花ひらくを待つ
頼りなげな薄手 ....
靜かな小夜の幕が落ち
氷がカランと啼きました
喉を刺すのは涙の小骨
盃を重ねど取れませぬ
刺さった小骨持て余し ....
賽の目に
切りながら
豆腐一丁ぶんの
愛がほしいと
てのひらで
哀しみが
揺れる夜
....
うす汚れた魂を
夜更けに洗う
洗面器に冷たい水を張り
ひとつまみの塩でもみ洗う
不信と後悔がにじみ出て
....
つぶれたスーパーの裏には
ひとり郵便ポストが立っている
その赤いからだは色褪せて
ところどころが剥げている
スーパーとともに忘れられ
....
夜更けに降った雨はあがった
そらはどこまでも透き通り
青く高くひかりに満ちる
さぁ腕まくりして窓ふきをしよう
透き通るほど ....
こんな日がくることを
いつから知っていたのだろう
告げねばならない
それがわたしの役目 ....
きみに桃缶をささげよう
からっぽの胃にそれは
やさしくおさまるだろう
あまい汁は熱 ....
なぁ、もう啼いてもいいっしょ?
まだはやかんべ
....
魂の在りかをやっと
さがしあて
もう少し生きてみたいと
....
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