桃缶と祈りの夜に
石田とわ



             きみに桃缶をささげよう
             からっぽの胃にそれは
             やさしくおさまるだろう
             あまい汁は熱と痛みに苦しむ
             その身体をやさしく包むだろう
             きみの苦痛をとりのぞくすべを
             わたしは持たないのだ
             なにもしてやれないのだ
             祈りをこめてきみにささげよう
 
                








自由詩 桃缶と祈りの夜に Copyright 石田とわ 2012-04-23 04:10:35
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