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 あの日は
 特別ではない日
 アニバーサルではない
 だれもが気にもとめない
 ただやりすごしてゆくだけの日
 デモ
 だれも触れない
 端折られた日なんてあるだろうか
 端 ....
 耳のなかに
 あらぶる海波が音をたてて打ちよせる
 波うちぎわがあって
 すぐにきえる影をつくって
 雲の列車がゆく

 武器をにぎりしめている
 ビルのうえには
 どこにも ....
{引用= こがらししとだえてさゆる空より
 地上にふりしくくすしきひかりよ}


 埠頭の水たまりに
 月がこごえはじめている
 真夜中には
 かげもまた針のようにゆっくりと ....
{引用=
 龍は問うた
 ことばではなく
 ことばにならないことばで
 胸の暗がりで蹲るあらぶるものに
 なぜ
 龍の子は
 ひとを殺めたのかと

 水晶に映される
 流血の惨劇は ....
{引用=

 まだ肌寒い春の
 朝が
 ひかりのプリズムに屈折して
 すきとおっている

 とおくに海をのぞむ
 住宅団地の縁をめぐる遊歩道を
 愛犬といっしょに回遊しているとき
 ....
 しぬなんておもいもしなかった
 ひとが
 海をみていた
 くっきりカゲを増した
 夕映えの
 不知火干潟で
 たぶん夢中で
 ファインダーをのぞいていたにちがいない
 もえのこる ....
 かけおりてくる兵隊がいる
 指揮だけがあって四季のない顔のない
 丘のうえから
 いっせいに声があがる
 雲がわく


 あがる声には
 責任がないから自主性がない
  ....
 柄のとれたモップの毛先から滴りおちてくるのは
 汚れた雨だれ
 きっと
 津波だってそうだね
 津波なんて言葉ききたくもないけどね
 月なみだってそうだよ
 邪気がないからや ....
{引用=



 掠れた息をつくように
 ベッドにそっと
 言葉にならないものを吐いたとき
 その言葉にならないものはすぐ露のように朝の陽にきえた

 あの日のあの雲にはもうであえな ....
 褪色したかこはモノクロ
 セピアのくすむ
 鉄錆の
 あかがね色

 ふくざつに入り組んだそら
 四角い工場群がある昭和のはじめは卵の
 ちいさな箱
 筒状のえんとつ
 ....
 ゆきちゃんは あさ
 かさをさし 長靴をはいて
 雨のなかの花にあいさつする
 話しかける
 おじぎをする
 おはよう さようなら
 きょうなにたべるってたずねている

 ....
 二〇〇八年七月一九日、昭和女子大学人見記念講堂に於いて八三歳の吉本が「自分がしてきた仕事が全部ひとつにつながるということを話してみたいんです」と希望して実現したのがこの講演会であり、至極当然のごとく ....    樹木の幹を截ち割って
   樹木がうまれてくる

   ひとを截ち割って
   ひとがうまれてくるように

        *

   きょだいな
   ウ ....
  耳をすますときは
  手と足が
  とまる


  だれにしたって表情が凝固して
  仮面になる
  手配写真のようにだ


  音がするほうに
  むける
  ....
  蘇生のイキをするように
  そっと虚空に
  言葉をはなったとき
  言葉はすぐにちりぢりになってきえた

  あの日の
  あの青空には
  二度とであえはしない
  ....
 あんなところまで
 かけあがってゆく脚力があった
 なんて、知らなかった
 あれが
 かけのぼってゆく波のペニスだったなんて

 美しい波形
 コバルトブルー
 夏の日に ....
 野に咲いていた
 赤い花を
 むしんにむしっていた娘に
 わたしは言った

 かわいそう
 花さん、いたいいたい
 白い花さん、いたいいたい
 赤い花さんも、いたいいたい
 ....
 川面で光の魚がはねている
 春と霞を点描で描くのはぼくではない

 土手の並木の樹勢のなかを
 グングンふくらみ育ってゆくもの
 ふくらみみもだえて勢いを増してゆくもの
 樹 ....
 終戦(敗戦)記念日であった8月15日の西日本新聞朝刊1面の「春秋」欄に、まど・みちおの戦争協力詩の話題が書いてあった。テレビのドキュメンタリー番組を観ての感想みたいだから、観られた方もいるかもしれな ....  農業をする蟻ハキリアリをみていた
 福山雅治が
 素っ頓狂な声をあげた
 列をなして葉っぱを運んでいる
 きりとった葉っぱをミドリの帆にして巣穴に運んでいる


 蟻の道が ....
 しわくちゃなので静かな紙面に舟を浮かべると
 宙の上で均衡がとれるように
 その点において
 静置する

 対になるその
 たゆたう舟の影も
 水底でしわをつくって静置する ....
{引用=



 満月の夜には
 外にでてはいけないと老婆はいう
 ふらふらと外にでて
 川を遡上
 青い山に囲まれた
 いちばん星空に近いその湖に行ってはいけないと

 ゆらめ ....
 カゲがひとつ減った
 またひとつ減ってこれでは
 カゲの家族が家族ではなくなってしまう
 カゲの家族の個々のカゲすらなくしてしまう

 とつぜんの惨劇ではなく
 しのびよって ....
{引用=
 草の先を
 むすんで
 おくのだという

 悪戯心
 という
 生易しいものではない
 もっともっと切羽詰まったもので

 おさない死児が
 先に逝った親しいもの ....
 親分が死んだ
 翌日は
 空がどんよりしずみこんでいて
 さかんに落ちる公園の黄葉たちをみていた
 車内の
 十月


 か。


 なやまされていた
 か。
 ....
 なき虫であっても
 なく虫ではなく

 よわ虫であっても
 つよがる虫なのである

 にがり虫に似た
 にがい顔で
 本の虫は点とり虫というが
 てんとう虫はほんらいお ....
 その身を削いでゆく
 どこまでも
 いつまでも
 と、いうわけにはいかないのだ
 だれであっても
 どんなひとであっても

 あげくの果て
 使いものにならなくなった
 ....
 白紙の畑がひろがっている
 一本道をゆく
 と、ポツンと
 巨大なショッピングセンターがある
 集合住宅のコンクリート塊が墓標のように、山塊のように建っている

 そんな
 ....
{引用=

 またいつもの
 自転車にのって
 ぼくがむかっていた
 先とは
 どこだろう

 でも
 いまは
 どこだろうがかまわないおもいでいっぱいなのは
 はたして
 ど ....
 屈折率がちがうので
 液体があるのだとわかった


 ひんやりとした
 理科室が好きだった


 フラスコやビーカーやアルコールランプの橙色をしたたましいみたいな火
  ....
るるりらさんの石川敬大さんおすすめリスト(30)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
わすれられない日- 石川敬大自由詩514-5-15
かくれるところのない空には- 石川敬大自由詩913-5-30
《冬の星座》にあのひとをさがす- 石川敬大自由詩16*13-3-1
神の前で- 石川敬大自由詩813-2-20
春一番がふいた日に- 石川敬大自由詩10*13-2-9
さいごの一枚- 石川敬大自由詩17*13-2-6
丘にいる兵隊- 石川敬大自由詩11*12-12-1
石の気分で- 石川敬大自由詩9*12-9-12
失語症から- 石川敬大自由詩28*12-9-12
フリーハンドのくろい線- 石川敬大自由詩15*12-8-10
ダウンズタウン_is_freedom- 石川敬大自由詩17+12-6-23
吉本隆明『芸術言語論』概説- 石川敬大散文(批評 ...12+*12-5-15
千年樹- 石川敬大自由詩13*12-5-1
たまの春- 石川敬大自由詩27*12-3-11
失語症から- 石川敬大自由詩2212-1-23
地勢が、波の舌、波の騎馬で…- 石川敬大自由詩18*11-5-14
つくりものめいた、花- 石川敬大自由詩15*11-4-26
春に酔う- 石川敬大自由詩22*11-4-13
【批評祭参加作品】まど・みちおの戦争協力詩- 石川敬大散文(批評 ...6+*11-3-7
ハキリアリにおもう- 石川敬大自由詩24*11-2-6
火山島、炎の魚/対の影- 石川敬大自由詩21*11-1-15
青い湖畔のシカ- 石川敬大自由詩24*11-1-7
飛翔するカゲの家族- 石川敬大自由詩10*10-12-23
むすぶという祈りの方法について- 石川敬大自由詩2010-11-7
赦されるの蚊、この殺戮は。- 石川敬大自由詩1810-10-9
虫偏の精神を笑わないでください- 石川敬大自由詩1810-8-4
おじさんはガンジス河のひと粒として- 石川敬大自由詩1710-7-12
轍は白いミミズ腫れで_ーー作家Tに- 石川敬大自由詩1210-6-30
日曜日のカエルは旅好きである- 石川敬大自由詩2810-6-27
気化してしまう液体なのだ- 石川敬大自由詩1710-5-29

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