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もしもし
もしもし

住むところを
いくども変わったので
電話番号も
いくども変わった

電話番号をたずねられると
一瞬のとまどいがある
0でもなかったし9でもなかった
新しい番 ....
ヒツジが眠っている
先を越されてしまったので
きみはなかなか眠れない


ヒツジの夢を追いかける
かすかに指のさきが温かい
温もりはだんだん体じゅうにひろがり
いつもの草の道に迷いこむ ....
虫たちにさよならをしたら
空気がだいぶ薄くなったみたいで
空が遠くなってしまったよ
いつか約束したね
まわりがすっかり静かになったら
聞こえてくるだろうか
その小さな声が


ことば ....
 「木の物語」

きょうもまた
あの木のてっぺんにいる
あれは多分ぼくだ
ぼくの知らないぼくがいる

忘れていたのかもしれない
ぼくがすっかり忘れていたぼくがいる
だから懐かしい
 ....
きょう
夕焼けをみていたら
いきなり空が
あかい舌をだした


空よりもずっと
遠いところ
飛行機にのって
バスにのって
橋も渡ったのに
ここは山ばかりなのね
と少女はいった
 ....
雨あがり
ひたひたとどこかで
小さな眼が
光っているようだ
きっと虹を隠しているんだ
あいつら
カナヘビたち


すこしずつ
空の時間をずらしている
気をつけるんだな
光ってい ....
古い家の梁に
ロープを掛けただけの
私の特製ぶらんこ
ゆらゆら揺れているのが好きだった


目をつぶると
ぶらんこの旅がはじまる
家ごとゆらゆら揺れて
私は遠いところまで行ってしまう ....
土の匂いがした
草の匂いがした
木の匂いがした
日陰ばかり歩いていたら
人間も虫になった


鳴くこともできず
飛ぶこともできず
交尾の仕方もわからず
それでも人間は
虫になれた ....
追憶の
夏は幾重に
折りたたまん


遠花火
ひとつふたつと
過去があり


朱に染まり
空を制覇す
きみとぼく


抜け殻が
抜け殻を生み
夢さめぬ


この ....
仮の名を
光でおくる
ぼくら星


流星も
声なき叫び
残したり


混沌の
星のことばを
セーブする


掬っても
すくっても君の
青い星


鈍足の
北斗 ....
あまだれが落ちるのを
じっと見ていた
そんな日があった
そんな子どもだった


樋の下でふくらんで
まっすぐ地面に落ちてくる
ああ
あまだれが1ぴき死んだ
あまだれが2ひき死んだ
 ....
七つめの
星にうまれる
出会いかな


笹舟を
そっと押しやる
天の川


かきくもる
雲のかなたへ
駆けぬける


露草の
露のおもさを
つゆ知らず


透き ....
そのポストマンに
ぼくが初めて会ったとき
彼はひたすら
ラブレターを書きつづけていた
その時はすでに
ポストマンではなかったけれど


いちにちに
白い氷の丘をみっつ越えるんだ
と ....
初潮ということばが
海のことばみたいなのはなぜかしら
などと考えていた頃に
おまえの家は紙の家だとからかわれ
わたしは学校へ行けなくなった

わたしは紙のにおいが好きだった
ノートのにお ....
いまは6月の風が吹いている。

空には太陽があった。
雲があった。
そして月があり、星があった。
ときには羽をもった鳥や昆虫たちが、空の近くを浮遊していた。

ぼくは中学生だった。
あ ....
ふたつの果実
なんで生まれてきたんだろう
なんで生きているんだろう
くりかえし熟して
大きな赤ん坊に育ってしまった
耳の魔女がささやく
真実はひとつ
おっぱいはふたつ


膨らんで ....
小さな窓から
小さな部屋の小さな空へ
移りかわる日々
晴れた日は手さぐりの虚ろ
雨の日はとおい耳
風の日は過ぎていく水
暗い夜はあてどなく
ただ凍えている


小さな窓から
12 ....
ヨーイ ドン
校長先生のピストルで
みんな死んでしまった

スタートしたのはぼくだけ
急にグラウンドが広くなったみたい
走っても走っても
ゴールのテープが見えない
しかたがないので
 ....
ネットオークションで
小さな駅を買った
小さな駅には
小さな電車しか停まらなかった

小さな電車には
家族がいっしょに乗ることができない
いつのまにか一人ずつ
だまって家を出ていった
 ....
きょうは
新しい空に着がえた
とてもいい日になるだろう

金木犀の風が
雲の影を明るくしている
西も東も
行っても帰っても
道の向こうの山の空の
うすい記憶が
めくれている

 ....
あさ
窓をあけると
庭が砂浜になっていた
知らない赤ん坊の小さな手から
さらさらと
砂がこぼれている

そこには昨日まで
たしかアサガオが咲いていた
そうか
もう秋だったんだ
お ....
戻れそうで、戻れない
記憶をたどる
指のさきに、夏の
光があった。


光は
しずくとなって、
虹色の、かげろうをつくった。
ゆらめいて
いのちのかたち。
輝いて
一瞬を生きて ....
なにげなく空を見上げる。
なにげなく雲を眺める。
そんなに暇なのだろうか。そんなに退屈なのだろうか。なにか虚しい行為だと思う。

雲の虚しさは、少年期の虚しさにも通じている。
雲日記というも ....
騒がしさの中に、静けさがある。見える声と、見えない声がまじる。
出かける人たちや帰ってくる人たち。生きてる人たちが遠くへ行き、死んだ人たちが遠くから帰ってくる。
生きてる人と死んだ人が、見えないど ....
大きな木には、神様が住んでいる。と、
子どもの耳が憶えている。
木肌に、耳をつけて、
神様の声をきく。
そうやって一度だけ、
神様の声を、聞いたことがある。
言葉はわからない。ただ、
水 ....
あさおきて、かおをあらって、ごはんをたべて、それからがっこうへいきました……
そこでもう、ただ鉛筆を舐めている。その先へは進めない。
楽しかったことや、辛かったことも書いたらいい、と先生。
やす ....
日曜日の午後、黒井千次の短編小説を読む。短い小説は、小さな旅をしたみたいに、すこし疲れる。
朝の散歩で拾ってきたおち葉を、ページの間にはさみ、椅子にすわった姿勢で目をつむる。
眠るつもりはないが、 ....
放浪の俳人・種田山頭火の、
昭和8年(1933年)10月15日の日記。
私は酒が好きであり水もまた好きである。昨日までは酒が水よりも好きであった。今日は酒が好きな程度に於て水も好きである。明日は水 ....
100歳の詩人のまつ毛には、虹が架かるらしい。
「涙が出さえすれば、虹になってるんです」という。
ふしぎがりの詩人 まど・みちおの映像をテレビでみた。
「自分のここ(まつ毛)に涙、小さい虹が出て ....
いつも見ている山が、きょうは近い。
そんな日は雨が降る、と祖父が天気を予報する。
大気中の、水蒸気がいっぱいになって、レンズみたいになる。と誰かに聞いた。
山の襞が、くっきりと見えたりする。
 ....
るるりらさんのyo-yoさんおすすめリスト(102)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
でんわばんごう- yo-yo自由詩713-3-6
眠るヒツジ- yo-yo自由詩912-12-28
やくそく- yo-yo自由詩512-10-18
ものがたり- yo-yo自由詩712-9-24
やまぶどう- yo-yo自由詩1412-9-18
そうしつ- yo-yo自由詩1012-9-10
鞦韆(ぶらんこ)- yo-yo自由詩1412-9-3
虫の季節- yo-yo自由詩712-8-20
空の淵より、五七五- yo-yo自由詩612-8-13
北斗七星☆五七五- yo-yo自由詩312-7-23
あまだれ- yo-yo自由詩1112-7-12
七夕なので、五七五で- yo-yo自由詩512-7-7
ポストマン- yo-yo自由詩912-6-29
紙の家- yo-yo自由詩2112-6-25
6月の風- yo-yo自由詩612-6-13
ふたつ- yo-yo自由詩10*11-12-21
小さな窓から- yo-yo自由詩9*11-12-6
運動会- yo-yo自由詩15*11-10-7
コスモス- yo-yo自由詩10*11-10-5
天気予報- yo-yo自由詩5*11-10-3
幸せの時間- yo-yo自由詩7*11-9-30
夏の光- yo-yo自由詩6*11-8-26
雲のかなた- yo-yo散文(批評 ...3*11-8-11
そこには誰もいない- yo-yo自由詩8*11-8-8
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作文教室- yo-yo自由詩13*11-8-3
おち葉の舟- yo-yo自由詩3*11-8-1
放浪する水- yo-yo自由詩8*11-7-29
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