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       雪雲が覗いている
    疲れた卒寿の独り暮しに
  隙あらば発破を仕掛けようと

 庭木も垣根も身もだえしている
    そのうえ 漆色の夕陽と
   きつい北風に 門扉さ ....
    瓦斯ヒーターのファンが
   しばしの平安を息づくなか
   真冬日が その真っ只中で
      卒寿にたどりついた
   独り暮しのまどろみを誘う

前半生で水にながした
  ....
それは 在り難いことだ
    現役の引退と同時に
人間関係がデリケートに蒸発する
               事は

それは 在り得ないことだ
    卒寿の独り暮らしと並行に
四次 ....
    来年早々 かかげられるかも知れない
   祝卒寿の垂れ幕を そっと仕舞い込んで
    いまは リグレットの残骸を散らかし
     熾きの残り火をみつめているだけの
    おらがた ....
      たけだけしい北極圏で
 つむじかぜばかり描きたてている
        鼻息の荒い牧童よ
  どうしてそんなに意固地なんだ

       青い春のおもかげが
白い秋の顔立ちに ....
     ときどき いたずら に
   玄関テレビホンを押してゆく
 おせっかいな通行人がいるもんだ
        知ってか知らずか 
   ご老人 呆けてはいませんか 
         ....
   青い列島から緑の半島が突き出て
     その半島がさらに伸びきって
    茜の離島となり・・・・そこに
     住みなれていた退役の老残は
         赤いゆめをなくした
 ....
       冷血漢なしののめに
 よだれを垂らすカーテンを開ける
   おいぼれきったおひとりさま

  「時」がうつつを抜かしていた
  「空」はうつつに拡がっていた
「風」と「光」を ....
   ヌードになった 庭木の梢に
涸れた寒気の 往復ビンタをくわせ
   そのうえ 独り暮しの老残に
  重い散策さえも 強制するのか
   にびいろのマントをまとった
        年積 ....
     黙りこくった 斑雲を

そっとやさしく はねのけながら

       ひかりをまぶして

   やぶさめを みせはじめた 

    まぶしい朝陽は・・・・

    ....
       青い春の 赤い夏の
賑わった滞在地は フェードアウト
  おいらはリグレットを噛み潰し
いまや 熾きをみつめて感じている

秒針が刻む一分間の 長いこと を
 長針が流す半生 ....
       裏庭のベランダや
    玄関先の三和土にむかい
      冬将軍を気づかって
保温に専念する 晩秋のお日さま
            そして
    貧しい庭のわくらばには ....
 すっかり風は乾いてきた
 めっきり光はにぶってきた
はっきりヒヨドリは告げにきた
     節気と気温と気炎とを

遠くでショベルカーが唸っている
     近くで木魚が称えている
  ....
     青い春に 赤いゆめを破られた
白い秋に 黒いまぼろしを見せつけられた
   こころの堂々巡りを繰り返している
         老耄のおひとりさまょ
   終着駅のネオンが点滅してる ....
 時は静かに過ぎる葬列のようだ
           ─アプリネール─

 ミルキーウエイの線路にそっての
おひとりさまの老耄が 旅路では
 ゆめの新幹線から 鄙びた従来線の終点へ ....
遥かに漂う四次元よ
         聴いておくれ
もう おいらの青い春は
        赤い夏は
         白い秋さえも
めぐりめぐって 戻っては呉れず
ただ汚血に淀んでばかり ....
幸福な人は詩を書くな─故黒田三郎

(外出に杖での独り歩きも無理となり)
室内で皇帝ペンギンの歩みを真似ている
哀れな老耄はおひとりさま

全半生のカルマが絡まり
リモースにせめられおじ ....
丘に控えた公団住宅を取り巻く
 風は脈を沈めていた
  光は息を殺していた
盆踊りのやぐらを無視するように

   七階の窓からは
敷き布団を叩く音が重たげに─
   四階の窓からは
 ....
       伸びざかりの庭木にも負けず
        ぺんぺん草も群叢となって
       素っ裸の夏をオードしている
        セミのスケルツォに応えて

     なのに 老 ....
      朝刊に折りこまれた
     それは裏面が真っ白な
    パチンコ屋のチラシ広告
(メモ用紙にと気をきかせたのか)
            そして
     無聊に明け暮れてい ....
──平均余命だけがにやにやしている──  

     瀟洒な閑静といえば聞こえはいいが
  実態は里山的過疎というほうがぴったりの
        いろつやまだらな丘の街並み
       ....
去る日──
 虚空は躁病となって
  ルビーの文月が真夏日となった

風と光と雨と土は
 ぺんぺん草だけを増長させた
  趣きの貧相なおらが裏庭一面に

あゝ 網戸をすりぬけて匂ってく ....
    なぜか ほほえんではくれない
   日当たりの悪い 我が家の庭隅は
   色艶に乏しくなった 紫陽花一株
     水無月の梅雨空となったのに
 葉っぱばかり大手を広げているばかり
 ....
青い時を濡らすように
 赤い空を泣かすように
  白い風を脅かすように
   黒い光をなだめるように
   (梅雨の雫が一滴また一滴)
   ベランダの樋からの滴りを
老いたおひとりさまは ....
  単調なのに新鮮なさざ波の囁きは 
      つつじが丘には届かない
        海に面した街なのに

  もたつく足取りに発破を仕掛けて
おらは陰のないアベニューをふらつく
減価 ....
入院中の相部屋で
天井の淡い模様をながめながら
暇を持て余していたおいらにとって
それは それは 照れ臭かった
   担当の女性看護師から
   米寿 おめでとうございます と言われ
   ....
      おれのねこぜに住みついたもの
    それは無能のうろこと無力のかけら
                 そして
     おれの筋(すじ)に貼りついたもの
       それが悔 ....
          早苗月はエメラルド
      みどりに映えたつつじが丘に
  いつともなくつつじが咲きだしている
街路樹のふもとに赤や白やまだらとなって

      あゝ 薄桃色のひ ....
     ひとりの男がいつの間にか
           猫背になった
 献体で三枚におろせない痩せかたで

    もうひとりの奴はしらぬ間に
      うつ病で不眠症となった
ターミ ....
 寂びれきった家並みに囲まれながら
ぽかんと口をあけている 原っぱから
      一角を揺すらんばかりに
     こどもの喚声がこだまする
            それは──  
閻魔大 ....
ただのみきやさんの信天翁さんおすすめリスト(154)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
漆色の夕陽が落ちて(九)- 信天翁自由詩315-2-14
漆色の如月に- 信天翁自由詩215-2-7
漆色の夕陽が落ちて⑦- 信天翁自由詩215-1-31
漆色の夕陽が落ちて③- 信天翁自由詩115-1-3
芥子色の北風が吹いて③- 信天翁自由詩214-12-30
芥子色の北風が吹いて②- 信天翁自由詩314-12-26
漆色の夕陽が落ちて①- 信天翁自由詩114-12-22
しわぶきとなみだ⑧- 信天翁自由詩214-12-19
にがいしわぶき(九)- 信天翁自由詩214-11-28
にがいしわぶき⑧- 信天翁自由詩414-11-22
熾きをみつめて(八)- 信天翁自由詩214-11-16
にがいしわぶき- 信天翁自由詩114-11-14
街はずれの譫言_五- 信天翁自由詩314-10-18
残された時空_⑩- 信天翁自由詩414-9-26
片影に怯えて(七)- 信天翁自由詩214-9-20
ケロイドも忘れて_七- 信天翁自由詩614-8-29
負の自衛論①- 信天翁自由詩214-8-23
隻影を落として- 信天翁自由詩314-8-15
丘の街で_⑩- 信天翁自由詩414-7-27
折り紙- 信天翁自由詩714-7-18
丘の街で(四)- 信天翁自由詩314-7-6
残された時空- 信天翁自由詩414-7-5
丘の街で_(三)- 信天翁自由詩314-6-27
錆ついた風見鶏_八- 信天翁自由詩314-6-13
白い狼煙_九- 信天翁自由詩414-6-7
白い狼煙_八- 信天翁自由詩714-5-24
錆ついた風見鶏_四- 信天翁自由詩314-5-17
白い狼煙(六)- 信天翁自由詩114-5-2
白い烽火- 信天翁自由詩214-4-19
白い松明(ひとつの救い)- 信天翁自由詩414-4-5

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