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人に混ざるほど 私の影は薄くなる
その影に透けて見える希望が
なおも私に自分を捨てさせる

人々の微笑が釣り針となって
私の喉の奥から
もつれた心を引っぱり出す
私はもがきながら涙を流す ....
あきのくうきが
からだにしみていく

こきゅうしなくても
かぜがふいている

いなわらのにおいと
ひとつになる

ひとも
ひとではないものも
ふるさとでくらしている
 ....
ある日 ふと目覚めて 当てなき旅に出る
見送る者はない 道連れは影法師

そして君に出会い 共に語り合って
癒えない傷を見た 微笑みの裏側に

はるか遠く 旅に出かけよう 心のおもむくまま ....
やまないあめの
のきしたでまっている

おじぞうさんが
むかえにくるまで

ひとがてのひらを
あわせている

いのちが
あめになるまで
  ゆうぐれの
  あいいろの
  そらたかく
  こころでえがく
  とうめいなさんかく



  かんたんで
  たんじゅんで
  わらっちゃうよな
  つらいことが ....
武器の形をした島

地球上で最も凶暴な住民、ただしあくまで、潜在的に

ありふれてはいるが、空から見下ろせばその島は太平洋に浮かぶ拳銃にみえる、シリンダーのあたりから山となって人工の針葉樹林が ....
わたしが うたえるのは
あなたが ここでねむっていてくれるから
その細くあたたかい寝息が
わたしの血を走らせて
うたいたい
うたいたい
気持ちにさせてくれている

東京のはずれ
今日 ....
  そんなに簡単に
  悲しむなんて
  駄目だよ
  ぼくが許さない



  レモネードがはじける
  モリッシーが嗤う
  あまりに
  ぶきような
  きょうの日 ....
黒夜を作っている
欲しがる者が
あまりに多いから

黒夜に混ざって
溶け込めばいい
祭りの中へ

素になる黒夜を
好んでくれるから
今日も作っている

真空と混ざって
合流す ....
あっ
   風の軋む音がします




母となれなかった女の子供が母となる

子を宿せば母になれる
そんな容易いものではなくて

幼子の抱く古びた操り人形のように
いつのまに ....
台所に珍しいカボチャの種がある
ひょっとして奇形が生まれるかも知れないと
そっとかばんに隠して、畑に撒いてやる
その畑はあまりにも荒れていた。
このままでは芽が出ない
「芽が ....
 
あたいの心は茜色

つっかけ蹴り上げたら

明日は、きっと晴れ



 
秋の予感がする夜に
金色の蛾は
星をなぞってとぶ

さみしげにゆれる
夏草の穂に沿って
古い時間がとむらわれる

月に咲く花
ただ一輪の歌
真空を呼吸して
たましいたちを導く
 ....
その橋の欄干から身を乗り出せば
清らかな流れの中ほどに石ころだらけの中洲

別段、川の流れに抗う姿勢をみせるでもなく
上流に夕立でもあればあっさりと荒くなった流れに呑まれ
ちょうど今ごろの季 ....
大塚のベーカーズは静寂に満ちている。
パン屋とイートインコーナーが隣接するその店は、むかしロッテリアだった。

幼かった私は、子供のいない都会のファーストフード店で心ぼそかった。
ホームレスが ....
何かの工場でも移転したのか
住宅街の真ん中にあられた大きな空き地
その空き地を取り囲むようにはためく斎場反対の白抜き文字

いつまで運動は繰りひろげられていくのだろう

はちまちをした町会 ....
手鏡に映るわたしは、
媚びた笑顔を貼り付けて、
片想いの彼に振り向いてもらうための練習をしていた

プリクラに写るわたしは
美白と睫を盛る効果で
タレントみたいに可愛くなって、笑っていた
 ....
八月
隙間のない日差しが街を埋めつくして息をとめた地上
の生きものたちは白い化石になるだろうか

昼下がりの昆虫のように日差しを避けて地下に逃れた
人びとの背にうっすら
あの日の地核の影が ....
今日に限って 折傘忘れてスコール
タバコ屋の小さな軒先で身を寄せながら
雨粒を指で拾い 掌で{ルビ弄=もてあそ}んだ

店奥のシャイな婆さんは
アガリっぱなしの{ルビ緞帳=どんちょう}が下り ....
観覧車が
左回りに
新しい青を曳く
真昼
女のかたちをした雲の
乳房の裏側あたりに
太陽がかくれて
鼓動している
  真昼
  一人の男がテトラポットに座り
  何か岩石のような物を
  サンドペーパーでごしごし研いでいた



  これは私のポエジーです
  問いもしないのに男は言う
 ....
死期を悟ったと言って
父は仕事を辞めた
これからは好きなことだけして暮らすぞと言って
山奥の民家を買い
池と鶏舎つきだぞと笑った
週末に会いに行くと
家の改修を手伝わされた
鳥の世話も鍬 ....
探査星という名前の
もう戻ってこない人工矮星を
私たちは見送っている
稜線に海面が沈み
草原がブルーに染まっていく
追いかけるように
次々と浮かび上がる船団は
私たちの乗れなかった最後の ....
あとかたもなく崩れゆく遠い果実を見つめている

Hのしろい指がりんごの皮をむく
どこまでも切れることなくつづく紅い航跡はこの星を
ひと回りしてわたしのからだのやわらかい節々にから
みつく
 ....
あるひ、
人生がながれだして いや
これまでもずっと
ながれている
ことをおもう
おじいさんや女子高生が
目の前をひだりから右にあるいている
雲は勢いにのり ぐいぐいと
きえていっ ....
雛菓子をつまむ指先の
その感触は
母さまの温もり
 
ひとつまみ
もうひとつまみと
雛の飾りから拝借する君の
{ルビ当=あ}て{ルビ所=ど}ない{ルビ戯=たわむ}れは
長き ....
昔に植えた
自慢の椰子を倒してくれという
七メートルほどあるトックリヤシモドキが四本
これから台風がくれば
隣の駐車場の人様の車の上にいつ倒れるかも知れないのが心配で
風の日はよく眠れないの ....
<愛>

ふれることで確かめる
かたちをかたちにしない
きのうでも けさでも 一秒前でもなく
いまの呼吸 いまの温度


<読>

記憶が織り込まれた生地を
虫眼鏡でみたり
埃 ....
陶芸家の身(うつわ)はどうだい

いく筋も、寄せてはかえす指のとおりをつくってやった、朽ちるろくろのうえで、あたたかな心拍はいちどだけ濡れる、断層つづきの、ぬめる泥の顔で、柄でもないおかえり、兵馬 ....
フリルの青いふちどり 透明な金魚鉢
陽だまりに腰掛ける 丸く揺れる水

雲の尾びれが覗き込み ひとくち
指に 甘くて白い 隙間が 落ち

金網を越えて 草の上 風枕にのぼせた
黒い小石を ....
灰泥軽茶さんの自由詩おすすめリスト(996)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あなたはまだ知らない- さすらい ...自由詩2*11-9-27
暮らし- 小川 葉自由詩411-9-26
当てのない旅- さすらい ...自由詩4*11-9-25
雨宿り- 小川 葉自由詩511-9-22
さんかくのうた- 草野春心自由詩211-9-20
メロンアイランド- 乾 加津 ...自由詩8*11-9-13
童謡- 伊月りさ自由詩511-9-2
レモネード- 草野春心自由詩10*11-8-25
黒夜を作る- subaru★自由詩11*11-8-24
祝祭のひと- 恋月 ぴ ...自由詩2311-8-22
マルクスのかばん- アラガイ ...自由詩7*11-8-22
明日は- 殿上 童自由詩19*11-8-21
月に咲く花- あまね自由詩1211-8-18
甘噛みのひと- 恋月 ぴ ...自由詩25+11-8-15
大塚のベーカーズ。- そよ風自由詩6*11-8-9
ヤドリギのひと- 恋月 ぴ ...自由詩2111-8-8
笑顔- 洞野いち ...自由詩8*11-8-3
午後の化石- たま自由詩24*11-7-26
スコール- subaru★自由詩16*11-7-22
青を思う即興- あまね自由詩911-7-22
研ぐ男- 草野春心自由詩2*11-7-17
自分の命- mizunomadoka自由詩811-7-3
月の波形- mizunomadoka自由詩411-7-3
午後の果実- たま自由詩23*11-6-8
むじょう- 唐草フウ自由詩9*11-6-7
桃の花- 鵜飼千代 ...自由詩16*11-5-15
椰子- 乾 加津 ...自由詩11*11-5-13
愛読書について語る- 深水遊脚自由詩5*11-5-7
ぞうけい_(ご利用は計画的に)- 乾 加津 ...自由詩9*11-5-7
する_り- 砂木自由詩11*11-4-4

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