すべてのおすすめ
銀紙をくしゃくしゃに丸めたあとで
拡げたみたい
海面で瞬く無数のさざ波が
煩い
雲から
スポットライトが注ぐ
見えるはずないステージが
現れ
翳む
ぼやける
ぶれる
沈み ....
しんどいんや
と いう君のまっすぐな心も
曲がることを覚える
慣れない乱暴な言葉に
正直にバカがつくと
まるで加害者
どうしていけないの
おもったことを言うのが
梅が咲き
こ ....
君と同じ空を見上げたかったのだ
お雛様みたいに仲良くちんまりと並んでいるんだよ
桃の花だって咲いているし重箱には煮物バスケットにはサンドイッチ
おまけにスパークリングワインなんぞも冷 ....
わたしたちは
いつだって
傘のかなしみを知らないのです
雨は水のふりをしているけれど
あれは
悪魔なのです
今は悪魔であるけれど
もとは穢れなき天使だったのです
傘は特別製の防御服 ....
限りなく明日に近づけば
今になる
だから、僕らは夢をみるの
酸素も窒素もありはしない
ヨウ素の要素の感得力だとも思うのだが
まだ朝は吸収し切れないものでいっぱいだ
きみの整理が終わるまでぼくは待つのだよ
するどく
かたほうによって
なにかを
....
ぼぉお ぼぉお ぼぉお
ぷくぷく ぷくぷく
よう食用、元気かい
うるせえ、食用って言うな
何度言ったら分かるんだ
だいたいおまえだって食えるじゃねえか
....
涙だけをためた洗濯機に
渇ききってしなびれた心をつけ込んで何回もまわした
でも脱水するとまた、しわしわになり・・・
風にさらせば、パリッパリにまた乾く
*
じゃ口 ....
震災関連番組を見ている
私の背中に
六歳の娘が不意に覆い被さってくる
今朝思い切り叱られて
「ママなんか大嫌い」と
涙を溜めた目で私を睨みつけていた娘が
「ママ、大好き」と言いながら
....
いつもたくさんの洗濯物で
満艦飾に彩られていた庭が
屈強な男どもに踏み荒らされていく
六畳間に上がりこんだ現場監督は
うち捨てられていた円卓を
作業靴の足でガンガン ....
月は淋しくて蒼い光をそっと流すのだった
夜は哀しくて汽笛をひとつ響かすのだった
風は切なくて切れ切れに吹いているのだった
君は懐かしく僕の思い出の窓辺に座っていた
仄白い水仙の ....
空を見上げる
あなたの隣で
わたしは
深い海に沈んでいく
夢を語る
あなたの声を聴きながら
止めどなく
涙を流している
相容れない
対極の感情がある
二分化した心は
....
夜でもない朝でもない
真昼が俺にはお似合いだ
納屋の小麦を盗み喰う
そんな手口もいたについて
俺は名無しのガスパール
尖った爪で花を摘み
あの娘の窓辺に飾るのさ
誰ともし ....
晴れた日にうたう歌がある
雨の日ににうたう歌がある
僕には、歌がある
孤独と隣り合わせの自由
愛と背中合わせの孤独
無数の愛と自由と孤独が春の風に舞う
窓から望む 菜の花畑は 春霞
重ねた手の温もりは幾つかの時のかけらを記憶の襞から呼び覚まして
....
化石少年は砂岩の中にある海中生物の
痕跡に魅入られていた
数十万あるいは数百万年の時を経て
無名の海底生物の生きた証左が地の中の眠りから
主亡き痕跡という奇跡の造形のままよみがえる
....
僕らは寂しさに慣れたフリしてしまっている
靴下一日一足
一旦帰宅し脱いでも またそれを履く
靴下一日一足
不思議な私の掟
今日の靴下レースのエリザベス ズボンで隠れる乙女の秘密
そう 赤い透けるランジェリーと同じ ....
亀とは
亀のようにゆっくりなペースで成長中の私の長女
この間9歳になった
その亀
学校以外の場所では
とっても朗らかでおしゃべりなのに
小学校入学以来
教室で全く口を利けない
少人 ....
電柱の根元にひそやかに咲くタンポポ
青い花びらをもった小さな野草が囲って
これは偶然の可愛さだねって
足取り軽く僕はマンションの鉄柵に指を滑らせた
しかめっ面の若いOLと何ともなく ....
愛は短命
嘆いた日々も
地平を巡り
海へと消える
私は私
彼の時も越え
季節を巡り
未だ此処に居る
春に始まり
夏に深まり
秋に交わり
冬に離れる
何処に愁うも
....
ゆうこちゃんは元ヤンキー
スイングドアどっかん
カートでつき破って
おっはよー
おぉ今日も元気いっぱいで品出し
野菜売り場へ突撃だ
ゆうこちゃんにはカボチャ割る鉈
....
ヴィンテージギターを手にいれたが
一万円と格安のヤマハFG-130という
1972-74あたりに製作されたもので状態もいいし
かなり響きが良く豊かに音がでる
男はそういったおもちゃを幾つに ....
夜に積み上げられた箱階段が
複製を繰り返す(発芽)
その上を
じゃばらの形に折れ曲がりながら
わたしの影が長く伸びつつ登っていく
星々が裏声でささやきあっている(給水)
そうやって
....
移ろいにつき従うなら
時ではなく
私は風について行こう
それはいつも流れており
地上を巡り行くから
私は世界を旅するだろう
決して行き着く事なく旅するだろう
過去を嘆く事もなく
未来に ....
アパートの暗い階段を上って行くと
二階には嵌め殺しの窓があり
そこだけがまるで古い教会の天窓のよう
純粋に光だけを招き入れていた
迷い込んでいた一羽のすずめは
幼子の震える心臓のよう
....
質素の中の曼陀羅 血液の中は赤だけに止まらない
溢れ出す 吐き出す息に 染め上げる曼陀羅地図
辿れよ硬直に不動の直感
木漏れ日の隙間 紫外線の害を圏外に寄せ
高級の煌きの蓄積される ....
130305
名高い幻影城趾に佇んでは
古くさい携帯式の並四ラジオを鳴らしていた
城趾とは名ばかりの小高い丘は
松の疎林に囲まれて
がさごそと石ころを踏み ....
浮かれたうたで
浮かばれたい
めまいのする
メロディーライン
とても楽しい
青い空に
浮かばれたい
僕は君を救いた ....
生きる
乾いた空の木の枝は
去年と同じ姿をしている
彼らは信じて疑わない
この冬が
やがて春になることを
人はどうして姿かたちを変えるのだろうか
老いることは人も木も同じは ....
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