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夕暮れの海
東はステンレスのように冷ややかな薄いブルー
西は白熱した銅線のようなオレンジ
お前は美しい
限りない数の表情を持ち
いつもどこかを目指している
お前は優しい
あるゆる色を映す ....
ゆうちゃんは無口な転校生だった
四年生の春に
ぼくのクラスにやってきた
ゆうちゃんと、ぼくは
なぜか気があって放課後はいつも一緒にあそんだ
がっこうは友だちできへんからきらいや。
....
やさしい光の数々は レントの風に乗って
流れていきます
どこへ向かうのか 知ることはできないけれど
きっと幸福があると推測するので
ぼくはこの身を任せて 光と一緒に
流れていこうと ....
哀愁のコートを纏い
感傷の中を走り抜けて
憂鬱の煙を吸い
恍惚のため息を吐き
嘲りのヒールを鳴らすと
マゾヒックな水溜りが弾けた
煩わし ....
表と裏から
挟み込んで サンドイッチ
そんなゲームが 有ったような
手つなぎ鬼は
一人じゃあ 出来ないの
缶蹴りの 準備くらいなら
あの 自動販売機の前で
カランと音させてか ....
例えるならば、高いところにたまった塵
例えさせて頂けるのであれば、
新しいのを買った途端に出てくるそれ
のような
見つけられた途端に、疎まれるような
見つかりさえしなけりゃ、ど ....
ふるふるあめふる火花ふる
鉄の炉端の熔接の
ばちばち火花のあめふるを
がらすの傘さし散歩する
ねこはあめふりいやがって
わたしの肩からはなれない
....
例えば今 深い海の底で
目覚めたなら そこに 何が見える?
何も動くものはない ただ君だけを除いて
例えば今 霧が晴れたとして
目覚めたなら そこに 何が見える?
誰も気づくものはない ....
薄い春を透かして
透明な雲雀は歌い
浅い海では大蛤が
長い舌を伸ばして
むせ返る蜃気楼を
吐きだしている
遠い空では
砕かれた者たちが
陽射しを照り返し
鋭く突き刺そうとする
隣の彼岸花は赤く連なる
都市伝説の田圃道
学生が歩いていたら
宗教的オバサンにさらわれて
洗脳 されちゃうんだ って
興味本位の友人の背後で枯れた蓮が揺れていた
かきのきをみて
かきのきだとおもってる
ひとをみて
ひとだとおもってる
かきのきからみたら
ひとはひと
ひとからみたら
かきのきはかきのき
なまえもなく
....
そう
これが人生
空白の中で ぽつんと立ち尽くしている
前も後ろもない
あるのはただ 紙切れのように破れやすい
自分という存在
かさかさと音を立てて 私は首をめぐら ....
透き通ったグラスに
白く砕けた貝殻を入れる
カラカラと乾いた音が
私の耳を潤す
グラスに耳を当てれば
澄んだ音色が
脳天から足の爪先まで
私の体を支配する
あなたは恥ず ....
かり かりらん からん
鉦の響きが行列を先導する
満ちていく途中の
なまめいて誇らしげな月の下
馬の背には選ばれた幼子
金襴にくるまれて
視線を集める戸惑いを隠せず ....
彼女は残念な人
塩と砂糖を取り違えるとか
それならまだいいが
今日はイオと間違えた
イオとは木星の衛星であり
今この部屋を
星の軌道がゆくりなく通る
今日も中空に月がある。
明日も少し形を変え
きっと家路の上にある。
月があったこと
気付かず
帰った昨日。
君の笑顔追いかけて。
いつ植えたかも分からないチューリップが
たった一枚の葉をぺろりと生やして枯れた
抜こうとした
葉だけが千切れた
もはや太らない球根は眠り続けている
外は悲雨だから
いいんだよ、いいんだよ
ぼろぼろ泣いて、いいんだよ
焼けつくような空白に
飛行船の影がおち
焼けつくような空白に
赤いりんごが転げでて
焼けつくような空白で
りんごを拾うほそい腕
焼けつくよ ....
晴れた空が見守る 僕らそれぞれの物語
終りはない ただ紡がれる
柔らかい風に乗って 甘いサザンカのにおいがする
生きることは 感じ取ること
君の傷跡が燃えるとき 雨のアスファルトが泣い ....
旅ってなんだろう
帰るところあっての旅なんだろうけど
住んだこと無いはずなのに
慣れ親しんだ気がしてならない場所へと帰ってゆく
そんな旅路もあるような気がする
※
....
無菌室のようなコンピュータールーム
病院のような真っ白な世界
0101101010
コンピューターが呟く
enterを押して
enterを押して
逆流する情報
enterを押して
....
悲しい歌が町をゆく
悲しい歌は夕暮れに
ふらふら迷子のようにゆく
ぼくはおうちで外にいる
悲しい歌に耳すます
ぼくはいつでもおうちの子
先生が窓を開けた
宇宙に抱かれた教室は
零れそうなほどたわわに実った星の下で
たった一棟
冷たい風を鼻孔に満たして
それは冬の前兆
そんなにおいがした
回転走馬燈 キネトスコープ
ネガフィルム
不思議 白黒 奇妙 白黒
可思議 白黒 衒奇 白黒
日常反転 第三ダイアログ
格子飛行翼 プロペラ 人間
過去形実験 ....
まっしろだ
この紙は何でこんなに 真っ白なんだ
記憶の無い海のように
僕は小船から釣り糸をたらす
何か言葉が引っかかるのを 待っている
まっくろだ
この鍵穴は何でこんな ....
一台のテレビがゴミ棄て場で
ずっと雨に濡れている
その画面の
モノクロームの砂嵐の奥に
きみの分厚い唇がうかびあがり
散文で語ってください、
散 ....
雨上がり
秋空高く 舞うトンビ
のどかで いいねぇ
生き急ぐ勤め人が ふと見上げて立ち止まる
゛自然界の時刻表は ずいぶんスカスカだなぁ゛と
木の枝に止まってぼんやりするのに 口実なんて ....
二つの月寄り添う空の中 始まるカウントダウン
テラフォームに失敗し 荒れ果てたこの星を捨て
何処まで彷徨う ジプシーの群テイクオフ
カプセルに満たされた羊水 膝を折り再生の時を待つ
こ ....
「ヒーローあらわる!」と書かれた
スポーツ紙 一面を見ながら
コーヒーをすすり パンを食む
昨日の疲れがまだ残ってる
洗濯機を回して ぐるぐる
なんだか本を読む気分でもないし
ソファー ....
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