汚物は腐敗しない
腐敗しないどころか
浄化されてゆく
浄化されたものは腐敗してゆく
浄化されればされるほど
腐敗は目につき鼻につく
肉体とはなんだろう
百 ....
今日も街には
愛のうたがあふれ
恋人たちは
夜のホテルへ急ぐ
阿部さんの提唱した美しい国は
愛国の印刷物を過剰に生産し
鳩山さんの友愛も
この国を
みごとに迷走させ
隣のねー ....
当たり前の素材。
器を囲んでの食事。
道具を手にした採集。
地割れしない程度に杭を打つ。
大事に至らない躓きを繰り返して
もう杭については、お手のものだと思った矢先の躓き。
(地割 ....
ぼくらがまだ人間になるまえのはなしだ。
うそつきばかりがいるから、みんなだまされるし、だますこともへいきで、
みうしなってしまったのだろう。
とむらう、とむらう。
なぜぼくらは人間にうまれ ....
朝早くのまだ太陽が有頂天でない時刻に、New zealandの片田舎の都会。裏路地の階段の下に住んでいる少年、足の裏が靴の底よりかたいのよ、サンダルを盗んでいったらいいんだ。虹色に騒がれた名画のよ ....
言いたかったのですか
ほんとうに
どうしても
そんなにきつく
血がでるくらいきつく
くちびるを噛みしめてまで
ほんとうに言いたかったのですか ....
夜、は
首筋からこぼれ落ちて
かすかに甘い蜜のにおいを
隠している
命令に逆らいたい鳥たちが
もうじきそれに気づくだろう
囲いはすでに
万全なのだ
風がかく ....
のどかなメルヘン
手帳のちいさな文字
優勝は ツ
砂場のウルトラマン
中学生のころのクレープ
妹の拾ってきた猫、その前での誓い
ベランダから現れるお母さん
放課後の掃除のじかん
あだな ....
病み上がりのうえでの整列。
余所余所しい偶然のまえで
滑車の滑りを
いつも以上に強くしてやった。
足元をかすめた後は、後尾へ向かうだけ。
その行為の言い訳は
既に滑車の下敷きとなっ ....
これ以上泣いたり笑ったりできないくらいに疲れてそれでもお金は味方だと思った。一粒500円のチョコレートを買ったり髪の色を5日ごとに変えたりしてそれでやっと立てている感じがした。洋服より下着にお金をかけ ....
われわれは
そこにあるものを みるのではなく
みたしゅんかんに 想像力
で、作り出している つくり
だしている・・・ ないものを
あるがために するために
わたしは われめのだんぺん、 ....
カラーの雨傘で
空の青さを待った
変化が大きいと
くしゃんくしゃんと
花だって風邪をひく
上書きするものは
画用紙に描かれた青い空と
虹の寸描
そこに紫陽花の群落があって
光が合 ....
汚れた布を剥ぐように一日が終わろうとしている
最後に君は精一杯の化粧をするみたいに
うろ覚えの心を駆使してそうだ
うたを、うたを、つくるんだ
ギターの弦は錆びていて
....
安っぽいネオンに浮き上がる壁のシミ、年食った売女のためらい傷にデカダンスすら感じながら、油臭い路地裏につっぷした浮浪者の踵、また、その頬に刻まれた皺、それらの造形美に酔うことだって平気で、若い君は強 ....
町を歩く
暑くて疲れたら
喫茶に入る
寂しくて暴れそうなら
ビルを見る
線路を見る
セシウムさんかあ
ストロンチウムさんかあ
この光のなかにもいるのだろう
予定を踏み込んだため
機構が前上がりになってしまった。
何かの感触で
一連の動作と出来事が、後退りとなる前に
どうにかして機構を前向きにしなくては。
そうだキャスターがいい
キャス ....
陸地では使われなくなった文字が
水槽に降り積もっている
僕はエスカレーターから
その様子を眺めている
前の人の袖が
風のようなものに揺れて
明日になれば
おそらく別の人の後ろ ....
緑波立つ
一面田の面
太陽真上に
正午の沈黙
見時葉の月
一よう多様
大気の底で
焦土の地が沸く
あの夏の日々
われを失う
瀕死の乱心
あの夏の日々
割れる脳内 ....
夏のお空は賑やか
雲の鯨が群なして
北さしゆっくり泳いでく
夕べ摘まれた胡瓜はポリエチレンの中
萎れた黄色の花を畳んで重い体をしんなりと
むらさきの影踊る無人販売所
朝の優しい静け ....
動く石ころを
温められるような気がして。
場面の一部には
通りすがりに
志が引っかかることがある。
意中に収まることであるなら
延長されるべき場面とされ
その場に長く止まろうとす ....
湿った土を
裸足で踏んだ
ご覧、雨の忘れ子は
きらきらひかる
柔らかい光は
あの夜を透かして
私までもを見つけた
まだ朝なの
もう、朝だよ
耳をか ....
道に紙が落ちていた
人の名前が書いてあった
知らない名前だった
畳んでポケットにしまった
家に帰って紙を広げた
十分経っても知らない名前だった
ひどく蒸して
退屈な夏だっ ....
「18歳未満立入禁止」
のボタンを押して、そっと扉に入る
大人は誰一人いない
大人が若返っているのか
大人などはじめから入ってこないのか
大人などはじめから"いなかった" ....
庭は
しめっている
しずかに
でも
着実に
窓際には
枯れた花が
咲いている
わたしは
濡れた戸を背に
立っている
あなたが
部屋のなかにいるのがみえる
....
食の安全
以前に
ものを食う
ということ自体に
すでにリスクあるんだよ
殺しているわけだから
食肉業者に肉を切り分けてもらい
これは安全ですと
一生を保証されるほど
人間 ....
虹が美しいのは
雨のあとだから
虹が美しいのは
光の さしこみ
すると
虹に向かう力は
その盾は
どちらさまの
しわざなの?
広島はいつも晴れ
八月六日 ....
まず一人が吟味し
一人が定義し
それから一人が名を付け
最後に一人が宣言した
そのようにして
すべてが台無しになってしまった場所で
扇風機が回っていた
....
海の想いを平面図にすると水平線は出来上がる。音もなく日が昇り日が沈む。超小な姿は大きな船だ。角度は180度。波頭がときおり白い笑顔を見せる。二つの目だけでは平面図の全てを包み込めない ....
大きな木には、神様が住んでいる。と、
子どもの耳が憶えている。
木肌に、耳をつけて、
神様の声をきく。
そうやって一度だけ、
神様の声を、聞いたことがある。
言葉はわからない。ただ、
水 ....
猫のいる角曲がる
冷たいバス一台
靴履いて踊る
カード屋の店主
寝転んだまま
樹林は日曜日
歯ぎしりを忘れて
ずっと待っていた
壁の入ったビン
3つだけもらった
赤い流体
....
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