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あなたの自転車の
前輪ホイールの中に
くたばったハムスターみたいな
雪
鍵をかける
指のやわらかさ
にすら蓋をする
ないことになっている
あたしのこのこい
....
冷静と冷たさは
別勘定だと思うけど
マヨネーズ舐める
から揚げ食って
マヨネーズ舐める
感情移入も優しさではない
箱を思い出してみる
あるはずのない出口から
いとも簡単に私は
抜け出し
あるはずのない入り口を
きっともう私は
見つけられない
箱を思い出してみる
それは
美しいもの ....
あけましておめでとう
そして僕たちはそのように死んでいく
あけましておめでとう
死んでいくのではなく殺されていくのだおそらくは
お互いに
殺されあいながら
あけましておめでとう
生き ....
ようようくりかえすことばを
きみにいえるわけがなく
しらぬまにきれたひふが
ゆっくりとすなにしずんでゆくので
「ゆーとぴあ」とぼくがいったが
きみにいえるわけがなく
た ....
消えていく
痛みをなぞりながら
その痕こそが
証であるかのように
鮮やかに
鳴いている
幾羽か、を、目に
焼き付けることもなく
空の夢をよく見るのだと
その人はうつむく
....
体育座りを催促する床、壁、天井
ドアとカーテンが万が一に備えて閉じられている
尖った切っ先を心臓に突き立てたら指が震えて命乞いをするので
ベッドの木材に打ちつけると中指の天辺から血が吹き出 ....
こんにちはの時刻の欠落の日々の続き過ぎで、ね
胸いっぱいにレトロを溜めこんだ
公園にはゆきたくない、幼稚園にも何処にもゆきません
正当な主張ではないことを知りながら
こんにち ....
私、詩を整理したの
これは、お知らせなの
お知らせなのに詩なの
とっても個人的なお知らせだもの
どこに書いたらいいか分からないもの
どうでもいいことかもしれないもの
....
花はよく咲いたが
実をなさなかった
わたしの部屋には
白磁があるが
それには違う
実を山としよう
....
笑う度、消えてくたぐいの深緑
燃料は確実に燃えてゆく
あの森の湖は深く
私が消える
バスタブに沈んだ水色に
一瞬息をのむ
深い森に迷い込み
やっと静かな場所を見つける
けれど永遠に私に孤独は訪れない
深い森に入り込むほど
そこはあなたに出会った場所に
似ている
砂丘であなたに会いたかった
あなたの足をつかみたかった
行き倒れる寸前の
砂に埋もれたあなたの足を
谷であなたに会いたかった
あなたの骨を接ぎたかった
花をとろ ....
「ホーム」 「ホーム」
あなたと私 君とぼく
線路にほんぶん ....
100円玉2枚と10円玉何枚かを
レジのお姉ちゃんに渡して
ブランコの上で開けるプリングルスが
俺の中学校の時の夕飯だった
ある火曜日俺はいつものようにプリングルスと
その日はココアシガレッ ....
わたしの靴を捨てないでください
底が削れて ヒールが丸くなっても
それはわたしの足
わたしの毛布を捨てないでください
綿がはみ出していても
それはわたしの ....
破壊する明日へ続く自動ドア
ため息一つの重さで
音もなく扉は開く
誰だってそんなところに
立ちたくはないけれど
ドアは静かに開かれる
私は今
どちら側にいるのだろう
....
しっとりと重いスポンジの中で
ただただ黙り込む
水色のことば
遠い時間の証言者
優しさの代わりに膨らんだ
水色の記憶
どんなことにも限界はあるのでしょう
今夜スポンジをしぼろ ....
a
せかいは、ぼくはここにいるの
だいがっしょうでまるでしんでいるようです
あまりにこえがおおすぎて、
もうききわけのつかないのです。
あれはだいすき ....
誕生日を 何度祝う人がいるだろう
生から1回
27度 おめでとうという姉
27で 姉が空にいることを知り
28 5分が過ぎて 28
いくつかの頃 姉が28だった歳
「私 ....
東京、今日の気温7000℃。
かばんの中身を全部吐き出してしまってかばんは
ムード作りが大切だよ
大部分の人にとっては
一週間で主の入れ替わる
ビニール製の青い虫かご
太陽なんて
きっと言葉が通じないよ ....
さかなにはさかなの
けものにはけものの
くらい、影があって
さかなにはさかなに
けものにはけものに
それぞれのくらしと
それぞれのねむりが
境い目の波に
夜の月明かり
揺 ....
おとうとの写真
って
いつも
いまいくつだろ、とおもう
ろうそくに
火をつけて
手をあわせて
いまいくつなの、と聞くと
それよりも
ねえちゃん、はだかだよと言う
....
原形は不動 そして現在見ている物も不動 『ものかけ』
譬え立体に見えたとしても動く事はない
ところがそこに入り込む永遠
を構成する細切れの時間が空間を掻き混ぜる
歪曲
確 叶 ....
横たわった端整な顔が
眠っている 女だ
前景に
積もる砂粒がせり上がって
早く厚く
それを埋めていく
呼吸のように耳へと覆い被さる風
急速に埋め尽くされていく 砂
もはや ....
兄は云う
この井戸を掘り返してなるものか、
と。
野井戸はけして深くなく、
雨水が満ちているのだが。
野井戸はすでに開かれて、
....
電車は走る、光を拾う鳥のように
森を抜け、窓に緑が流れ
あたりにはぼくの未来や時間が
とてもまぶしく渦巻いていて
その中へその中を
考えることを忘れたまま
勝利や敗北やすべての闘 ....
ひだはそれを吸い込んで
ぼくはたとえば茫然とし
まるで関係のなさそうななにかに
縋ろう縋ろうとするさまはこっけいなんだろうと思う。
風鈴がな ....
白い箱の存在感
目には見えない大切なものを
私はすぐになくしてしまうので
小さな白い箱をいくつか並べる
空っぽの箱の存在感
箱にしまうことは
なくすことと本 ....
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