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誰でも救われる訳では無いけど。

でも救ってくれたあなたは、
あと少しで炎が消えそうに
揺らいでいます。

幼いわたしは坂に向かって開かれた窓から
あなたの名前を呼びました。
親があな ....
酷い話だ
身内が横たわっていても
涙一つ出やしない

酷い話だ
悲しくならなければいけない
と自分で言い聞かせても
涙一つ出やしない

酷い話だ
死に顔をじっくり見ても
とて ....
池の縁
額紫陽花の青い花片
咲き誇る菖蒲の盛り過ぎ
梅雨晴れの中 君と歩く

池の中
花睡蓮の白い蕾
亀の波紋と蛙の声
梅雨晴れの池の縁 君と歩く

去年の今頃も二人訪れた
城址 ....
さて また、あのすすり泣き
深夜不気味な静寂と
心の中を踏みにじる
遠吠えのような鳴き声と
嗚咽を漏らしたすすり泣き

寝静まった街の中
街路樹に風
   風だけがざわざわと
聞 ....
初夏の北の港町
突き抜ける青 鳥の舞う空
ビットに繋がれ漁船数隻
塗装の剥げた漁船たち
小さく体を上下しながら
早朝の漁から帰還して
体を休めるまもなく人だかり
そのあたりの漁師たち ....
途中で途切れた時刻表は
遠い昔に自分で書こうとして
そのまま諦め
しまい込んだものです。

今引き出しの中で見つけ出し
ボロボロになった時刻表を
膝において眺めていると
随分、発車時刻 ....
簾越しに夏の太陽

舗装されていない通りの先

木造の橋をトコトコ渡る

爺一人

手ぬぐいを首に巻き

麦わら帽

やぁと挙げた掌に

いくらか赤みを帯びた顔の皺

 ....
手賀沼の畔

今、道の駅があるあたり

河童が一匹人を待つ

臆病河童の三太郎

道祖神の裏に隠れて人を待つ

手賀沼の畔

大きな椨(たぶのき)の影で

臆病河童の三太郎 ....
沼のほとりで
朝日を何回か浴びているうちに
僕は気づいた。物語に参加していることに。
それから僕は
少し考えながら山道を登るようになる。

目の前にある栗林は
妙な匂いのする林で
樹木 ....
何時から皆泳げるようになったのか

すいすいすいすい
人間が横切る
何の不安もなく足が地球から離れる

風はないがもっと重苦しい流れがある
音は聞こえるのだが
ゴボゴボ空気の泡立つ音が ....
窓から差し込む陽光に
そっと手を翳す
翳した指の透き間から
幾筋もの光が和音となって、響き渡る

部屋中に響き渡るそのハーモニーは
希望に満ちた朝の光
朝の空気の中、陽光が満ち溢れ
そ ....
足柄山の中腹に
大きな栗の大木が
その巨木の瘤の中
蔓で編まれた黒い籠
籠の中には麻の布
布に包まれ赤子が一人
黒々とした髪を持ち
大きな体に漲(みなぎ)る精気

山の端,やまやま、 ....
埃っぽい倉庫街の一角
赤煉瓦造りの古風な倉庫
その中で熱心に壁の穴を覗く者
それは老人だった
グレーの草臥れたジャケットを着た
老人だった
櫛の通っていない白髪の
老人だった

老人 ....
レストランのウィンドウ越しに見える殺風景
横浜根岸の崖の上
そこから見下ろす港の様子
コンテナ船が往き来して、
その陸揚げ作業がのぞき見られる
行き交う大型コンテナトラック
夥しい数のコン ....
西洋ではエイプリルフールだって言うんだろう
その日は嘘を吐いても良い日だ
だから、私が死んでも誰も本気にしないだろう

きっと、

「いくらエイプリルフールだからって
 そんな嘘はいけな ....
最終下り電車
残業帰りの疲れ
飲食店従業員という化粧
旅行帰りの子供連れの疲れ
デート帰りのいちゃついた欲望
窓を見つめる独り言
酔っ払いの不明な歓喜
忌避すべき酔っ払いの不潔な嘔吐
 ....
斜面を駆け下りようとつんのめり
ノリ地の草原(くさはら)に身を投げ出して
空を見上げた

空は晴れ渡っていたが
白く山の端がぼやけている。

此処まで歩いてきた道のりは
安易なもので
 ....
春うらら梅香る城散歩猫

昼寝猫はなさき薫る梅一輪

黒猫が丸く膨らむ春うらら

黒猫や背に梅の香を漂わせ

励ます誰かの言葉より
一緒に歩く仲間になろう
哀しみ哀れむ涙より
心に響く歌声が
砕けた心を蘇らせる

失ったことを忘れないこと
それと同じくらいのこと
これから何かを求めるため
進 ....
閉め切った部屋の窓硝子の温度差
水滴によって曇っている硝子表面
外界の寒さと此処は無縁の筈だが
独り曇った硝子窓を見つめている自分は
一匹の黒猫だ

雌なのか雄なのか去勢されてから
噸( ....
時報に電話する都会の昔の孤独を
歌った年老いたDylanは

顔も見ずに携帯画面で
交換される文字の羅列に生活する
今の孤独を知らない

声で発ッせられる言葉に
恐怖を感じる人の群れは ....
年に一度お楽しみ
村の外れの野っ原に
大きなテントが出現し、
チンドン屋が触れ回る


さぁさサーカスが始まるよぅ
このサーカスは面白いよぅ
そこいらのサーカスとはチと違う
空中ブラ ....
雪が朝から降っている
景色の輪郭を消しながら
道路の染みを消しながら
隣の境を消しながら

雪が一日降っている
人の予定を消しながら
人の日常を消しながら
人の時間を消しながら

 ....
吃音的思考
促音が音叉のように
響き渡る
繰り返し繰り返し繰り返し

長音と撥音の区別の無い思考
一音節で何を語る
テンションとリラックスの繰り返しが
微妙にずれ

吃音的身体運動 ....
僕の時間の砂が
指の隙間から零(こぼ)れ落ちる
さらさらさらさらと
零(こぼ)れ落ちる。

そのまま風に吹かれて
失われてゆく
砂の想い出

人生の終わりまで
掴(つか)んでいたい ....
人生は夢と覚醒の繰り返し
夢は無価値、
覚醒時こそ人生だ
等と大人の戯言
誰が決められる?

人生
夢と覚醒の繰り返し
同等同価
なにを言いたい?

夢は狂いのさなか

 ....
n次元関数の座標軸の一端にしがみついて
グラフのn次曲線を眺めている視点から
三次元を眺めると歪んだ感情が広がる
感情という名の空間を認識しているのだが
座標軸に沿ってスライドして0へ

 ....
雨の音が聞こえる
雨が礫(つぶて)となって降っているのだ
雨の音が聞こえる
冬の雨は冷たい
雨の音が聞こえる
部屋の中にじっとしていられない
雨の中を歩くしかないのだ。

雨の中を歩く ....
時間を掴み取って宝箱に仕舞っておけるのなら
僕は、初めて君と会ったあの古ぼけた体育館の片隅で
君に卓球をやろうと声を掛け、ガムをあげた
あの時間をそのまま宝箱に入れよう。
あの時の気分あの時の ....
秋深しとっとと黒猫歩きけり

紅葉舞う掌の中のぞくはてな猫

落ち葉踏み尻尾を立てて猫二匹

             蛙
梅昆布茶さんの……とある蛙さんおすすめリスト(157)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
姉弟(してい)- ……とあ ...自由詩19*13-7-17
酷い話- ……とあ ...自由詩20*13-7-3
梅雨晴れ- ……とあ ...自由詩13*13-7-1
余命- ……とあ ...自由詩13*13-6-26
北の鴎- ……とあ ...自由詩9*13-6-25
時刻表- ……とあ ...自由詩9*13-6-19
木の橋- ……とあ ...自由詩14*13-6-11
河童のおはなし- ……とあ ...自由詩14*13-5-30
禿頭- ……とあ ...自由詩10*13-5-20
間氷期- ……とあ ...自由詩10*13-5-14
コード2- ……とあ ...自由詩10*13-4-26
金時- ……とあ ...自由詩8*13-4-16
壁の穴- ……とあ ...自由詩11*13-4-8
山手ドルフィン- ……とあ ...自由詩7*13-4-2
出来れば四月一日に死にたいという男の話- ……とあ ...自由詩12*13-3-29
終電_第二便- ……とあ ...自由詩9*13-3-27
春ー帰郷- ……とあ ...自由詩6*13-3-22
猫しだい- ……とあ ...俳句8*13-3-18
応援歌- ……とあ ...自由詩15*13-2-28
窓際の猫- ……とあ ...自由詩9*13-2-19
スマ・ホ- ……とあ ...自由詩8*13-1-31
サーカスのおはなし- ……とあ ...自由詩12*13-1-18
雪が降る日- ……とあ ...自由詩18*13-1-14
吃音- ……とあ ...自由詩11*13-1-9
時間の砂- ……とあ ...自由詩18*12-12-19
シュルレアリスムのきっかけ- ……とあ ...自由詩7*12-12-13
再度_視点- ……とあ ...自由詩7*12-12-12
雨の中- ……とあ ...自由詩9*12-12-7
時間の感触- ……とあ ...自由詩18*12-11-28
猫三題- ……とあ ...俳句7*12-11-20

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