葉leaf



全ての生命が鉱物のようにまどろんでいる
太陽は新しく昇ったばかりの新人で
世界の照らし方がわからない
ぎこちない光を浴びながら
水のように低くしたたかに歩道を歩く
私はすべてを根拠付け、そののちすべてに根拠付けられる
鳥の声を余すことなく撃ち落とそう

鳥など存在したことがなかった
ただ甲高い鳴き声だけが存在した
あの羽の生えた飛ぶ生き物は鳥ではない
甲高い声の主、その音源こそが鳥であり
それはあの生き物ではなく
空間の無意味さである

電車は悲しい歌を歌っている
とても感傷的で、過去を振り返るような
かと思うと勇壮な行進曲を歌ったりもする
時間は混沌として何の意味もなく
電車は昼も夜もどんな季節も通過して行く
私をいつもの場所に連れて行くがいい
この混沌の時間を横切って

建物はつめたい
どんな熱を受けようと
無に帰してしまうのが建物だ
建物は意に反して立っている
設計も建築もこんな大きな体もいらなかった
建物は失意そのものだ
いつでもつめたい物思いに沈んでいる


自由詩Copyright 葉leaf 2015-04-14 17:34:01
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