黄ばんだ細い幹の先
辛うじて育む古の緑
枯れ切らない生が
美しい朝を
美しい夜を
何度も
心待ちにしている


如何わしいことばかりの森の奥で
白いワンピースの裾が揺れていた
小 ....
澄んだ水にウチは住めぬ

これだけは言っとくよ

by ウチ
まどろみの風下で
アミメキリンの夢を見た

縁側の木漏れ日の
網目をかいくぐって
鯨偶蹄目キリン科の
枝先に腰掛けていた

うたたねの岸辺で
アミメキリンの夢を見た

首を長 ....
風を数えることができない
今私にぶつかった
私の髪をさらっていった
風を色分けることができない

だれかの悲しみに
順列をつけることができない
少し待ってくださいと
目をふせる人をフォ ....
高校生活のころ
湿気高い、と書く癖で
わたしの詩だと読みあてた人は
乾というキザなネームが合わなくておかしいと笑う

 貴方には才能があります
 がんばってください

一晩中ふるえてか ....
それでも君は
真正面に瞳を据えて
行く手を遮るものに
立ち向かうのだろう

恨みもせずに
拗ねもせずに
飽きもせずに
前へ進むことだけを
考えるのだろう

降り注ぐ光のままに ....
 野に咲いていた
 赤い花を
 むしんにむしっていた娘に
 わたしは言った

 かわいそう
 花さん、いたいいたい
 白い花さん、いたいいたい
 赤い花さんも、いたいいたい
 ....
あの子にもらった 最初のメール
携帯電話を鞄の奥深くに沈めて
鞄を膝の上で固く抱きかかえて
午後十一時過ぎの 快速列車にもたれる

子供の頃に
家族みんなで大阪で遊んだときの   ....
{画像=110425205426.jpg}

*

あの日

とおく過ぎ去ったあの日

想い出はいまもあるのかな

あなたの胸に

*

あの日

苦しくなるくらいまで ....
朽ちた花さえ

髪に挿し

わたしは明日も

笑いたい
二次元の向こうから

ひたひたと
伝わってくるものを
感じる

4月のはじめ

毎月更新される
華やかな写真の中より
客船と共に

モノクロの横顔と
長身のスーツ姿が
一致 ....
ひんやりとあなたの背中
ねぇ こっち向いてと
云うことが出来ない
でもこの距離感が好き

洋楽を小さく歌う私に
あなたは「わからない」と告げる
別にいいのよ
たいしたことじゃない

 ....
{画像=110417071821.jpg}


はっとして
涙が頬を伝い落ちる時、
私は独りで夜中に起きている。
何も言葉を語ることはできないし、
何をしていいのか、
何が正しくて、
 ....
  指きりをしよう
  サクマ式ドロップみたいな
  とりどりのたわごとが
  嘘にならないよう



  指きりをしよう
  またねという言葉で紡いだ
  ほそくつづく糸が ....
朝のにおい
冬のにおい

夕げのにおい
夏のにおい

かあさんのにおいって
どんなにおい?

春 陽が高く昇っているころ
空はすこーんと明るく晴れて
車が少々走っている道路脇
 ....
一年生になった息子が
おねしょした

小学校には
楽しそうに通ってるけど
子供は子供なりに
新しい環境に緊張してるようだ

昨年
死んだばかりの父も
あの世でゆっくり
 ....
わからないから不安になるんだよね

好きなひとの心うちと
明日の空模様

開けてびっくりでは困るけど
あてにはならない春の天気予報を頼りに
ご機嫌いかがなんて訊ねてみる

わたしから ....
階段の灯りをLED電球に交換した
ちょっと薄暗いけど

四万時間の寿命だという
居間から二階の寝室まで
三十秒あれば昇りきるとして
電卓をたたいてみた
五十年は切れることはなかった
ぼ ....
もっと郊外に
店あったり
もっと駐車場も
広かったり
ブランド品に
大枚はたいて
泣くより
アウトレットモールに行ったら
今以上
それ以上
安くなるから
あなたのその目から
ウ ....
{画像=110417051719.jpg}


足下の明かりを踏んでいる

私は歩いていた

その舗装された道では
所々に白い線が引かれ
アクセントとなって
景色が次々と切り替って ....
  まがいものに
  きみは
  こころほれて



  まがいものに
  きみは
  いやいやをして



  だけど、きいて。
  しんじるということは
  う ....
空は
むかし
透明で

この世の青いもの
全部すいこんだ

(わたしの青いブラウスも
空に持っていかれた)

空は
いま
青色で

透明な雨を
はきだしている
  コップ一杯
  ぼくは詩を差し出す
  もの珍しげに覗きこむと
  あなたは口をつけ
  なにも言わずにぼくに返した



  コップ一杯
  あなたは想いを差し出す
 ....
{画像=110411235352.jpg}


その時は気が付かなかったけれど
写真を見て気が付いた
彼女は右手に一本の花を持っていた
笑いかける視線の先に
彼女の母がいた
慈顔の想い ....
{画像=110410104219.jpg}


缶を足で押え込む感覚を覚えている
コテンと倒すとオニは
諦めの表情になる
体育座りしていた捕虜がはじかれたように走り出す
街の神社の境内は ....
君のこと愛しているよ
って
叫べるほどに誰かを愛したことあったのかな





おとこの子
男のひとを「きみ」って呼ぶ

私に似合わないのは判っているけど
敢えて、そう呼んで ....
向こうで あなたが 
微笑みを浮かべていても
直ちに影響はないけども
そのたびごとに
僕には花の種が撒かれて
そしていつか
広々とした花畑ができる

向こうで あなたが  ....
唇は ほどよく濡れ

指先は ぬくもりを感じ

果ては 穏やかな吐息




 
どうして笑っているの
たくさん わたしたちは生きている
どうして泣いているの
たくさん わたしたちは歩いている
どこにいっても
どこにいても
こどうとともに
だれかをおもう

こ ....
宇宙式の貨物船にのって
オールトの雲のなかを航海している
太陽から1.47光年離れても
まだお前の重力圏内にいる

まったく、すごいやつだよ
お前ってやつは

RC2052年18月03 ....
電灯虫さんのおすすめリスト(302)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
深い森- さき自由詩511-5-1
これだけは- 殿上 童自由詩11*11-5-1
キリンの夢- nonya自由詩20*11-4-30
それでもできることをする- 朧月自由詩611-4-29
乾く- 乾 加津 ...自由詩21*11-4-27
涼風- nonya自由詩13*11-4-27
つくりものめいた、花- 石川敬大自由詩15*11-4-26
夜行- yumekyo自由詩211-4-26
あなたを映す世界_/_木漏れ日に揺れる想い出- beebee自由詩1611-4-25
ひと- フユナ自由詩311-4-25
二次元の向こうから- 森の猫自由詩10*11-4-24
硝子の浴槽- れもん自由詩7*11-4-24
迷子に- beebee自由詩12*11-4-23
指きり- 草野春心自由詩7*11-4-22
におい- マフラー ...自由詩4*11-4-20
おねしょ- 小川 葉自由詩411-4-18
落ちるひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*11-4-18
あどけない話- たま自由詩21*11-4-18
アウトレットの心- 花形新次自由詩611-4-17
月影_/_春の夜の記憶- beebee自由詩20*11-4-17
まがいもの- 草野春心自由詩4*11-4-15
そらのいろ- マフラー ...自由詩3*11-4-14
コップいっぱい- 草野春心自由詩3*11-4-12
幼女はDaisyを持つ- beebee自由詩511-4-11
缶蹴り- beebee自由詩3*11-4-10
咲く花のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*11-4-4
ただちに影響はない- yumekyo自由詩411-4-3
果ては- 殿上 童自由詩12*11-4-1
平成23年の春に- 唐草フウ自由詩11*11-3-31
オールトの雲をぬけて- たま自由詩16*11-3-29

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