すべてのおすすめ
冴え渡る青一色のそら
家々の屋根は
くっきりと尖り

わずかに色合いの違う木の葉も
それぞれに自己主張する

一枚一枚のさようならが
鮮やかに翩る
秋の日の真昼
なんどでも振り返り
なんどでも悔やむ
選ばなかった道のこと
なりえたかもしれない自分のこと
なにひとつ定かな記憶もないのに
分かれ道の向こうの小さな光が
やけに瞬いてまぶたに刺さる

 ....
ドラッグストアの棚に並んだ
石鹸の類い
これでもない
あれでもない
おそらくどこにもないのだろう

探している香りは
高電圧のくしゃみのように
蒸発してしまって
世界のどこにも、ない ....
「そのレコード貸して欲しいって言ってたよね」
嘔吐に近い感情
寂しいからメールしたと思われたくない
寂しいけど

「どれくらい愛してる?」
その質問の模範解答を ずっと探している
開けた ....
思い出した
思い出してしまった


宵の寒空
その底に沈む空気を吸って

木枯らし

髪は乱れ
呼吸は出来ない
内臓を風が通り抜ける感覚
僅かに揺れる身体

静けさ ....
ヒール脱げない恋と寝ている 動くものなら
食べてしまうその本能を
罪ではないと
あなたがいう

あわただしい
交尾のあと
わたしが捕まえるより早く
どうか逃げおおせてください

大きな腹を抱え
一晩かかって ....
海底が隆起し水位が下がって
エベレスト界隈が空中に生えた頃
ナマズは汽水に放り込まれて
激烈な減圧に体を硬くしていた

それから雨が際限なく降り
雷鳴をも呑むほどの洪水が引いた頃
ナマズ ....
タイスの「瞑想曲」が似合う秋
私から枯葉が
虫食い穴があちこちにある私が
落ちていく秋の夜中

もともと智慧の無い思考の葉脈であっても
いまだけはその働きを止めておきたい
聴こえてく ....
僕は見たけど黙っている  
恋して 弱くなりました

愛して 強くなりました

向き合って 真実を得ました



 
その靴は私の足にあわないので
履くたびに痛みが増しました

1日その靴を履かなかったら
少し痛みがやわらぎました

どうしても
その靴をはきたかったので
翌日は我慢して履きました

 ....
ひとりで走って一等賞 誰かの溜息で
紅く染まった紅葉
風に巻き散らされて
紅い絨毯が敷き詰められた
一歩 歩む度に
カサッ カサッ 
と、小さな悲鳴を上げる
その一枚を拾って
空に翳してみれば
紅い残像が ....
サナギのまま夜の深いところ もうそろそろだと
祖母は言う
おかいこさんのからだが透けはじめると 
そのうち糸をはきだして
楕円のおうちで
別者に生まれ変わるのだと

その不思議な虫は
一日中
桑の葉を食べている ....
 私たちが
 自分を創り終えるのは
 いつなのだろう

 たとえば、
 どこかの建物の一室で
 最後の息を一つ吸い
 そして、吐き

 その胸の鼓動が
 ついに沈黙する時
 あな ....
歳を重ねるごとに教科書はどんどん小さくなって、今や親指ほどのSDカードになってしまっている
何からも学ぶことができなくなっていよいよ終末感が漂う

空は暖かな海のように遠いところで水色を安定させ ....
秋風のなかに
ほんのわずかに残された
夏の粒子が
午過ぎには
この洗濯物を乾かすだろう

通夜、葬儀の放送が
朝のスピーカーから流れて
犬が遠吠えを繰り返す

香典の額を算段して
 ....
断らずに済むのなら
だれも傷めず済むだろう

自分だけが傷めば済むだろう



弱音を吐かずに貫けば
士気は下がらず貫けるだろう

自分だけが背負う重みを貫けるだろう


 ....
手渡され
キャベツを剥いている
一つが終わるとまた一つ
終日キャベツを剥いている
来る日も来る日も剥いている

甘ったるい青臭さ
葉をもぐ音は眠気を誘う
額に縦皺や青筋を浮かべ
倦み ....
ドラマチックに声をあげながら 静止していくのは
流れるはずの血液 聞こえるはずの心音

足早にそこから立ち去っていきたいのに
抱えた季節を手放せないから 動けない

与えられた名前 ....
秋の向こうに{ルビ欹=そばだ}てながら静かに燃える木の葉ほど
老いの門口 艶やかに {ルビ靡=なび}くことができようか

ひとによりけり だが

誰も自分が想うほど 美しくも醜くもなく
ま ....
雪を見たいと蝉が鳴いている 寝言でこぼれた未練が染みになった 荒んだ気分に吹かれているのも
快速電車の乗り心地です
時に青白い猫が追い越して行くのも新鮮
手放しで夜道を直進するも悪くない
見通しは甘くありません
集会に行くのだとばかり思っていたら
対 ....
アスファルトに打ちつける
雨の勢いが強くなり
せっかくの買い物も少しずつ
憂うつさを増していた

家に帰れば君がいるだろう
早くしよう
と足の動きが速くなる
最近キスが足り ....
オバケ同士で驚きあっている 小声で褒められた 大切な約束をしたことを
いいかげんなわたしは
いつのまにか
忘れてしまった
むきだしのアセチレンランプの猥雑さざめく夜市
腹を見せて死んだ金魚は
臭う間も与えられずに すばやく棄てられる
 ....
桐ヶ谷忍さんの自由詩おすすめリスト(527)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
透明度- Lucy自由詩17*14-10-20
「きざむ」- 小夜自由詩714-10-20
かりそめ- そらの珊 ...自由詩1714-10-18
レコード_(詩のレシピ8)#pwGT組- 北大路京 ...自由詩8*14-10-17
独りきりを思い出す- 凍月自由詩14*14-10-16
ヒール脱げない恋と寝ている- 北大路京 ...自由詩514-10-16
じょろうぐも_【詩人サークル「群青」_九月のお題「悩」への提 ...- そらの珊 ...自由詩14*14-10-16
ナマズ- salco自由詩1714-10-15
瞑想曲- 乱太郎自由詩20*14-10-14
僕は見たけど黙っている- 北大路京 ...自由詩714-10-13
あなたとわたし- 殿上 童自由詩22*14-10-12
新しい靴- Lucy自由詩17*14-10-12
ひとりで走って一等賞- 北大路京 ...自由詩414-10-11
【_レジリエンス_】- 泡沫恋歌自由詩23*14-10-11
サナギのまま夜の深いところ- 北大路京 ...自由詩614-10-10
偏愛- そらの珊 ...自由詩2414-10-8
人間の完成- まーつん自由詩18*14-10-6
美化されすぎた世界のせいで- 木屋 亞 ...自由詩3*14-10-5
まえぶれ- そらの珊 ...自由詩2314-10-4
傷つくための選択肢- 千波 一 ...自由詩414-10-2
キャベツ学舎- salco自由詩1014-10-1
364日- 為平 澪自由詩8*14-10-1
ひとひとひら- ただのみ ...自由詩21*14-10-1
雪を見たいと蝉が鳴いている- 北大路京 ...自由詩614-9-30
寝言でこぼれた未練が染みになった- 北大路京 ...自由詩314-9-30
夜道で猫に会う- Lucy自由詩19*14-9-28
79円- かんな自由詩15*14-9-28
オバケ同士で驚きあっている- 北大路京 ...自由詩1814-9-27
小声で褒められた- 北大路京 ...自由詩414-9-26
あかい花- そらの珊 ...自由詩2614-9-26

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