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夕陽を抱いた木々の裸は細く炭化して
鳥籠の心臓を想わせるゆっくりと
いくつもの白い死を積み冬は誰を眠らせたのか
追って追われる季節の加速する瞬きの中
ゆっくりと確かになって往く単純なカラクリに ....
秋の向こうに{ルビ欹=そばだ}てながら静かに燃える木の葉ほど
老いの門口 艶やかに {ルビ靡=なび}くことができようか

ひとによりけり だが

誰も自分が想うほど 美しくも醜くもなく
ま ....
突然窓から入って来たかと思うと
開きっぱなしの聖書を勝手にパラパラめくり
挨拶もなしに出て行った
――相変わらずだな
きっと満開のニセアカシアの間を抜けて来たのだろう
すると今頃は下の公園辺 ....
小林峠の近くで
狐が轢かれて死んでいた
珍しいことではない
狐も 狸も 猫だって
だけど道路の端の方で
轢かれたばかりらしく
まだ そのままの姿で
顏だけが歪んで血まみれで
瞬間の ....
アスファルトに残された雨
今は水溜りと名を変えた
干上がりかけたわずかな身に
懐かしい空を映す
風の愛撫にさざなみながら

二羽のすずめが水浴びする
天と地といのちが戯れ交じり合う
明 ....
ある日 生まれて来て
わたしは泣いた
そして何かのきっかけで
わたしは笑うようになった
誰に教わることもなく

やがて
何かのきっかけで
わたしは少女と出会い
恋をしたのだ
誰に教 ....
わたくしは鋭利な球体
鬱血した魂のむらさき
情熱と酷似した粗暴に焼かれ 
焼失した楽園の輪郭をなぞる
背骨を抜かれて自慰に耽り
名札のない隠喩の銛が刺さったままの
つめたい消し炭の太陽
 ....
最前列に磔刑宛ら固定され
急な坂をゆっくりと上って行く
頂上に何が待ち受けているかは分っている
(何故こんな日に雨が降るのか) から
(何故雨の日にこんなことをするのか)
思いを行き来する疑 ....
目玉焼きの黄身が箸から崩れ落ち
食卓からも外れて床に落ち
砕け散った
バラバラのきみを
拾い集めては捨て
床の汚れを拭い取る
そして再び橋に向い
目玉の白目だけを食べ終わると
味気ない ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう

君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
桐ヶ谷忍さんのただのみきやさんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
見えない幻- ただのみ ...自由詩16*18-12-31
ひとひとひら- ただのみ ...自由詩20*14-10-1
旧友- ただのみ ...自由詩29*14-6-8
狐の死- ただのみ ...自由詩20*14-5-24
……雨- ただのみ ...自由詩19*14-5-19
誰に教わらずとも- ただのみ ...自由詩25*13-12-15
球体ジガゾー- ただのみ ...自由詩21*13-12-4
家族旅行- ただのみ ...自由詩26*13-9-20
朝食- ただのみ ...自由詩20+*13-5-4
存在と錯誤- ただのみ ...自由詩28*12-12-5

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