あの信号が変わる前に渡れたら
きっと うまくいく

ありふれた願を懸けた



決して走ってはならない

ありふれたルールを課した



早歩きがどんどん早くなる

早歩 ....
犬と歩いていた畦道
蓮華草の洪水、うららかな風
晩春の自然は生命を礼賛していた

突然、犬が強く引っ張る
そして、嬉しそうに吠える
畦道の行く手に
冬眠から覚めた蝮が横たわって
ぬらぬ ....


光と風の音楽隊の
ゆるやかな旋律が
コンクリートの迷路に
色の音符を落としていく

緑はさざめき
花はときめき
道はほくそえみ
人の睫毛はほほえむ





渋 ....
すべる 若葉の上を
果てしのない空の歴程を越え
円い揺りかごに大地を包む

はねる ピアノのように
ひび割れた思想の冷たい黙示の上を
目覚めの兆しを死者の鼻先で踊る

はじける 終わり ....
吐き出した

息が次々落ちていき

道に積もるのを見つめてる朝
「会社が潰れるかもしれない…」
夫が青白い顔でポツリと言う

「そう。じゃあ、じたばたしても仕方ないわね」
私は、パッションフルーツ入りの
プレミアムヨーグルトを食べながら答える
視線はス ....
曇り空 悲しいことは 考えない



グソクムシ 自分の過去と重ねみる


グソクムシ 天使を待っていたんだろ



なにも食べたくなくて白湯のんでいる
ある日 生まれて来て
わたしは泣いた
そして何かのきっかけで
わたしは笑うようになった
誰に教わることもなく

やがて
何かのきっかけで
わたしは少女と出会い
恋をしたのだ
誰に教 ....
横たわる本州に見えた気がした
乾いた 毎日
夏の 終わり
少年ジャンプを手に持っていた

大人でいることは
たぶん 少し
くたびれるから 僕は
遊びたいな

校庭の匂い
埃が ....
赤い好きも
青い好きも
透明の好きもあげる

甘い好きも
辛い好きも
酸っぱい好きもあげる

熱い好きも
冷たい好きも
あたたか〜い好きもあげる

スッとする好きも
ベタッと ....
叶うのは月がすれ違う朝に
堕落した瞳は夜を溜める
染み付いた酵母の切れ端
拡げられた紙の虚しさ
わたしは痺れもしない
いつものように射精する
朧気なめまい
滲む墨の文字をたたみ ....
晩遅く帰った宅の
戸をからからと引いて
玄関先に靴が揃えられている
その脇をすっと通る
長い廊下にはぼんやりと俯き加減の
男や女が行き交っていて
もうさすがに惑わされることはないが
とう ....
ひもじいといって、啼く蝉はいない

白亜紀の時代から
ひとはひもじい生きものだったという
そのひもじさに耐えて、恐竜から逃れて
生き延びることのできる生きものだったという

生きて
生 ....
ひかり

ワイシャツが透き通る

暑い夏

湿気が熱を孕んでいる

だから

日向も日影も暑いのだ


でも未来がくれば

ひかりに熱がなくなって

湿気もなくなって ....
酸欠状態で喘ぐ金魚が
水面を見上げる角度で仰いだ空は
怖いほど明るい色をしていた

アイスクリームよりも呆気なく
溶けて流れ出したフレーズを
おろおろと掬い上げようとしたら
それは舗 ....
空は今日 気がふれている
雲がそしらぬ顔で流れていく
幼い少女が殺されたのだ と
埃まみれのテレビが言ってる

殺人者は心せよ あとになって
お前は決して反省などするな
心からの反省など ....
夜の底
白いテラスで
まるで一粒の水滴になったような気持ちで
佇む
この心は何かから
別れてゆこうとしているのだ
何からなのかはわからないが
さびしく はるかに
遠ざかってゆこうとして ....
{画像=120109021256.jpg}



君に一等賞をあげよう!

神さまが居たんだ
表参道の交差点から明治通りを渋谷方面へ歩いていたら
通りすがりの神さまが振り向き様に僕の肩 ....
路地裏を抜けるとそこは黄昏の国


鮭の半身が海へ帰りたがつてゐる


今しがた刺身が自殺したと云ふ


亀を何匹積まれても此処は売らん


傷痕に潜むバクテリアいちや ....
私に見え出した
 天井がある、 戦場が歩く
いつもと同じリズム 分かっているのさ
騙されないよ、 何度遠き世が離れ幅狩られても −
遠き世が我が師の灰から逃れ支援しようとしても −
放た ....
夜。アデルを聞いている。アデルはかつとくんが教えてくれた。アデルを教えてくれて、そのあとわたしたちは結婚した。
このアパートには若い夫婦が多い(わたしたちを含めて)。生まれたばかりみたいに見える ....
 
 
熱気球が関東地方の上空を
ゆっくりと飛ぶ
放課後のように
見損ねた夢のように
 
今日は世界のいたる所
一面の朝でしょう
と、ラジオの人が朗らかに言う
きみは台所で何か千切 ....
 1)

庇には樋がなかった
コールタールの屋根をはげしく打って 
雨は黒い路地に、まっすぐ流れおちた
ひくい窓を大きくあけて
わたしは雨の音を聴いたはずなのに
路地に敷きつめられたコー ....
 
 
犬小屋を作る
犬がいないので
代わりに自分が中に入る
隣の家から拙いピアノが聞こえる
丸くなりうずくまっていると
昔からずっとこうしていた気がしてくる
前を通る人が
中を覗き ....
知っているのは
僕の 何も 知らない
いつも僕が歩いた
昨日 ぼんやりと 歩いた道だけ

知っているのは
だけど なんだったのか 忘れてしまった
帰り道を 見つめている
誰かの思い ....
ずっと張り裂けそうだった
胸はやっと張り裂けた
中身全部膿だ
僕の腐敗でしか無い
膿だ 膿だ
手のひらに掬って
口に運ぶその膿が
なぜなんだろ
青い 青い

aoi aoi
 ....
午後の間は
だらしなく流れていく
日に日に増えるニキビをこすりながら
お化粧をするたび
風が強く吹く
ミルク珈琲と泥の区別もつかない
コーラと珈琲の区別もつかない
朝焼けはわたしなど無意 ....
か弱いものでも生きてゆける
それが人間らしさってこと

それなのに時には誰かを押しのけては前に進み出て

この一歩が生死を分けるのよね
なんて言い訳をする




世の中は悲し ....
濡れる針葉樹林
 ひいて、ひいて、
  灰色の空にサラ砂を流して
 よせて、よせて、
濡れた針葉樹林
 すべる、すべる、
  
  シュラリモン・キン
 シュラリモン・キン
キン・リ ....
 柱の向こうに白いのが居た。見直すと居なくなっていた。


 幽霊ではなく幻覚だと思う。そこに突っ立ってる扇風機の白、それがなにかの拍子で柱の向こう側へ移動しただけ。わたしの視界のすみではいつも ....
塩崎みあきさんのおすすめリスト(229)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
早歩き- ichirou自由詩17*14-6-18
畦道にて- 山部 佳自由詩8*14-6-2
五月の欠片- nonya自由詩22*14-5-18
_雨- ただのみ ...自由詩21*14-5-17
吐息- a-little-bir ...短歌1*14-4-4
プレミアムヨーグルトを今日も買いに- 夏美かを ...自由詩30*14-3-23
白に近いグレー- 結川菜青川柳314-3-22
誰に教わらずとも- ただのみ ...自由詩25*13-12-15
本当は子供で- 番田 自由詩313-10-13
あげるあげる- 北大路京 ...自由詩913-9-17
瞳孔- アラガイ ...自由詩5*13-8-30
錯視- 春日線香自由詩6*13-8-30
朝の日記_2013夏- たま自由詩34*13-8-25
暑い夏- 吉岡ペペ ...自由詩1513-8-24
猛暑日- nonya自由詩32*13-7-10
空は今日- 浩一自由詩2+12-2-1
青の別離- 塔野夏子自由詩7*12-1-31
君に一等賞を上げよう事件_/_冬もやっぱり不思議話- beebee自由詩34+*12-1-9
人魚のミルク- 冬野 凪川柳6*11-12-3
_体は深く、_- 狩心自由詩111-11-26
みんな眠ってしまった- はるな散文(批評 ...211-11-26
ラジオ体操- たもつ自由詩311-11-20
河口の地図_2011- たま自由詩28*11-11-16
バイエル- たもつ自由詩2311-11-6
もう、一人で生きていくには遅すぎた- 番田 自由詩411-10-30
aoi_aoi- 竜門勇気自由詩311-9-30
だらだらとした間奏曲のような- c自由詩311-9-21
自虐のひと- 恋月 ぴ ...自由詩32*11-9-19
雨乞い- 伊月りさ自由詩4*11-8-29
世界=内臓族- paean自由詩211-8-23

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