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一枚の紙の軽さを想う
一冊の本の紙の重さを想う
数冊の本の紙の重さをさらに想う
いつしか私自身の重さを軽々と超えていく


一枚の紙の厚みの薄さを想う
一冊の本の束ねられた紙の背表紙の厚 ....
気づくと
無意識に祈っている

例えば
エンドレステープのように流れる
交通事故のニュースを見れば
家族の交通安全を祈り
遠い国で
爆撃によって命を落とす人がいるニュースを見れば
平 ....
浴室にこおろぎがいた

おまえ、どこから入ってきた?
こんなところにいたら
いずれ泡にまみれて死んでしまうよ
ここは地獄のお湯屋だよ
どこの世界にも
ちゃんと生きているつもりでも
なぜ ....
 中一の娘が
「これ、めっちゃ面白かった。母さん、読んでみんさい」
 と言い、渡したのは、湊かなえ著「告白」の文庫本だった。近くのコンビニで買ったらしい。
 実は湊さんの他の著書は何冊か読んでい ....
野の花が
あんなにも
優しげに微笑むのは
きっと
手向けの花であるから

肉体を持たぬ人に
花以上に似合うものが
あるでしょうか

空腹も感じないので
食べ物はいらない
物欲も ....
{画像=120317205808.jpg}

野に集えよ
きんぽうげ

小さき
いつつの
花弁ゆらし
 ....
家を出る時に
ちらほらと
降り出した雪が
そう時間をおかないうちに
吹雪いてきた

三月もなかばだというのに

フロントガラスに
積もってゆく雪を
ワイパーでどける

ラジオか ....
{画像=120309085636.jpg }
もがく
もがく
泳いでいるつもりなのに
もがいていた

救命ボートもない
 ....
うららかな日でございました

春まだ浅い
やわらかな陽光が
鏡のような海の面を
無数にきらめいていく
穏やかな日和に
お嬢様は嫁がれていかれました
でも
その胸中はいかばかりか
真 ....
死んでいる人と
眠っている人は
よく似ています

だから
不安になって
あなたの口もとに
耳を寄せてみるのです

かすかな
寝息がきこえると
ああ、生きていると
安らかに生きて ....
こもれびのなかに
あなたがいるような気がする午後

柩は
とうに燃やされ
ひとすじの白い煙になったというのに
竹林をぬけると
境界線がにじみ
時間がさやさやと巻き戻る

愛しい人た ....
赤ちゃんは
眼が見えるようになると
まず
人の顔を認識するらしい
丸の中にふたつの小さな丸があったら
それだけで顔だとして
笑いかけるように
出来ているらしい
そうすることで
世界は ....
針を数えたか、と
父が言う
裁縫は針を数えることから始まって
針を数えて終わるんだと
わかったようなことを言う
自分では
ボタンひとつかがらないくせに

もしも
針がどこかに落っこち ....
かなしい夢をみて
目覚めた朝は
ああ、夢でよかったと思う
けれど
かなしいことが
なくなった訳ではなくて
心の引き出しを開けたら
別のかなしいことが
そこにある

引き出しをちゃん ....
雨が降っているのかしら、と
君がつぶやく

君のつぶやきは
答えを求めている時と
そうでない時があるので
それを聞き分けるのが
とても微妙であるけれど
肝心なのは
語尾のニュアンスで ....
私は
カラダの中に
海の記憶をとどめておくの
何度
再生しようとも
薄れはしない
漣の音

いつか
愛しいあの人が
私のことを手にとって
そっと耳にあてたなら
懐かしい愛の歌が ....
小学生の頃のいきつけの内科医院は いつも
消毒薬と漢方薬の匂いがしていた
医者の奥さんが受付の奥で薬を調合していて そこでもらう薬はとても粉っぽくて
飲むと必ずむせた

待合室から小さな裏庭 ....
かあさん
お空が ないてるよ
だれかが 
なぐさめてあげたらいいのに

かなしくなくても 
なみだはでるよ
なみだで
せかいを 
あらいながしたあとは
とつぜん 
正気にもどって ....
 自分が何者かを知りたかった
 今はイザベルおばあさん愛用のひざ掛け と
 呼ばれているのだが
 もともとどこから来たのだろうと
 人間たちの間で流行っている
 自分探しというものを
 し ....
食パンのみみが
初めて出会う言葉は
まだ星空が出ている時間から
働き始めるパン屋のおじさんの
「上出来だ」の嬉しい言葉だろう

スライスされる前は
全身が みみなので
工房の全ての音が ....
時計のない国で
のんびりと暮らしています
時計はなくとも
時間はあるわけで
朝、昼、夜と
まこと
大雑把な時間の感覚ではありますけれど

いちまばたきが 
      およそ一秒
 ....
許容量を超えた痛みには
モルヒネを!

彼女にとってのモルヒネは
慰めでも愛でも誰かの保護でもない
背中に彫られ増殖しつつあるドラゴンタトゥーと
顔のいたるところに開けられたピアス

 ....
歩くのに疲れて
たどりついたところに
バスの停留場があった

時刻表に記された時間は
呆れるほどのまばらさだった
古めかしく
ところどころ錆びに侵食されて
そもそもちゃんと
機能して ....
泳ぎを練習しているうち
僕の指と指の薄い皮膚の谷間に 
みづかき ができました

足指と手指の間で出来た小さな十六個のそれは
水をつかまえて 放つ
僕を未来へ運ぶ推進力となるでしょう

 ....
{引用=こわいよ、おかあさん、おにがおいかけてくるよ
 
またこわいゆめをみたのね
だいじょうぶよ、おかあさんがそばにいるわ}
   ◇
小さな灯によって
浮かび上がったその影に
ふたつ ....
あの子は
人間樹木になって
森へ還っていきました
さあ
嘆き悲しむのは
もう止めにしましょう

春には
芳しき白い花を咲かせ
やわやかな緑の新芽を指先に這わせ
虫や蝶を友とし
秋 ....
南天の実は 何想う
小さな赤い実 何憂う

昨晚 闇夜が長すぎて
ふかづめ しずぎてしまったよ
剥き出しになった指先が
世間に晒され 泣いている

夏に実を結う南天はない ....
その海は
私の海とつながっている
嵐がくれば
たちまちぷつりと切れてしまいかねない
一本の麻のロープの
あやうさで
私の心とつながっている

その海は
もはや この地のどこにもない
 ....
三角くじを引いた
三角形の赤い紙が
二枚合せに貼ってあり
それをはがすと
一等
二等
三等とか
なにがしかが書いてあるようだ

スピードくじとも
いうそうな

アナログなスピー ....
かがり火が灯る冬の夜
どこかで
誰かが泣いています

寒々とした出窓に置かれた
ピエロのオルゲエル人形
1ミリたりとも動くことはありません
ネジを巻かれたのは
いつだったか
もう思い ....
アラガイsさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(92)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
紙の民- そらの珊 ...自由詩17*12-9-28
みたまに- そらの珊 ...自由詩17*12-9-20
こおろぎ- そらの珊 ...自由詩2612-9-12
「告白」を読んで- そらの珊 ...散文(批評 ...7+*12-6-19
- そらの珊 ...自由詩26*12-5-11
きんぽうげ- そらの珊 ...自由詩10*12-3-17
春の雪- そらの珊 ...自由詩1612-3-13
夜の海- そらの珊 ...自由詩7*12-3-9
なのりそ- そらの珊 ...自由詩11*12-3-8
まるめろ- そらの珊 ...自由詩20*12-3-5
竹林をぬけて- そらの珊 ...自由詩612-3-4
- そらの珊 ...自由詩19*12-3-1
さまよう針- そらの珊 ...自由詩712-2-29
引き出し- そらの珊 ...自由詩1012-2-28
弔い雨- そらの珊 ...自由詩9*12-2-28
貝の夢- そらの珊 ...自由詩1212-2-27
小さな秘密- そらの珊 ...自由詩16+*12-2-26
お空の_なみだ- そらの珊 ...自由詩912-2-24
ウールさん- そらの珊 ...自由詩9*12-2-22
みみ- そらの珊 ...自由詩26*12-2-21
時計のない国で- そらの珊 ...自由詩10*12-2-20
「ドラゴンタトゥーの女」を観て- そらの珊 ...自由詩5*12-2-20
みちのり- そらの珊 ...自由詩14*12-2-19
みづかき- そらの珊 ...自由詩5*12-2-17
さまよう鬼- そらの珊 ...自由詩3+*12-2-14
人間樹木- そらの珊 ...自由詩9*12-2-1
三重奏- そらの珊 ...自由詩10*12-1-27
海と海- そらの珊 ...自由詩9*12-1-25
謎くじ- そらの珊 ...自由詩13*12-1-17
かがり火が灯る冬の夜に- そらの珊 ...自由詩16+*12-1-10

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