肩甲骨
そらの珊瑚

旅の途中で
人間という乗り物を選んだ時
わたしは
翼を捨てた

翔ぶ力を失うことと引き換えに
それに見合うだろうと
思える力を
もらったはずだった

後悔はしてないが
時々背中に手を回し
翼の根元だったあたりを
撫でてみる

不完全な生物の存在が
完全なものを探している
対になるもの
たとえば 肩甲骨のような 翼の痕跡

かつて捨てられたものを
今日 誰かが拾う
対になるもの
たとえば えらのような 魚の痕跡






自由詩 肩甲骨 Copyright そらの珊瑚 2012-10-09 08:26:59
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