すべてのおすすめ
長い時間働けば働くほど
お金が入ってくるような時代は
日本ではもうあらかた終わってしまったのだ
さて
これからはなにに長い時間をかけるとしようか
旅客機のひかりが遠く ....
虎穴に入らずんば虎児を得ず
君子危うきに近寄らず
どちらが本当なのかが問題なのではない
君子は虎穴には入らないのだ
虎児を得ようとはしないのだ
これは君子の消極性によるも ....
しがみついていた
おっぱいを静かにきつくすっていた
ぼくのあたまは撫でられていた
もうひとつの手は優しいゆびで
ぽろんぽろんと撫でられていた
このまま眠っていいですか
....
ふたりで見た海を通る
消したい記憶を消せるほど
ぼくは澄んではいない
吹き消されない光の源
その物真似をしている
ふたりで見た海を通る
消したい記憶を消せる ....
俺の言うとおりに言うんやで
お墓参りに行ってたんやって
雪が降って電車乗り遅れたんやって
そいつのご先祖さんとおまえのご先祖さん
大親友やったかも知れへんやろ
世の中見え ....
あなたは親戚やお母さんといると
やわらかい顔になる
とろんとした夢見がちな笑顔になる
オレの出る幕などなくなるくらい
でもたぶんそれは
オレが親戚やお母さんに溶け込んでい ....
めちゃくちゃ元気でびっくりした
オレンジぴかぴかお母さん
やさしい木みたいに笑ってくれた
オレンジぴかぴかお母さん
きれいな顔したおっさんみたいや
きょうあたしな
....
ぼくは夜の街道をゆく
あなたの写真を見つめながら
せつなくなれる場所を探している
街はとても明るくて
その場所は探せないでいた
マンションの手摺りから
しゃがん ....
のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば
近代日本の夜明けを描いた作品のあとがきとして書かれたこの詩をわたしは好まない
坂という使いふるされたイメージとひか ....
今日も一日がんばった
今日も一日さみしかった
今日も一日さまよった
はやく疲れてしまいたい
はやく擦り切れてしまいたい
はやくかすれてしまいたいんだ
夕暮れが夜 ....
もっともっと惨めにさせてくれ
いくらでも試してくれ
あらゆるシチュエーションで試してくれたらいい
もっともっとこの純情をズタズタにしてくれ
それでも愛を守るから
それでも ....
宇宙は在る
重力は在る
時間は在る
空間は在る
みんなみんな
在るところから説明されている
それは間違ってはいない
みんなみんな
そこからが大切なんだか ....
ぴゅん ぴょぴょ ぴゅんぴゅん ぴょぴょ
美観地区の入り口の交差点が
信号がかわるたびにそう囀る
ぴゅん ぴょぴょ ぴゅんぴゅん ぴょぴょ
欠けたまま生きている
欠けてい ....
十五夜は陳腐な満月だった
十三夜のいびつさのほうが
なん倍も美しいフォルムだった
ひとはひとに
求め過ぎる生き物だ
それもたぶん
何かの物まねだろう
....
きのうあなたの夢を見たんだ
あなたはぼくに冷たかった
ぼくは遠い心でそれを憎んだ
秋の虫が星のように鳴いている
小さな命に割り込んでゆく術を
きょうも眠りにつくまえ見 ....
あとなんど苦しんだら
(苦しんでいるうちに
(洞窟があらわれたら
この洞窟出られるのだ
さびしくて
かなしくて
くやしくて
あとなんど苦しんだら
....
起きてその瞬間から
死について考えている
生よりも少し多く
死について考えているのだ
計画せよ
計画は成功をもたらす
そんな言葉が浮かんだ
計画とは
成 ....
星が鳴いている
ちいさないのちが鳴いている
何億光年かけて
星は
秋の虫になるの
ちいさないのちが鳴いている
星が鳴いている
金木犀をトイレの匂いと感じるほどに
ぼくは素直に毒されていた
ちいさなオレンジの花をあまり綺麗だとは思えないほどに
ぼくは自我に満たされていた
撒き散らされる匂いを
....
黒い鳥が飛びはじめる
暗い朝
口笛のような哀切
後悔は
仕方ないわけでも
意味があるわけでもなくて
ただスマイル
スマイルだけが
宇宙をわたる方法だ ....
広い道のうえには
太い夜空が延びていた
商店街を脇にそれて
焼き鳥屋で腹をみたして
通りにでると風
風が吹いていた
外灯がまだ優しくなかった
宇宙基地に取り残 ....
虫が一生懸命鳴いている
それが息切れしたのか止む
ちがう虫がたどたどしく鳴き始める
少し静かになっている
虫たちの声が星のようだ
あなたのことを考えながら
そん ....
きょうもいくつか裏切られ
それでもきょうは平穏だった
この夏スーツで通した俺じゃないか
たとえ悪意があろうとも
悪気はないんだ仕方がないんだ
日々の試されに
逃げず ....
布団にもぐりこみ女の胸にしがみつきながら
それでイク二十も歳の離れた肉で
傷ついたこころや精神は洗い流せるだろうか
二十も歳の離れた女に
ネットでバイブを買わせた
み ....
真夏のような天気だけれど
窓辺からは空に
夏にはなかった濃い青が覗いていた
箱に入れられたようだった
ぼくらは黙って暇をつぶしていた
たいして暇でもないのに
ず ....
井戸の底が
ぼくには
霊的な汚濁にしか見えなかった
上から降りそそぐ光や雨
ぼくには
汚濁が降るようにしか見えなかった
ひろがる闇を測るにも
永遠なんて長 ....
6月の中旬
いつもと感じが違うメールがあった
いつもだったら
<いまおきた>だったのが
<いまおきましたよ>だった
ぼくは勝手にひどく傷ついて
それから
<〜 ....
悪い風も良い風もない
風は
放射性物質だけを運ぶのではないのだから
悪い波も良い波もない
波は
津波だけを起こしているのではないのだから
悪いお日様も良いお日様 ....
ぼくは鷹のように悠々としていて
コアラのようにぼーっとした少年だった
あるとき町に楽団が来た
ぼくは楽団のあとについて町中を歩いた
手拍子しているのは最初ぼくぐらいのものだった ....
汚物は腐敗しない
腐敗しないどころか
浄化されてゆく
浄化されたものは腐敗してゆく
浄化されればされるほど
腐敗は目につき鼻につく
肉体とはなんだろう
百 ....
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