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二時間待たされたあげく
僕はタクシーの助手席に通された
運転席の医者がちらりと僕のお腹を見ながら
おめでたですね、と言う
何か心あたりは?
そういえば確かに最近酸っぱいものの数ばかり ....
破壊された石仏は遠くすりきれ、たくさんのにんげんたちのふみつけた顔の裂目から、何をみる ぼくは何を見い出す そう感じた日の部屋は、暗くなく。際限のないドリルの音がぼくの隙間だらけの体から染み出して ....  卵を産もうとするシャケは身が白くなる。
まずまず白くなっても味は変わらないと思
うのだが、それでも紅いほうが美味しそう
に見えると、おじさんは卵を取り去った腹
に紅麹をなぶりつけて、 ....
昔、親戚で夏休みに
「みきちゃんがおっぱいさわるのでいけん」と言われて
蚊帳で
あみあみの仏さまの絵や
あみあみの今まで死んだ歴代のおじいちゃんやおばあちゃんや赤ちゃんの写真をみて
お母さん ....
学生服が似合わない ピアスだらけの耳たぶに

鳴り響くのは愛らしい 女子集団の世間ミラー

うずくまった私には 何を見たか読んだのか

短く折ったスカートで 誰を誘うの生足女

偉 ....
君がシャワーを浴びる間に即興でできあがるパラレルワールド。

着信がメロディーで看板が歌詞でぼくらの街は音楽になる。

風景はマルチなシマシマにすりぬけるスピードのカラフルな焦燥。

街路 ....
ゆうがた、
かみさまにいてもらいたい


アパートの部屋からもみおくれるけど
けど、
そこからはなんかみおくりたくない
ただなんか、

商店街でみおくりたい
はだしで じゃなく は ....
トゲトゲの木という
スピッツの曲があり、

うたうことは、流れ、聴くものは、
薄闇にゆれ、ここの部屋の落ち着いた形
溶けていく

ぼくのはりめぐらす気分は、とげとげで、
いつもしつこく ....
 
わたしの家の近くに加茂川という名の川がある
川べりはきれいな遊歩道になっていて
朝はきもちのいいミルク色のもやがかかる
わたしと子供はその中を自転車ではしっていくのがすきだ
わたしは愛車 ....
秋葉原の中央通りをデブ爆走!
秋葉原の中央通りをデブ爆走!
肩には一眼レフ!
首が伸びたTシャツ!
胸には何かのでかいロゴ!
アイツはスイカップ!
やたらパンパンのバッグ!
そして手には ....
スチュワーデスさん、とスチュワーデスに声をかけると
私にはケイコという名前があるんです、とそっぽを向かれる
今度こそ間違いの無いように、ケイコさん、と呼ぶのだが
ケイコは押し黙ってしまう ....
車で高台へ
ここは帰り道
あなたは疲れてる

中途半端な夜景が
二人にはお似合いで

やめるしかないのかな

今のうち

アイスが食べたいって言ったら
あなた買ってきてくれた
 ....
ダサい名前
酔っ払って
あんた誰?みたいな中年男と
駆け込んだボロい部屋

例えばそこで
一発済んだあと
がたがた動くベッドに不審の念を持ち
マットレスを上げてみたら
ベッドの下に
 ....
都電そりの、道そりの、雨はひと粒、ふたつぶつぶ。見上げて手あげてる、照るよ。やや、よよ、夜道、にて、ぼんにゃりを揺りつぶてる、水をた、ポタ、を、た、とえば一滴とかぞえる、るでしょう。小雨は歯、は。すか ....  




 あいつは俺の噂話をして
 俺から片腕を切り落とされた
 交差点の銀行は
 何度も合併して名前を変えた

 黒塗りのタクシーが客待ちして
 運転手が鼻毛をむし ....
15の頃セラビィは自分を史上最強だと思っていた
誰もを幸せにすることが出来るし
全ての問題を解決出来ると思ってた
性の目覚めとともに
世界にはなんて幸福が満ちているのだと
やがてその全てを知 ....
座った席があまりにタバコ臭くて

出てきたばっかりのお冷やに鼻をつっこむ

けどコップ内の空気は次第に減って

隣の母の煙が氷に足をのばそうとしている

あぁ、クラゲみたいね。

 ....
  のぼろなかば
  よる
  よろけ
  ねじれた頭に
  語りなる
  沼がある
  鳥から上げ
  蛙と呼ばれ
  沼はさい
  脳のなかを
  這いまわ 
      る ....
夜どこからともなく迷いこんできた蛾

あまりの大きさにパニックになる家

例の太い触覚も持ち合わせているようで

必死になって網をふる

捕まえた蛾

バタバタと羽をふる

水 ....
「担当の岩崎です」「はい」「どうぞ」「石川県金沢市の河北郡で」「河北郡は」「はい?」「かほく市になりましたが」「そうですか」「そうです」「どうしてですか」「合併したからではないでしょうか」「合併」「合 ....  
結局また

こんなとこに戻ってまうねん

て とむ が言う

ほんまの自由は

ここにあるさかいに

て じむ が言う

ぼちぼち が一番や 

て言いかけた はっく ....
真っ青に晴れた空
ソラソラソラ
頭の中はみだら
あなたのうで
すきとおったはだ
あおい
のびてゆくみち

とおりすがりのものですが

あなたから
あなたへと
あおいみちをなぞって
どこまでいっても
あなたでしかない
ほかにだ ....
チリンチリン

朝起きて、家を出て、帰ってみると

1・2・3・ 

1・・2・・3・・

いないいない毛玉がひとつない。

チリンチリン

散歩かしら、散歩よね

お母さ ....
上段から中段 冗談なら中断
下段下段GET DOWN
意味あり桜の散りぬる尾の部分
流れ 滴り落ちる水滴に
ヘッドスライディングのごとく
かぶりついていった

飛行船は飛行せんしオレだっ ....
私のグラスに小さなチェリーが
ピンクの炭酸に揺れて
開店すぐからハイで
ワインボトルを開けてからの
この様です

閉店後のデパートの
シャッターの前で歌う2人組みに
盛大な拍手とシ ....
ゆっくりと明るい雲がせり上がり
それ以外の雲は皆うつぶせになる
降り止んだ雨は灰色
降り止まぬ雨は金色
とどまらぬ色とどまらず
とどまらぬ音ふりそそぐ



小さいものが
 ....
からだが どうん、まばたきしたときの
あのせかいが まっぷたつ から、ゆうぐれて
頭から 地球の中心に ぐん、と押されると
わたし、いつも きまって あやまってしまう
ごめんなさい、ごめんなさ ....
 


まだまだ不器用な
あいちゃんの手では
線香花火の玉が
もう少し
と思うところで

 ふっ

と下に落ちる



もう少しで
ひとつの場面が見える

もう少し ....
夜の商店街走る走る自分の後ろ漂うドップラー効果

追いかける裏返った足音その他

鉄である壁のシャッター光はくれない口も開けない

前にあるのは後ろと変わらぬ黒

トタン屋根でも世界は ....
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