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捨て身の勢いだけで引っ越して来た初めての街は、知り合いがひとりもいないところだった。
寂しい、とかそういう気持ちは、どこか麻痺してしまっていた。誰も知り合いのいない場所で、毎日黙っ ....
もう見るのはやめよう
だって恋しちゃうから
できればそんなことはしたくない
あなたは今日も涼しい顔で
わたしに話しかけるけど
すでにもう十分に負けているわたしは
あなたに恋はしたくない ....
頭上からガンガンと大音声が響いてきて
見上げれば汚いトレーナーを着た中学生の兄弟
階段を上がって来いと言われ
戸惑っていると
「お母さんがいるから大丈夫」
と双子にしか見えない顔で言う
右 ....
土曜日の夜ダンスフロアには見慣れた常連の男の子
何をやっている子なのかは知らないそんなことにはあまり興味ない
ビール片手にしばらく眺めてる今夜はどの子と遊ぼうかとぼんやり考える
一夜の恋人を探し ....
毎日毎日コスプレだ!
どこに行くか・誰と会うか・どんな自分で通すか
簡単なこと
幼稚園ママとしての目立たない格好はどれだ!
公園デビューにふさわしい格好はどれだ!
とりあえずサリーとかを ....
車で高台へ
ここは帰り道
あなたは疲れてる
中途半端な夜景が
二人にはお似合いで
やめるしかないのかな
今のうち
アイスが食べたいって言ったら
あなた買ってきてくれた
....
ダサい名前
酔っ払って
あんた誰?みたいな中年男と
駆け込んだボロい部屋
例えばそこで
一発済んだあと
がたがた動くベッドに不審の念を持ち
マットレスを上げてみたら
ベッドの下に
....
4歳のこどもを
正面から抱っこすると
つい4年ほど前には
お腹の中にいたことなど
信じられないほど大きい
わたしたちひとつだったはずなのに
分裂したね
さびしいけどもう元には戻れない ....
「俺って結構まじめなんだよ」
っていう男は多い
ほんとに多い
いったい何が言いたいのか
さっぱりわからない
心の中では
「へえー」と答えてるけど
別に言わない
繁華街のホテルを出た
....
田舎から出てきたばかり
まだ都会に慣れていない
デートの仕方も知らず
ま、若いからあっちのパワーだけは全開
お金も持ってないし
住んでるところも地味
ついでに見た目も地味
でもよく見 ....
よくある職場恋愛で
なんとなく付き合い始めた
きらいではなかったけど
好きかどうかは判らなかった
暇でさびしいから
そういう理由で男女はいくらでも
付き合えるから
慣れてくると
いつも ....
チンピラだ
わたし
声がもう
濡れてる
夏の
アスファルト
熱い
マンホール
開けて
野良猫を
放り込んで
自分も飛び込みたい
人が恋しくて
誰かにしがみつきたい ....
「ママ、起きてよ!夜だよ!」
こどもたちの声がウルサイので、わたしはやっと目を覚ました。
こどもって、なんでこんなに毎晩早起きなんだろう。
そうか、夜か・・・。
そろそろ起きなくちゃな。
「 ....