過去はなんのためにできるの?
私の歩いてきた時間は消えればいい
風景は残らなくていい
明日さえあればいい
悲しい気持ち風船にして
飛ばす空は想いでいっぱい
ぶつかるから落下してくる
....
あの夜みたいに
とても静かな会話があったら
きっとキミは菩薩みたいに笑うから
僕は少し惚れ直すんだよ
あいも変わらず
街は変態共が闊歩していて
コールタールの雲から ....
中学の用務員パンパカは
第二グラウンド裏手の平屋に住んでいた
戦争中はラッパ手だったのでパンパカ
短気な爺さんでからかうと怒り出すのでパンパカ
上級生の一部男子は面白がってかまっていた
かば ....
僕は 僕の理由で
たくさんっていったんだ
負けられないと思うなんて
雨はそんなことなんかで
ふらないとおもった
君は君の言葉で
伝えてくれるとおもった
ただ悲しむだなんて
思わなか ....
土屋さん
百日咳ではありませんでしたよ
あぁ
長引いた風邪は
大人の百日咳ではなかった
そう言われて
病院を出たとたん
おなかが空いてきた
朝 家をでるまで
ずう ....
粒立ったアコースティックギターの音色
少し鼻にかかった涙腺に刺さる歌声
陳腐な誉め言葉ならいくらでもあるだろう
そんな誉め言葉なんて弾く強さを秘めた
彼の奏でる音楽は荒野に存在するが
荒 ....
乗り継ぎの最終電車を待っている
訳もないのに懐かしくなっている
知らない町の明かりたちが
気配をころして僕を見張っている
建物に切られた夜を見つめている
ホームの ....
「好き」という言葉が好きだ
その好きな言葉を
好きな君に云う
他にも云いたいことあるけど
君に好きという
君も「好き」と云ってくれた
好きな人に好きと云って貰えるのが
好 ....
宇宙から地球を見つめている
昼と夜とにわかれている
その境目からは
夜明けのおとが聞こえてくるのだった
僕が地球に暮らした頃の
それは記憶のおとなのかも知れない
....
風邪と初冬の寒さは
欝をつれてきた
朝 起きるのはやっと
かろうじて
娘のお弁当を作る
冷食でチン
もう 1週間
こもっている
貴方の匂いのする
枕を抱きしめて
夕 ....
おかしなもので、
呼ぶ前から、この女はきっと、
がっかりするような女だろうな、と頭のどこかでわかるのに、
何かのひっかかりがあって、
呼んでみたら、
やっぱり今日のように、ハズレの女なのであ ....
背のちっちゃな女の子
男好きのする笑顔が印象的で
逢う度に違う男の子と一緒だった
背のちっちゃな女の子
いつも彼氏の背中に隠れてた
風が吹けば彼氏の体を風避けに
雨が降れば彼氏の差した ....
くもだ
くもっていた
吸い込んで
吐き出した からっぽ
くもだ
逃げ出した
世界はふたつに割れ
青白い裸が
無防備な
あなたそのものが
広が ....
{引用=
フィルムのフォルムの無慈悲さ
それを物語る動物の言語
私たちの喉が鳴る
水がほしいからではない
失語症と抗い
答えるために鳴るの
だが夢の中ではサーカス小屋だったものが
....
自分が木螺子だと気づいたのは
空の水が全部落ちてきたような
凄まじい雷雨が通り過ぎた後だった
公園のブランコの下の水たまりに
たまたま自分の姿を映した僕は
ほんの少しだけ驚いた
で ....
その夜の朗読会は
かなり文学的雰囲気に
満ちていた
高名な古今東西の詩人の
名前がバンバン飛び交う
あたしは・・・
この数年 詩集は買えど
ほとんど積読
欝は集中に ....
天から星が降ってくる。
杞憂の憂い
鬼が笑う。
今日を生きる。
星は流れ
月日は経ち
年を取る。
毎日精一杯
苦しい
ギブアップ
日が悪い
出直そう
わたし
というのは
ようするに泡だったようにおもいます
電波塔を模した指先には
噛まれた跡があって
手紙を書くたびにそれを思い出すけど
……だって、きずがあるのです
信号は青 ....
逆立ちをしているゾウの足に
流れ星が刺さった
昼間の明るさで
誰にも見えなかった
ゾウは少し足が痛い気がしたけれど
逆立ちをやめてしまうと
子どもたちががっかりするので
我慢してその姿勢 ....
うつろな視界の外側で小鳥の囀る気配
ひとしきり肩の上を行ったり来たり
動こうとせぬ私の様子をいぶかしく感じたのか
右の頬を軽く啄み樹海の奥へと飛び去った
時の感覚を失う
それがこんなにも ....
受信
下書き
送信済み
ゴミ箱
送信
迷惑メール
今の若い世代と付合っていると
私との会話はだいたい
メールボックスのように
振り分けられる
例えば、息子
私の言った ....
ふつう、とはなんだろう?
ふつう、でないことに人はひとり傷ついている
ふつう、そんなものあるのだろうか?
俺はそれを見つけたのだろうか
ふつう、ではない人はどうしたらいいのだろ ....
許されない歌と
悲しまない声の祭り
阻まれない夢と
ひび割れた道の終わり
長い歩みが終わりを告げる
その時の寂しさのような気持ちで
あなたはほんの少しの
木の実を口に含む ....
26年目の記念日
落ち着く和食居酒屋の個室で
あたしは
貴方に
指輪ケースを差し出した
もう一度 はめ直して
いつの頃からか
あたしの薬指には 指輪の跡さえ
なくなってい ....
足元がぐらぐらするようだった
すがりつこうとしていた
カタチ がよかった
なくならない ものがよかった
みえない
もの大事にして
きこえない
もの求めて
悲しいなんて言葉は使わ ....
明るい日差し、風、笑い声
帰り道、手のひら、力強さ
両手で慎重に掬い上げて
零さないように壊さないように
そおっと抱きかかえても
風雨に晒されて時間に色褪せて
そうやって思い出になって ....
風呂の中で
疲れを取り
記憶を洗う
今からでも
やり直して
ひがな一日
猫のように
ぼうっとして
まどろんでいる
あたし
たまぁに
さくさくと
動く
ふっと
感じる
脳のどこかで
きらっとひかる
何か
すると
....
僕が昨日から大事に
大事に蹴ってきた石を
今日は空へかえそうと思う
僕の足にいいきかせる
もう石とはさよなら
石は星になるよ
僕の涙が含まれた
昨日はいらない
....
きみの住む町を見つめている
夜も朝も昼も夕も
季節も
きみの住む町につながっている
天気いがいつながっている
こころも
記憶も
あらゆる
感情も
....
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