陽当たりがいくら良くても 部屋は部屋 風は吹かぬがあなたもいない
目的地を知らされていない旅路の途中はみなトランジット
不安定のエネルギー浮上して高気圧
空に立ち上る灰色の龍、雷
絵葉書に古い遺跡の写真ありどこか懐かしい気がする夏
蝉蝉蝉、は ....
釣り堀の釣られる魚釣れぬ人
JR三鷹で降りて桜桃忌
短夜や痴豚のラジオ聞いており
南天の花に雨粒直撃す
夏至の日が一番嫌い吸血鬼
藻の花や子供に会えぬ日は続く
....
ひもつきのくつを買いけりつまがくつふたりしてきし百貨店
一万円なにがしかの造花買いコーヒー・スタンド寛ぎにけり
懐かしきゼリー詰め合わせ一袋3時のお茶にふさわしきかな
左手のつくしを君に「はい、あげる。」
一嵐去って開けり花供養
なつかしき匂いのするは春の雨
雨も降りしかし咲かぬは恋の花
夕暮れの山の喫茶に立寄りてぜんざい食す妻と二人で
山桜あちこちに咲き空青くくもただよえど晴れぬ心に
低気温さむくはない山の喫茶は木つくりで谷間に在り
伊達直人は子供たちに贈るランドセルのために
今日も時給1000円で働いている
液晶テレビの組立ライン
8:30から17:15まで
休憩1時間以外は立ちっぱなしで
受け持ったラインのノ ....
01 目覚め
ひかりを集めた 蛍雪時代は ほたるのひかりまどのゆき
ありふれたひかり啓蒙時代でもあった 蒙には盲の意味もあると聞いた
ひかりがないことを盲ということに怯えた人との ....
四月病ってあるらしい
さりとて年度替りの初々しい賑わいとは
とうに縁遠くなっているのだから
花散らしの雨もあがり葉桜と化した桜並木を
これでよいのだと独りごちながら歩む
※
....
今日、北朝鮮がミサイルの発射に失敗したため次は核実験するかもしれないなどと報道されていました。
その一方で日本は大飯原発を再稼働させようとしています。
今日北朝鮮をわらった日本 ....
銀河を見つめる
昼間の銀河を見つめている
からくりを優しく見つめている
風になぶられる
光にさらされる
力はどこから来てどこへ行くんだろう
花びらの散ったあとを
銀河を見つめる
昼間の ....
おさんぽカーには幼い顔が幾つも並び
桜の木の下をゆっくりと進む
時おり吹き抜ける風の冷たさに
ぐずる子がいて
あやす保母さんの肩には桜の花びら舞う
※
手を繋ぎあう ....
ずいぶん、
ものもかたづけて、
明日には何もなくなる部屋に、
デリの女を呼ぶ。
よく利用したお店に、
最後に、
感謝のきもちもあって、
電話をしたけれど、
いい子が今日はいなくて、
....
先日、人生で2回目の路上ライブを行った。
まだ録音出来ていない曲を中心にして
草津駅前と石山駅前のロータリーで約20分間のライブ。
寒さとの格闘。そして自分との葛藤。
....
すべての仕事を終えてしまうと
ぼくは無職同然かのようになる
次に仕事の依頼が来る当てもないのに
電話かメールが明日は来ると想い込む
ついこの前もレギュラーの仕事が打ち切られた
何故か ....
四年
なんの病気
「老いのうた」
忘れた
大正
ってなにですか。
癌
か
肺炎か
本当に増えた
すばらしいもの
そんなもの
そんなもの
愛じゃない
いらない
....
ある時 独り暮らしの友人が
「孤独死友の会」を作るんだと
楽しそうに話していた
もしも そんな会を作ったら
「孤独死できないじゃん!」
と笑ったことがある
寂しいと呟く人の
孤独の意 ....
1
必要と頷いても
近くにあっては困るらしい
それは遠くにあって
必要なときにだけお世話になる
ありがとうございました
添えたお礼と深く折り曲げた腰を上げてしまえば
あと ....
オーディオが好きな人はわかるだろうけれど、
まったく同じシステム、
つまり、
同じアンプ、
同じプレーヤー、
同じケーブル、
同じスピーカーを、
Aさんと、Bさんが、同時に買ったとし ....
ひとりで生きられる
生きられない
それとも、ひとりで生きざるを得ない
わたしってどれなんだろうね
※
無責任ってわけじゃないけど
ちょうど
満員電車のなかで誰かに寄り ....
わたしは男のくせに、何も出来ないのである。これでも妻と息子を食わせているつもりであるのだが、殊、家のことになると別問題である。
先日用事があって、妻が息子を連れて仙台の実家に帰った。 ....
高円寺の古着屋にある個性という押し売りを
彼女は愉快そうに手に取って
その幾何額模様の可能性を私の太ももに押し当てる
ありとあらゆる自信をくれる
それが次の日に意味を成 ....
4月に、
生まれてくる女の子(らしい)、
ぼくの子供。
名前を考える。
妻の語感を甘やかしながら、
ぼくが整えてゆくことになるのだろう。
ばんび
って可愛いよね。
ざじ
....
さいしんがたの
ひこうきをみおくる
あのひとおなじ
さいしんがたのわたしを
みおくるたびに
きゅうがたになっていく
わたしはいつも
あのひこうきにのれない
....
新しいマンションに引っ越すため、
なにしろ、
家具はぜんぶ揃えなければならないのだから、
ひとつひとつ、
嫁と探しに行くのだけれど、
ぼくは内心では、
夢もあるのだ。
ひとつの部屋は書斎 ....
不幸の似合う女優さんって
近頃みかけないよね
それだけおんなが幸せになった訳ではなさそうだけど
ひたすら運命と向き合う生き方って
求められていないのかな
※
冬の日差し ....
たまさかの昼
思いやみ血潮のごときぶどう酒を今日もまたクリスチャンたらむ
ヘンデルの水上の楽聴きつつも明日はいかにと心さまよう
書をとじて妻のすすめにストレッチ体をやわらげ老化ふせ ....
だいじょうぶ?
確かそうきかれたのだろう
ええ
反射的にそうこたえたのだろう
あってる
あってない
どちらでもいいけど
今日はそうもう終わります
嘘は表面 優しい
滑らかな手触り ....
今ごろ何しているのかな
きっと趣味のデジイチを首から提げて
お気に入りの被写体を求め
谷根千あたりを自転車で走り回っているのかも
そんな感じに好きなひとを想ってみる
なんか幸せな ....
その角を左に曲がると鳥居が見える
大層な歴史を刻んでいるわけじゃないけれど(多分、)
それでもある程度の年月は佇んでいるわけで
数え切れないほどの風雨にさらされているわけで
だのに、
塗られ ....
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