睡蓮
within

速められたリズムは
濃紫の草むらへと
向かわせる

込み上げてくるものは
体内の水源

飲み込まれたものは
いつしか蒸発し
すり替わる

虫を殺してしまったら
かたつむりを踵で踏んで
柔らかく砕けるような
涙が出てきた

指で輪を作って
そこから世界を覗き
鎖を作る

水路に向かって放尿すれば
流されてゆく
余分なものは出てしまう
薄まって分からなくなってしまう

混淆
ゆきて
とどまりて
舞散る
生と死は
ひとつの流れに
過ぎない

毎日、全自動洗濯機が回り続ける


自由詩 睡蓮 Copyright within 2010-05-04 04:26:49
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