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 付き合って六年になる彼女は、背が高くて頭がいい。僕にはもったいないと思うが、結婚しようとは思わなかった。そうしてまた一年が過ぎようとした頃、彼女が交通事故にあった。生活するのに車椅子が必要な体になっ ....  一階に降りるエレベーターが突然止まった。青年と老女が閉じ込められた。青年は緊急連絡のボタンを押したが通じない。ふと二人の視線があった。背の高い青年と上品な老女。青年は、かなり年上の女性が好きだった。 ....  一時期、詩の投稿サイトに出入りしていたことがある。
 自作詩を投稿し始めたのと同時期であったのと、そのサイトの趣旨として「鍛錬」があげられていたこともあり、相手の詩に感想だけではなく、質問もよく書 ....
 厳しい借金の取立てに耐え切れなくなった男は死ぬことにした。崖の上で靴をそろえる。ふと右手を見ると、同じように靴をそろえている男がいた。目が合った瞬間、ふたりは理解した。つらかったですね。それももう終 ....  10年ほど前、社員旅行でオーストラリアのケアンズに行った。1日だけ、なんの理由もなくブルーになってしまった僕は、仲間たちと別れ、単独行動をした。12月の暑い日だった。
 巨大ショッピング・モールに ....
 ホワイトアウト。別に、遭難した仲間を探しに来たわけではない。美那子と初めての外泊に新潟のホテルを選んだ。深夜の露天風呂に浸かる彼女を覗いてやろうと、タオル一枚腰に巻いて岩場を乗り越えた。あとひとつ岩 ....  少女連続暴行殺人事件の犯人。彼は色つき眼鏡をかけて白い杖をつき、人通りの多い駅を歩く。声をかけてきた親切な少女に案内を頼む。順路に人気のない路地を指定するが、目の見えない人だと思われているのであやし .... 入社三ヵ月で五度の遅刻。次はクビだといわれていたが、会社近くの駅についたのは出勤時刻五分前だった。改札へと急ぐ廊下の隅に、うずくまる老婦人を見つけた。見過ごせなかった。駅長室まで送り、会社へ走った。 ....  バイト先の女の子に告白したら、あっけなくふられた。その夜、貯金をすべておろしてタクシーに乗った。とにかく北へ向ってくれ。戸惑う運転手に事情を話すと、彼も今日女にふられたのだという。女の悪口に花を咲か ....  小学五年生だった息子が、いじめを苦に自殺した。私たち夫婦は互いに責め合った。離婚して五年。気持ちの整理がついたころ、佳奈と出会った。彼女も離婚をしていて、前の夫の連れ子を育てていた。高校一年生だそう ....  太っていると下ネタが決まらない。最近は、「アーモンド小魚」「アーモンドフィッシュ」という名で売られているカタクチイワシとアーモンドのそぎれを食べている。「私、アーモンド中毒なの」と宣言するとおしゃれ ....  見覚えのある風景だ。体育館の裏。ポケットには呼び出しの手紙。セーラー服の彼女があらわれた。不安そうな顔で僕を見る。なぜだろう、この申し出を断った気がする。もちろんOKだ。そのあと同じ大学に合格。就職 .... {dl}
{dt}片野晃司 [23:20:49]{dd}今回はどれもかわいい詩だね
{dt}ふるる [23:20:50]{dd}「すれ」と「戦っている」はわかりやすくて、ポイントが入れやすい感じで ....
 五十年、いつも妻がリードしてくれた。付き合いだすきっかけを作ったのは彼女。プロポーズもそうだ。子育ても任せてしまった。不甲斐ない夫だったろう。それでも私の顔を立ててくれた。その妻が、布団に横たわって .... 今から土手の草刈りに行かねばならない。各世帯担当の区域があって、そこはそれなりに綺麗にしておかないと近所の目が怖いのだった。しかし、ものすごく、行きたくない(笑)。だって真剣な話、あれは恐ろしくハード .... ■ 巨乳反対!!
 サトエリは多分いい子みたいなんで嫌いではないが、しかしだ、
なんでキューティーハニーの身体にパタリロの顔がついてるんだ、と言いたい。
…と枕をかましたところで。彼女は「ナイス ....
とめどなく流れ込む記憶に頭を抑えながらカーテンを引きちぎる
今ここにいる時間があまりにも切ない
絶え絶えしい世界を目いっぱい拒絶しながら生きている
幸せは君がいるだけで成り立つというのに
うる ....
 全身から汗がふき出している。一人きりのサウナに気分を良くして、すでに十分が過ぎていた。限界だ。腰を上げかけたとき、彼らが入ってきた。どの背中にもきれいな刺青が見えた。私は静かに腰を下ろした。でも、本 ....  小学校のグランドには記念としてサッカーゴールが置かれてあった。何の記念かはわからない。ゴールポストに腰をかけて、正確に言うと、ゴールのバーで足をぶらぶらさせながら、釣り糸を垂れて .... 批評だ批評だ批評が必要だとネットで吠え続けて、おそらく数年になる。私自身は、地方同人詩誌での合評会や蘭の会内部でのわずかな批評と、詩集そのものに対するいくつかの批評をのぞき、自分の作品に長文の批評をネ .... 家にある薬箱のなかの服用薬を全部飲んでしまったことがある。19のときだ。頭痛薬からキャベジンから風邪薬から、とにかく服用薬は全部飲んだが、水虫の薬など外用薬は飲まなかった。死にたくはなかったのだと、思 ....  白い錠剤とロシアで買った中古カメラがテレビの上に載っている。
 もうすでにおれは嘘をついてしまった。白い錠剤もないし、ロシアで買った中古カメラもない。ロシアが昔ソ連だった頃、お ....
靄のかかった人々は表情の裏側の悲しみを蓄積していくばかり
痛みに麻痺した人々はこの世を素敵ともてはやすが共感をよぶことはない

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幼い頃に望んでいた羽などはもういら ....
 孤立してしまったのだ。おれは港に着いたばかりで、フランス人トップモデルと激しい鮨の奪い合いに負けた後でもあった。落ちぶれた気分だった。受験勉強の途中に息抜きとして窓を開けたら .... 現代詩の復興とか、詩がもう少し広まる為に とかの意味がわからない。
根本的に違うのは
オレは人間の復興にはせめて興味があって、つまり
詩の復興とかにまったく興味がないということだ。
己の何を復 ....
詩を書く時に気をつけようと思うことを、書きます。



私が「詩」を書こうと思い立った瞬間から、その呪縛は現れる。

カッコイイ言葉であらねばならない。
誰かに読まれるためであらねばなら ....
批評は愛(詩や詩人のためを思っての行動)なのか。
批評はエゴイズム(己の利益だけを考えた行動)なのか。

私は、その人によって違うし、その時々によっても違うと思う。

どんなに酷評したって、 ....
いま、右手首がひじょーに痛い。うちの飼い猫の血膿をふきとろうとしたら、ズタズタに深くひっかかれた。場所が場所だし、猫の爪は鋭くてカミソリみたいなものだから、自分で見てもリスカの傷に見える。おもしろがっ .... 私が人様にはじめて認められた文章は、詩ではなく評論であった。それは静岡県民文学祭で芸術祭賞を受賞した。今の私からみると暴論みたいなところもあるし、古くなっているところもあるし、そもそも「評論」と名乗っ ....  八千草薫っていいよね、と言う。正月の高校サッカー観ながらコタツに一緒に入っていたいね、とも言う。誰がこんなことを言うんだろう。八千草薫とピンポン球のどちらがかわいいか ....
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