城之崎二手次郎

 小学五年生だった息子が、いじめを苦に自殺した。私たち夫婦は互いに責め合った。離婚して五年。気持ちの整理がついたころ、佳奈と出会った。彼女も離婚をしていて、前の夫の連れ子を育てていた。高校一年生だそうだ。今日はその子と初めて会う。約束のレストランへ行くと、すでにふたりが待っていた。笑顔の彼女の隣で、少年の顔が驚愕の色に変わった。成長していたが、すぐにわかった。息子を死に追いやったのはこいつだ。

あとがき。
二〇〇字物語第九弾。


散文(批評随筆小説等)Copyright 城之崎二手次郎 2004-06-11 11:38:59
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