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かわいそうって言われて複雑なのは
障害者の姉のことか自分のことか
よくはわからない視線にあうから

くすりと笑う姉の笑顔は
子犬がじゃれるようでかわいい

計算された親切の前で
こわば ....
疲れてきたのかな?

女子マラソン観てたあの人がつぶやいた

どれどれとテレビの画面を見やれば
折り返しまで先頭グループにいた選手が何度も後ろを振り返った

背後に見えるのは何なんだろう ....
「恋」ってなに?

「愛してる」ってなに?

「恋」と「好き」ってどう違うの?

「一目惚れ」ってどうして?

「付き合う」ってなに?

どうしてドキドキしてるの?


 ....
丸投げされた洗濯物に埋もれている
わたしたちの日常の色というもの

どんどこどんどこ
どんどこ、まざりあう

洗濯かごいっぱいで
家族団欒としているよう

わたしの目尻がほんのり
 ....
昼時をちょうど過ぎようかという時間
決して長くはない行列の最後尾で
ただぼーっと店内を見ている
忙しなく揺れるエプロンと
食べ終わった食器のガチャガチャは
去年のマレーシアを思い出させる
 ....
てのひらに乗るくらい
小さな桃色の巻貝だけ
あなたに送ったのは
あなたがくれたお手紙が
あまりに優しすぎて
どうご返事してよいのか、思いつかなかったから


その貝は、私が小学生の ....
 
 
 
【メタモルフォーゼ】
 
 
 
 変わるのかい
 変わるのさ
 オマエに愛して欲しいから
 
 出来るだろう
 出来るはず
 オマエを ....
胸に手をおいたのは
あなたがひとりぼっちだったからです

手首をしばったのは
あなたの声がせつなかったからです

歯をかんだのは
ほねを愛する練習です

あなたと石を飲んだのは
ど ....
陥れようと
掘った穴に自分の足を喰われる

ゆかいな事件だが
後をたたない

のさばる犯人の名前は
憎しみ
醜い 顔をして
人を恨んでる

悪意は まるで麻薬
綺麗な心は なく ....
割れた指先に機械油が染みて痛いという
まるでヒトゴトにそれを聞く

吹き荒れる風は私の首筋を叩き
ごっとりと前のめりになる背中になる

ふと
目の前にあのひび割れた指先が現れた
びしゃ ....
小学生だったころ
私の学年には不思議な男の子がいた
その子は明るくて
よく自分から私に話しかけてきていた

でもときに
独りで教室に鍵をかけ
隅で座っていることがあった
また他のときに ....
ちいさな声
まちがいでなく
そんな
気がしたのです

さくらの木の下で、
ぽつんと
咲きほころんだ
黄色いクロッカスの花に、
そこだけ、せっかちな春がやってきていました

“Ye ....
私は泣いてはいけない
もうすぐにこの押し込められた手首は星になるのだから

言葉にならずとも指先に溢れたその
きれいなものを並べたというならば
この奥底に沈んだ藍色の呼吸は何に例えればいいの ....
月が大きく自己主張した夜
私の家出はまた延期される
わかっているのだもの
どこへもゆきたくはないと

見知らぬ男の両の足の間に置かれ
身動きとれない それが
子守だと知ったのは母の笑い話 ....
踏みしめる音が心地よいから
麦を踏んでいるわけではない

やがて来る冬を越して春を迎えるために
僕らは強くならなければと
強がっている

強がることでしかゆるされないと思い込んで
差し ....
その人は穏やかに時間を過す。

あたしの持つそれとは全く違う過し方をする。

今日が何日で、何曜日かも関係ない生き方をしてる。



今日が何日で、何日が勝負日で、とか

何時に会 ....
海面にゆれる
ずっと上空
どんな世界なのか
知らないけど
太陽とやらが眩しくて
ぶくぶくぶくぶく
信号を送り続けた
返事はまだこない


産卵を終え
返事はきてないけど
い ....
あなたの首をしめたこの手で、
わたしは風をさわり、水をぬらし、宇宙をのぞむ
コンピューターウイルスに毒されたプログラムのように
なにもかんがえないで、ただ、ぼうっとする日々が
つづく、えいえん ....
思考は相変わらず単純で 欲しいものは手に入れた
今でも空に梯子をかけて あの大きな月をとりたいんだ。


いつからだろう 狙い言葉で純粋を装ったのは
いつからだろう 世界が色褪せて見えたのは ....
誰かが耳を澄ましているから
夜は静かなのでしょう
全身で聞いているから
夜は暗闇なのでしょう

街がしっかり消えてから

目を洗うふりをして
しばらく
目を泣かせた

きまじめだ ....
「大事なのは、ギアがガチッ!と切り替わる、あの瞬間」



暗い真夜中の道路、車を走らせていく、
今夜は寝ないかもしれない
光る猫の目のように黄色いヘッドライト、
センターライン追いかけ ....
オレは嘘をいったか
泣きも笑いもしない人の前で
初めての時から最後の時まで
オレは何度の嘘をいったか

伝えたか
わたしは誤報を伝えたか
ホントも嘘もわからないまま
心のままの小柄な人 ....
あなたは知らない

授業中 私の前に居るあなたをずっとみつめてることを

あなたは知らない

私があなたの行く先をずっと見守っていることを

あなたは知らない

私があなたに冷たく ....
梅の花がふくらんだよ
家族みんなでみにいった
あの梅の花が

山あり谷ありと いうほどでもない傾斜なのに
つえをついたおじいちゃんやおばあちゃんを
誘導する母や父には 救助隊みたいな緊張が ....
{引用=

とがった影は、みすてられ
切り取る冬の陽を証明する
見上げる円錐のモミの木から
どこまでも つらぬくように
まっすぐに伸びた

疑うこともせず、迷いもせずに
影を作り出し ....
流した涙の数だけ 強くなれるなんて

うそです
うそです

苦しんだ後は救われるなんて

うそです
うそです

努力で得られないものは
備わっていないものは

泣いても
泣 ....
表に隠し事を置いての帰宅

家庭内では夫婦みたいなものを演じて
翌朝のベッドのシーツだけが
不自然に整っている

   *

夕刻の歓楽街
会社の上司に連れ添って
男は飲めもしない ....
パステルブルーのまあるいボールが目の前を
ぼんっ
と跳ねてった

あなたが待っているのがボールの向こうに見えたけれど
私はボールを追いかけた
追いかけた

ぼんぼんボールは跳ねていく
 ....
自由とはどこにあるのだろう

やりたいことをやれないとき願うのが

自由なのだとしたら

自由とはいまどこにあるのだろう

やりたいことをやるのが自由なら

自由とは際限のないもの ....
秋の暮れ

庭の林檎 あかあかと

はずかしそうに 色づいて

あなたへの 恋慕のきもち

みちみちて


美味しい美味しい秋の実ふたつ

どちらが先に落ちるでしょう
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