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がらがらの電車の緑のシートに座った途端
私だと思っていた私が
すとん、
と奥に潜ってしまった
私は一体誰だっけ
私は一体何だっけ
体の奥の、ずっと奥
はどこかに繋がるドア ....
忘れようと 強く強く思うのに
思い出にさえ 笑われる日々
君がもし 覚えていないと言うのなら
忘れてしまえよ 今日の記念日
大切な あなたの生まれた日でさえも
....
雪が降った。私の住んでいるところはいつも降らないので、少し嬉しい。ただ寒いよりも、明日の朝、屋根が真っ白になっていたり足元が凍ってつるつるしたりするのが少し嬉しい。
でもそれはきっと非日常だから ....
パステルブルーのまあるいボールが目の前を
ぼんっ
と跳ねてった
あなたが待っているのがボールの向こうに見えたけれど
私はボールを追いかけた
追いかけた
ぼんぼんボールは跳ねていく
....
真夜中の暗闇
携帯電話・光る・・・
小さなディスプレイ・光る・・・
浮かび上がる顔
ボタンを押すのを少しサボると・弱まる・・・
そっと握って・片手で・・・
ぼやけた塗料がぎしぎしと ....
歯を食いしばって壁を撲った
撲ったことにすっとした
撲った右手が腫れていた
本当は私は誰を撲ったの
腫れた右手に湿布を貼った
湿布は冷たく気持ち良かった
剥がれないように手袋をした ....
さわっておかなきゃ
久しぶりに会った彼女に言われた言葉
安心しきって甘えるように喜んだ顔
私はやさしく頬笑んだままされるがまま
洋服の上からやわらかな手で撫でられる
撫でられる
撫 ....