すべてのおすすめ
美しい女人の影に隠れ
そっと白い腹を見せる
黒ウサギ
その白い腹は
仰向けにならないと
見えない
黒ウサギも美容には
気を使ってる
化粧水は
高級品を使い
たっぷりつける
....
淡い色した桜が好きなんだと 君が言う
あの公園の桜 見に行こうか
まだ少し寒いから
つぼみのままかもしれないけれど
君が嬉しそうな顔して笑うから
儚げに咲く桜が好きなんだと 君が言う ....
温泉の
小さな露天風呂は
微かに
排ガスの
匂いがした
生垣で囲まれた
小さな屋上で
年の離れた男と
星空を見上げる
そっと
からだを合わせたら
温まる
ほどける
....
ドーナツの穴から覗くと
世界はいつも
いいにおいがした
食べ物で遊んではいけない
そう教えてくれた人が
今ではもういない
友人の部屋の隅っこに
ネジが一本転がっているので。
「このネジ何?」
「どうやら俺のものらしい」
拾い上げて見ると確かに友人の名前が書いてある
「そりゃそうだろう、お前の部屋に落ちて ....
ごめんなさいが
素直に 言いたい
自分を取り繕う為ではなく
怒りを上手く かわす為ではなく
本当の ごめんなさいが
素直に言えるように
なりたい
傷ついた
自分の心を 知ってい ....
まけじゃんけんというものをおそわりました
さきにあいてがだしたてに あとから
わざとまけるてをだすじゃんけんだそうです
ぱーには ぐーを
ちょきには ぱーを
ぐーには ちょきを
ま ....
海岸沿いに露出した三十年まえのゴミ山のうえ
新しい嘆きがそっくりひとつ捨ててあった
壊れた自転車
割れたブラウン管
骨の折れた傘
骨折り損のくたびれ儲け
破れた心臓
そんなもののうえに
....
窓をあける
蠍座がみえる
もうそんな季節なのだ
夜明けまえ小さな田舎の駅にも明かりは点り
どこかからきてどこかにゆく青い電車が
轟音を引きずってゆく
さよならを言うまでもなかった別れ
....
ぼんやり 新聞コラム 眺めてたら
女は 存在 男は 現象
つまり 全ての基本は女 だから
はじめに女ありき との文章
これはもう 現代常識である
聖書の記述は 間違えたのだ
好きに ....
出会ったとき
あなたの笑顔は
その輪郭も儚げで
僕の硬い指が触れたら
壊してしまいそうですらあった
桜が
もうすぐ咲くわ
紅をさした蕾に
そっと触れてそう言った
あなたの瞳に ....
黒色の水に吸い込まれていく
手慰みに遊んだおはじきにも無かった色ね
吐露した言葉に
文字に
白い世界は穢されていく
黒衣のおばが漏らした遺産の話
黒という色がおばを穢してい ....
ほんのつまらないものにも
隠された意味があるのだとしたら・・・
どうしても捨てられない
くたびれたぬいぐるみ
君はずっと見てきたんだ
転んで擦りむいた膝小僧も
叱られてこぼした涙も
....
夏、庭にアリクイが迷い込んだ
首輪をしていないところをみると
たぶん、野良アリクイだったのだろう
アリクイは庭で蟻を食べ続けた
長い口先から長い舌を蟻の巣めがけて伸ばし
舌に小石や砂 ....
足のないネクタイは
人の首にぶらさがって移動する
それも不便だろう
足をつけてあげると
嬉しそうに部屋をかけまわり始めた
帰ってきたら
スキップの仕方を教えてやらねば
今日も足のつい ....
感情の吐露です
それは美味いのですか
脂がのってるのですか
私は場違いではありませんか
大将、
はちまき ずれていますよ
ずれているのは何だっけ
そ ....
妻と相談して
家にエレベーターを取りつけることにした
けれど、取りつけた後で
この家には二階も地下室も無いことに気が付いた
ボタンを押すと
チーン
と音がして扉が開く
上にまいりませ ....
ひとりでいるということは
どういうことなのかしら
慣れていたはずなのに
いったんふたりを知ってしまうと
すごく怖いことのような気がして
若葉さす あのやまなみが
ひときわ美しいから
ごま ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10