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紙風船に ふうって
たましい吹き込んで
ぽんっ とあげる
あなたの心に届くころ
....
右手の人差し指がちくわの穴に刺さって
抜けなくなってしまった
ちくわはとても嫌いなので
食べるわけにもいかない
そのままデートに出かけたけれど
あいにく恋人もちくわが大嫌いなので ....
傾いた春の海、季節の春分点から誕生したばかりの
太陽を浴びる雨
真珠色に輝く鱗の人魚より、二足の人間に目覚めるための進化の探求
我が子の足跡を追いかけて
夢の境界から、氷の白地に這い出 ....
ちゃぷちゃぷ
ちゃぷん
ちゃぷちゃぷ
ちゃぷん
水の調べは心地いい
水面の{ルビ泡=あぶく}をよく見てご覧
生まれて直ぐの{ルビ泡=あぶく}たちは
列になった ....
出勤まえにアイラインを引く
鏡の向こう側で
いつも私の代わりに私を演じてくれているもう一人の私と目が合う
季節外れのプールみたいな彼女の眼球の中央に
黒い硝子の宇宙、
私の魂の出先機 ....
君の直感を信じている
世界でいちばん鋭い君の直感が
僕のアンテナをひっぱり続けている
だから赤色のタワーは日ごと夜ごと
どんどん成長し空に向かって伸び続けている
....
ただ、呼吸だけをしていれば
それが唯一の救いになっていたのだろうか
砂漠に捨てられた緋色を
ドライフラワーと呼ぶことはつまらないおふざけ
ひび割れた部分を優しく撫でてみて
前頭葉で水の滴 ....
{引用=
ここにつづられている出来事、名前、心情の一切は嘘であり、時間関係も、もち ろんのごとく、事実に該当しないので、よろしく。
言葉で表現をしようとすると、たいていの物事は絵 ....
僕の銀色の船は、雨の海を北上し、
目的地の虹の入り江にたどり着いたところだ
虹の入り江は、とても綺麗に湾曲している入り江だ。
ここは本当に美しい月の名所で
地球にいた頃から ....
冬の畑の渦巻き模様
雪原に融雪剤の渦巻き模様
美瑛三月の雪原の丘
たった十日の早い雪融けへ
スノーモビルによる散布
美瑛の美しい起伏は
パッチワークの丘
四月柔らかな陽光の中
....
{引用=
君は遅れてやってきたんだね
背中に大きな月を背負って
いい匂いがするな
樫の匂いだ
子供のころから
これを嗅ぎたかったな
鋭い爪で
僕の肌を刺したら
波みたいに後悔しよ ....
ヨンマタかけていた頃も
当然バレンタインなんかがやってくる
玉石入り混じるそいつを
かくし持っているのも怪しまれるから
安全なチョコは
リビングに無造作においておく
....
うまいヘタでいうと
生きるのが
ヘタなほうが 正解だ
大失敗なら 大成功だ
うまい生き方すると
最後にリセットされて
振り出しに戻るようになっている
うまいヘタでいうと
生きる ....
雲のようにとはいうけれど
行方は風によって決められていて
けして自由ではない
風もまた何かに決められていて
けして自由ではない
気づいたとき、それでもただ
雲になれ ....
{引用=
1
名前を忘れてしまった
町を
通り過ぎて2日
私は水を汲んだ
水の中に
幾億の雨粒
2
唇が
だんだんと開いて言葉を発見する
発芽されたばかりの種のように ....
ちいさな孤独に
ぼくのこえ、届いていますか
木琴ほどのため息に
ぼくのおおげさ、届いていますか
喜怒哀楽のない宇宙に
きみが見えなくなる魔法、ありますか
ふゆの ....
雪の中を
雪ウサギは
穴から
飛び出し
走り回っている
鼻を
ぴくぴくさせながら
立ち止まっている
季節のにおいを
感じ取っているのかな
夜は
穴の中で
寄り添うように ....
目を
閉じて
少女は
オカリナを鳴らす
誰かを
思い出してる
ひとつ
ひとつ
オカリナに
指を置く
何かを
思い出している
少女は
オカリナを
いつまでも
....
水は雨になって大地を潤し
渓流は楽器になって
疲れたこころを癒します
渇いたら喉を潤しましょう
水は命の火を絶やしません
水を大切にしましょう
隙間があ ....
制御をうしなって
ピンクの火しぶきをあげながら
つまらないミサイルが
地を這うようにかけていった
ひとはなにを受け入れ
なにを憎めばよいのか
感情はじぶんのなか ....
あなたは私のことを想うというけれど
私は 私だけを想ってたいの
あなたが私を想わなくなったら きっと
さみしいに違いないけど
私は生きれるの
ずっとひとりでいたいから
だれかに寄りか ....
僕が君のために涙を流そうが
精一杯の優しい言葉を掛けようが
そんなのなんの意味も無い
例えば部屋の片隅で 君のこころを和ませる
黒く煤けたオルゴール
僕よ ....
硬い
石の群れに
たまに
私も呼吸を忘れる
人肌の
暖かさも
しばらく
思い出していない
交わるようで
交わりきらないのは
きっと
全てのことに当てはまるようで
母の胎 ....
あなたの頭蓋骨を、かき抱く
この胸に熱く
柔らかな髪に包まれた後頭骨に
私の上腕骨を回して
冷たい額の向こうの前頭骨に、頬骨を寄せる
あなたが考えていることが、私の心に伝わってくる
....
存在のすべてを懸けて
赤ん坊が泣いている。
そのうたに、
誰もかなわない。
中二のとき家出をした
ぼくはすこし複雑な環境にいた
遠い親戚が経営している病院の
ぼくは病室をあてがわれて住んでいた
妹にはその隣があてがわれていた
病院の四階が院長夫婦 ....
立ち食いそば屋で
夕飯を食った
客のほとんどは
お酒を飲んでいて
立てなくなると
ざるそばを食って
次々と去っていった
素数について
話している客がいた
立て ....
弱いのです
弱いのです
さみしさをしらないふりにできるほどに
わたしは強くないのです
あなたに声高にさみしいといえるほどに
わたしは弱くないのです
死にたいと
死にたいと
あなたにいえるほどに幼稚で ....
何処へ行けばいいんだろう
絡み合えず溶け合えず
気味を隠しておどけてみても
化けの皮はすぐ剥げる
今度こそはと
無駄かもしれない抵抗を試みてはみるけれど
戸惑うばかりで動けやしない
....
何もかも愛のために許せるわけもなく
あなたがつまらなさそうに出かけるのをとめることも出来ず
どっちもどっちな夜はふける
こんな風に両親だって不仲になったのじゃ と
おもいあたるふしはあった ....
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