すべてのおすすめ
朝ひとりで目覚めると
皮肉なことに勃起に気がつく
妻のいないベッドのなかで

夢のなかでは
まぼろしのような幼い踝に
わたしはひざまずいて舌をはわせていた

だけどあの少女は
むかし ....
眠りは当局から支給される
月にいちど注文をすることになっている
私は主に スタンダードな「白の眠り」を注文する
けれどいつもおなじ眠りというのも
あじけない気がするので
やはりスタンダードな ....
あたしのかわいいUSAKO
ずっと前から飼ってるよ
ちぃちゃくてふわふわで
いつでも撫でていたいUSAKO
お前がそばにいてくれるから
あたしは幸せに生きていける

  そうさアメリカ人 ....
かくすためだけの
キャミソールに飽きて
このごろは いつも
はだかで過ごしている


夏はまだ
わたしの腰の高さで停滞している


午後4時をすぎると
夕凪に 夏がとけてゆく
 ....
錆こする
     蝉 が赤土の
踊り場を囲い 哉
 哉哉哉哉 といにしえの

唱をまねび叫ぶ
     哉 哉哉哉 哉
橡の木の下で錆び
       た旋盤機が
抱 ....
古い雲の向こうには

面影が ひとつ 笑っていて

見えないのだけれども

残っている断片が

さらさらと流れていくように

交わっていくのだね



記憶
 ....
楽園の夢を見た
この世界ではいま
それが必要だから

まず
都市計画の話を
人間の楽園の話をしよう

ペブルビーチ
サンドビーチ
エプコットビーチ

椅子に座って
話をしよう ....
昔の知り合いから電話があって
ちょっと帰ってこないかって
ナンデって聞いたら
亀ちゃんが死んだよって

久しぶりに海に下りた
なんにでもなれるような気がして
なんにもなれないジレンマ感じ ....
僕は飲んだくれて
恵比寿の裏通りで、げろはいてた
何もかも上手くいってないのに
何もかも上手くいってるように
取り繕って
でも、今夜は酒を飲みすぎて
げろはいている僕
そんな僕をじっと見 ....
「あとにのこされたもの」

雲の隙間から
羽毛がこぼれおち
風にのる
海峡を渡り
山脈を越え
遥かかなたの砂漠まで
幌馬車が届けられない
あの砂漠まで

「月は地球の衛星である前 ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
サハラ砂漠で夏眠中のカエルは
とてもつらい

遊牧民に掘り起こされ
厚い安らかな粘膜のシートを
乱暴にこじ開けられ
たっぷりと溜め込んだ皮膚の水分を
絞りとられるのだ

たいせつ ....
あまがえる
あまがえる
こんな午後にはあまがえる
とろりとおひさま
くびすじからせなかまで膜をかぶって
どこにも行かれない午後
あまがえる
 
あまがえる
あまがえる
こんな午 ....
夏の空は不必要に青過ぎて
まるで現実感がない。
蝉の不協和音も陽炎も
在り来たりの遠さでしかない。
立ち止まって振り向いても
君が居ないのと同じように
希薄。


印画紙に切り取 ....
1.白馬の王子(わたしの巻き毛のリケ)

颯爽と白馬に乗って駆けてくる
巻き毛の王子は
ぶざまな小男でやぶにらみ
しかし王子がパチン!と指を鳴らせば

王子の姿は誰よりうるわしく ....
光の
光りはじめと共に
鳥が始まる
朝の


あと、少しなんだ
四角い窓枠がなければ、人間を忘れられる
身体がなければ、わたしを忘れられる


朝の
鳥が始 ....
戦争体験者の嘘つきども!
本当のことを言えよ
敵をやっつけてスカッとしたんだろ
アジアの解放に正義感を燃やしていたんだろ
国のために死ぬことを美しいと思っていたんだろ
俺はもう分かったんだ
 ....
鬱蒼とした山々の間
引かれたレールの上を
走る
蘇る鉄橋の
下では
おばあちゃんがこぼれる
谷川に近い公民館は
オープン
クーラーは無く
扇風機がぐるぐる
回っている
まるでお伽 ....
激しい睡魔に襲われながら三日月は
いっそ雨になれば良いのにと思っていた

軒先でギターを弾きながら渡辺さんは
一昨日見た夢を何とか思い出そうとしていた

渡辺さんの「246M」をMDで聴き ....
地球の上をキスが回る

西サモアで、島の祭りに酔う恋人達が、夕闇にまぎれて初めてのキスをする頃
ブエノスアイレスの酒場では、疲れ果てた中年の男に、ウェイトレスがやさしいキスをし
セーヌ川の ....
竹竿の先に灯火をぶらさげて
小さな子から先にあぜ道を歩いて行く

ひと粒の米に
千もの神が宿っていた頃から続く火で
稲の葉を食べる虫を追い払う

のだと言うが
揺れる火はまるで
人魂 ....
夏休みのプール
歓声の中
泳げないボクは
すみっこで練習

大きく
息を吸い込んで
顔をつけて膝を抱え
くらげのポーズ

ゆらあり
ゆらり

少しづつ
息を漏らすと
身体 ....
ある日、仕事を終えて
更衣室のロッカーを開くと
取り付けの小さい鏡の下に
お守りのようにぶらさげていた
5センチのくまのプーさんが姿を消していた

プーさんは
うまくいった日も
へまを ....
俺は「ありがとう」と言った。

朝起きてからずっと目の焦点が合わなくて俺は窓を開けて空は高曇りで
ノーテンキに雀が鳴いていて医者に電話をかけたら予約がいっぱいでど
うしてくれるんだ何か起きたら ....
ふりつもる夜の殻が
ふみしめるたび
かわいた音を立てて
砕ける
名前を思い出せない花の香りが
密度を増した湿度となって呼吸を
奪う
夜の果てにたどりつく
手っ取り早い方法は
眠りなの ....
レジの上に置かれた写真立ての中で
歩き始めたマスターの子供が
両手を握り {ルビ膝=ひざ}をかがめ
階段から飛び跳ねようとしている

怖れを越えた先にある
未来の着地点を
澄んだ瞳で{ル ....
第一章 権利

 君をみたす酸素分子はさだめられた方角を見失うとき、霧となる。池のおもてで朝日が砕かれてゆくのを、君は燃える指でなぞる。どこまでが記憶なのだろうかと、問うこともしない。背後にあいた ....
 あなたは、荒れ狂った、広大な砂地に足を埋めて、飛ばされないように、大時化で、ドロドロとした朝の、ドロドロとした波に打たれて、気絶する、泥土の景色のようだと、あなたは言うから、ねえ、あなたは帰 .... 窓ガラスがかたかたと鳴るのは
風のせいではない

カーテンが明るさに焦げているのは
西日のせいではない

窓に背を向けて本を読み続ける
誰かが肩に手を置く
焦げた風が髪をちぢらせる臭い ....
{引用=私イコール作者だと信じる純朴な読者は、読むな。}


夫のいびきが隣の寝室から聞こえる
ここは私の部屋で ここにあるのは私の取り分
大きな書棚 たくさんの本 オカリナ ちゃちな顕 ....
窪ワタルさんの自由詩おすすめリスト(426)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝立ち- ZUZU自由詩7+05-10-22
眠りのシステム- 塔野夏子自由詩35*05-10-5
USAKO- 紀ノ川つ ...自由詩205-9-23
夕凪にとけてゆく- 望月 ゆ ...自由詩31*05-9-11
回_帰- 田代深子自由詩10*05-9-3
9月3日- はらだよ ...自由詩205-9-3
都市計画/楽園- カワグチ ...自由詩14*05-8-28
ウミガメ- 芳賀梨花 ...自由詩13*05-8-24
子猫のシビット- 芳賀梨花 ...自由詩4+*05-8-23
Saudade.- 芳賀梨花 ...自由詩14*05-8-22
透明な宿題- 望月 ゆ ...自由詩65+*05-8-20
スキアシガエルの入定- The Boys On ...自由詩12*05-8-20
あまがえる- 白糸雅樹自由詩10*05-8-19
夏の死- 有邑空玖自由詩10*05-8-16
幻想の王国_あるいは_詩権神授説- 佐々宝砂自由詩505-8-16
朝の砂- A道化自由詩1305-8-15
戦争は悪ではない- 紀ノ川つ ...自由詩1105-8-15
奥羽本線- チアーヌ自由詩1405-8-15
月と渡辺さん- 松本 涼自由詩7*05-8-15
地球の上をキスが回る- 伊藤洋自由詩6*05-8-10
しらやまさんのこと(6)- AB(な ...自由詩1405-8-6
ノクターン- umineko自由詩5*05-8-2
プー子さんの退職- 服部 剛自由詩17*05-8-1
踏みのめらかし踏みすべり- 佐々宝砂自由詩7*05-8-1
星のうまれるところ- 汐見ハル自由詩1505-7-30
Cafe_Le_Poete_♯2- 服部 剛自由詩6*05-7-28
法学- 葉leaf自由詩19*05-7-28
しろい_いきつぎ- 嘉村奈緒自由詩1605-7-20
八月の西の窓- 佐々宝砂自由詩705-7-19
鏡を割りたくなるわけ- 佐々宝砂自由詩15*05-7-16

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