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まっていたおもいすらする懐かしい驚きは
鼻の奥から桃の実の香をともなって
額のさきへとつきぬけふきだした
馴染みぶかいあの痛苦のみなもと
乳白と鮮赤の漿と沫がまじりあい
桃色の滴となって地に ....
 この作品を観るのは初演以来2度目になるのだが、前回はドストエフスキーの原作を読んでいなかった。今回は読んでいる。そうすると、もちろん両者を引き比べざるを得なくなる。しかし意外なほどに、野田の『贋作』 .... 鉄柵に囲われた駐車場
夜の水溜まりより黒い わだかまり
うごめい たようだ 眉根しかめ眼を
夜より黒い水溜まり よりもっと
濁りまじる ぬらり 猫背のましら
互い気づかれ アスファル ....
叶いっこないと言いきかされて育った期待が破れんばかりの心臓をおさえつけ
明滅する。おまえなんかいないほうがいいのだと言い聞かせて育てた期待が、
かじりつこうとしている一〇〇〇円ばかりの分け ....
錆こする
     蝉 が赤土の
踊り場を囲い 哉
 哉哉哉哉 といにしえの

唱をまねび叫ぶ
     哉 哉哉哉 哉
橡の木の下で錆び
       た旋盤機が
抱 ....
めぐりきた
この日はなぜやら 決まって晴れる 蒼い
冥い中天に垂れなびく布帯 黄 紫 緑
八方の声明 太鼓と鉦 衆生の足は土をたたく
たたく
肉焼くにおい 黒ずみはじめた果実の甘露
巡 ....
指でつなぎとめ
奥にひろがるはずの
水をかくした葦の
叢で
わらい戯れてひそみ
その口をふたぎあって
ちいさな音に身を寄せ
ぬくもる鳥となった

あたたかい日に歩こう
の約束は ....
「天動説の子ども」 ロボウティー
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=32950


 この詩を読んで感じる苛立ちはなんだろうかと考えた。初めは何故 ....
「とりあう手」 原口昇平


こぼれた兵隊のおもちゃがあって

はらはらとねじがまかれているこの世の誰にも知られないように手にとる手をとる

写真にとられるのをきらった友人の顔に似て ....
液晶が 関東平野を東へ走る青年 を映す 速度にまつわる素朴な
感嘆は冷気にあてるとしぼむ はずだから「ああ」という呼気をふ
くらまさず口のなか でビールと混ぜてのんでいる 速度よりも  ....
今日だけの花 さわぎの水のふりかけて かじり抱きして朝にしおらす


しょうちのうえで怒らせて 悪気もありで涙なら さじもなげる身もなげる 君


泥となり眠る あまい泥なら手でつかみ 掘 ....
祭りのごとく花を蒔き
塩を蒔き
くうとなき空飛ぶ鳥に
豆を蒔き米を蒔き
菓子を蒔き食うや食わずの
子らには餅を蒔き
子らは走りきて掴みあい
奪いあい
わらうか
視子は
 ....
批評だ批評だ批評が必要だ−佐々宝砂
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=12681&from=listdoc.php%3Fstart%3D210 ....
天根の辻で水をもらう
日の暮れるには早い刻で
このまま休みたくもあり
まだ行くかとも計り
いつまでもたばこをのむ

新開通の鉄道がここいらを
過ぎ越してさびれた土産屋
小唄の焼 ....
また まだ
ほらまた
同じように
同じこと
同じことば
同じことばかり
またかけたもう
かけた
ほらまたかけたし
にかけのことばで
もう忘れて
忘れている

ぐるぐるのロ ....
赤土の皿に赤い身
濃い溜まり醤油と
潮気かおる雨宵

ここでしか漁れんもんやから

引き戸かたつく飯どころ左隅で
ちらちら横目くれられビールを半分まで
流し込む
わぁ美味しそう  ....
誰にくれてやることもせずむさぼった
粗いフィルムの陰影を透しスカートから
のぞくガーターの片りんを思う
音量は振動となり骨肉に伝う こんなときには
ありがたい むさぼるだけ
むさぼっ ....
おれだけならばあの塔までも行く
がおまえが
いて

ああ見てみろ青あおく明けそめの空
がひとすじの月
に切れる

うなだれた影たちが行く
塔へ
(動くな)
影をおさえ
て低 ....
プラズマ放電のなか生まれ落ちた

ハイパーコダマこんじきの馬体



かの女の競馬熱は
とどまるところを
知らない こんやも
カクテルライトに浮き沈み
ターフのへりにぶ ....
かな小父の通夜はにぎわい
三弦と木魚 お宮の龍笛をひきあいに
かな小父の唄と三弦曲かれこれが寄って
大ざら酒瓶もたたかれる とむらいの夜
かな小父がわたしにくれる遺物 掌が
その壺の ....
みどり児は
あけの河に流されて
流れ着くのは石の岸
そこをみずからぬけ
葦の原へおちつく
すでに住まう
年よりの蛇とあそぶ
おどりあそばせ
つゆふる夜半には
犬三匹をおま ....
窪ワタルさんの田代深子さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桃源歌- 田代深子自由詩1106-5-4
野田秀樹『贋作_罪と罰』を観る- 田代深子散文(批評 ...606-3-7
猿精- 田代深子自由詩906-2-19
おけら街道- 田代深子自由詩6*06-2-5
回_帰- 田代深子自由詩10*05-9-3
下野- 田代深子自由詩1005-5-22
水鳥- 田代深子自由詩1205-4-2
ロボウティー「天動説の子ども」について- 田代深子散文(批評 ...1105-3-20
【批評ギルド】原口昇平「とりあう手」について- 田代深子散文(批評 ...405-3-12
散乱- 田代深子自由詩805-2-22
冬のおわり苺を摘みに- 田代深子短歌5*05-2-10
花蒔き- 田代深子自由詩904-12-3
山田せばすちゃん『ハンバーグをめぐる冒険』について- 田代深子散文(批評 ...404-9-22
天根の辻- 田代深子自由詩704-8-31
ripetere- 田代深子自由詩604-8-22
潮宿- 田代深子自由詩704-7-29
フラッシュバック- 田代深子自由詩1104-7-9
- 田代深子自由詩504-7-9
オシラ- 田代深子自由詩703-12-10
にぎわし日- 田代深子自由詩1003-10-24
葦の原の- 田代深子自由詩1203-4-2

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