すべてのおすすめ
一人の女がwaterという単語を知った時
女の暗い海には光があった
一人の数学者が荒地を切り開くとき
ヴィーナスと魔女たちは密かににらみ合った
一人の音楽家が夏の行方を探り打つとき
....
完全な暗闇のなかにいる以外
孤独はそのふりをしているだけだ
天井の模様がうっすらとなにかを象徴している
こうやって天井を見つめていても
そこに孤独はカケラもなかった
思考 ....
Time passes and passes and passes and passes and passes and passes.
Should I fix you a cup of coffe ....
競馬は好きだが
馬券は買わない
どうせ儲けたくなって
好きでもない馬も
買ってしまうに決まってる
いつまでも
好きな馬だけを
見ていたい
だから馬券は買 ....
{引用=今日は今日を生きて
生きていることに少し感謝しました
少ししか感謝できなかったのは残念ですが
明日は明日を生きて
今日よりも少しだけ多くの感謝をします
ほんの少しだけか ....
小学三年までと二十代後半を東京で暮らした
いまも出張で月にいちどは東京にゆく
きょうは機械の立ち合いで東京だった
加工テストが順調だったので
そこの社長に言ってちょっと散歩に出る
狭い道に風 ....
あいという
あめだまをなめました
なんだかくすぐったくて
とけていくのは
じぶんのほうじゃないかって
ふあんになったので
はきだしました
すこし
こわかった
いぬは
....
すっかり寒くなってきましたね
こんな季節はホットココアが美味しいです
どんなに気をつけていても
きっと、
これからも、
かなしい思いは
すると思います。
それに
いつかは ....
家に静けさが降っているとき
五人の家族の顔は
お互いそっぽを向いている気がする
わたしはひとりで居間にいて
天気が悪いからって
掃除機をかけようかどうか迷っている
母は体調が悪 ....
手首を拘束して
気が狂ったかのように叫び続けて
流血塗れで愛の言葉を囁いて
「僕は生きてる」と呪文を呟いてみて
静かな部屋で枕を濡らしてみても
世界は何も変わらずに
僕の存在を消そうとする ....
酒に酔うて
人に酔うて
乱雑な物言いをして
おれはこんな所へ居る者では無い
もっと高い所へ居る人間だ
そんな事を宣って
あらケンさんその通りだわよ
あなたは私か ....
夏のそらばかりが 身をせめる
南風の吠ゆる 島の岬に
母のかたみの 赤い櫛で
髪を梳く
罪を乞うでなく
罰をあがなう 身にもあらず
まばゆく うれしそうに
紺碧色に待つ 海 ....
麻薬売りの女の子に道を尋ねた
明日に行くにはどうすりゃいい
麻薬売りの女の子は答えた
これを煎じて飲みなよ
僕は彼女にもらったものを
すり鉢で煎じてお湯に淹れて飲んだ
苦く ....
そして/あるいは君の弱さを愛す
目に見える形にして示すことが出来ない
あなたが優れているから
僕があなたを愛したのではないのに
僕が眠っている間に世界は
あなたという宝石を見出した
宝 ....
セックスがまだ下手糞だったころの話をしようか。
学校帰りには毎日本屋に寄って
ゲーム週刊誌から現代小説まで立ち読みした。
田舎だったあの町には
本屋くらいしか暇を潰す場所がなかった。
町 ....
贋物の舟をだして
ほんものの海をゆく
実際は泳いでいたのだが
贋物の舟にのってることにした
海をゆくディティールは
泳ぐ者のそれだった
海は偶然にみちていた
....
声とは
思えない、そのような
声。
響き、
沈黙の、
うたえる
歌が、あるのは
むこう、
声じゃない
声、
の
かなたが
電話をかけてきて、
....
どういう風のふきまわしでそうしたのか
午前0時になると音楽がながれる
有名なクラシック音楽なのだが
曲名が分からないので勝手に
蛇つかいたちの行進、と名付けていた
0時を ....
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こんな寒い夜は
星がぽっちゃんぽっちゃんふってくる
(星って 卵みたいにぐちゃぐちゃじゃないか)
星の殻が割れて 星のなかみが背に落ちる
きみの背中は銀色に光って ....
僕はカーディガンのボタンを外してかけてやる
夜はだんだん透き通りいずれ朝になる
恋人は肺活量が人の半分くらいしかなくて
普段は困らないが肺炎になると死にそうになる
恋人が死んでも死にそうに ....
あたふたと駆け寄りきつく抱きつく
君の骨の重さ確かめるために強く
そして呼吸する間を惜しんで
キスをしてそれがいつまでも続く
金縛りにあったように体が収斂して
こうしていることが日常だと ....
ほんものの冬だから
哀しみが風に吹かれている
自信のない僕だから
西日に背中をおされている
街路樹から緑が抜ける
何百マイルも離れた大学街
女を抱きにぶっ飛ばす ....
くるくるくるりと
来ぬ人の心
ころころころりと
待ち焦がれ剥き剥き
彼恋焦がれ桂剥き
料理利用して篭絡しよう
そうしようそうよ
そうしそうよ
つつつつポとガスの火をつけて
お ....
長いトンネルの先
君を見つけたのはいつだっただろうか
薄暗さに慣れた僕の
からだをくるんだあたたかさに
立ちすくんで息を呑んだ
君の真下を歩いてゆくよ
熱い旋風に身を焦がし
夜に冷え ....
土地を買って鉄路を敷き
そのまわりを開発して
定時には人々を詰めこんで運んでみようか
地域密着でありながら
こんなダイナミックなビジネスはない
しかも電車は車より8倍エコ ....
駐車場をながめていた
どこからか猫のなき声が
マーフィを探すように
二人で目を動かしていた
俺は今どこにいるのか
愛人のマンションにいる
そんなこと聞いてない
....
見わたすかぎり
あおあおと
海原
さみしげに
小舟が一艘
のどがかわいて
哀しくなった
水はこんなにあるじゃあないか
いのちによく似た絶望が
きらきらと
世界の途切れる ....
夕暮に
放射線が
ジグザグに
切り付けにやってくるんだ
赤いビル
灰色カビた
臭いのする
壁、壁が息苦しいな
それが頭重くして
....
空を見上げたら
お月さまはもうなくて
見えないとかそういうんじゃなく
お月さまはもうなくて
誰の消しゴムのせいか知らないけど
とにかくもう、なくて
夜、何を見上げればいいか途方に暮れた ....
わたしには、きっと
読まれることのない
手紙を書いている
わたしには、きっと
云われることのない
ことばを書いている
進む指の感覚がもどかしい
ひかりを知らない子どものように ....
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