すべてのおすすめ
星よりはやく西へ東へ
飛行機たちの遠い明滅
夜の坂道に外灯がたつ
いくつかの影をまとい
僕は長い坂道をくだる
僕は夜の無生物になる
さびしい、とつぶやいた
....
新宿駅連絡通路できれいなひとに呼び止められた
朗らか過ぎる白い歯並びと
しなやか過ぎる姿勢の妖しさと
「あなたがあなたらしく生きているとき人は美しい」
白い歯並びからのぞく跳ねるような ....
鉄町に住むからか
鉄の女と人はいう
私はそんなに強くない
錆びて疲れた心なの
二人歩いた鶴見川
今日はひとりで来ています
結ばれないのは知っている
信じたくないだけなのよ
たと ....
よかぜはふく
ぼくらのたに
よかぜはひく
あのひのせいざ
よかぜははこぶ
よぎしゃのおと
よかぜはともす
ぼくらのえき
ぽつんとともす
わたげのいのり ....
空がとても高かったので
煙草吸いはつい
ぷかりと一服くゆらせてしまった
やわい風に紫煙はゆったりと漂い
久し振りの刺激に脳が軽く目眩う
いたぞあそこだ!
至福の時を切り裂いて声が響いた ....
ほしいものも
いらないものもない
とあなたは
いったけれども
パンツをはかずには
いられなかった
ぼくらのまっしろな
そのむこうにある
ここにはたしかに
ちがうところがあ ....
夢の雨がまだ眼前に在り
音や光をふちどっている
雨のなかの陽 ひとつをひとつに
注ぎ込む陽
空の器械 地の器械
水の外から 降り来る声
緑にふくれ ....
三月の空が
そっと目をふせて
桜前線をいたずらにもてあそぶ
うすむらさきの頃
散り散りになっていく ふたりの残像と
つみかさなった青いことばの回想録は
南風に ふうわり、とすくわれて
....
君と私の中に間に
まるで夜間工事みたいに赤く点滅しながら
散らかる多すぎた思い出につまずいては
何処にも行けない(もしくは片道通行の)この閉塞感を愛して
触れられない、嗚呼また今日は綺麗な、雨に柔らか ....
子供たちを寝かしつけて
朦朧とした頭を抱えて
ただジュースを飲みたいがために
サンダルを突っかけて外に出る
雨上がりの真夜中
起き抜けの身体はまだ夢の中
視界は頼りなげで
僕 ....
他人の病気は
うつくしいのだ
見舞いの言葉を
喉でとどめて
細った鎖骨を
じっとじっと見る
わたしはわたしを
一秒たりとも
許しはしない
のだけれど
それがなん ....
わたしが
何も話さない事を
見破ると
あなたは
去って行きました
入れてと
言えなかった一言を
笑顔で
打てなかった相槌を
わたしも
少なからず
持っています
だから
....
雨上がりの濡れた空気に
しっとり染み込む芳香は
垣根の向こうの金木犀
乾き始めたアスファルトに
規則正しくむちを打つのは
子どもが回す赤いなわとび
吸い込みすぎて重たくなっ ....
クル カラ コロ チレ 落ち葉
クル カラ コロ チレ 落ち葉
ボン、 バイクら
ボン、 バイクら
トロ ツテ まるん
ねこ きらり
トロ ツテ まるん
ねこ ....
取引先と鹿児島に来ていたので
知覧にでも行きましょうかということになった
私はこれで五回目となる
お客様は初めてだそうだ
特攻隊員たちを想うといつも
戦争、若いいのち、時代、思想、ひ ....
いつからか食べるのを止めて
真っ白になって骨だけになるの
そんな日を
夢見てるのに
ああ!
だけど!
いつからか壁の火の色も
真っ黒くなって腹の底 ....
天文館通でスナックのあとラーメン、定番だ
芋焼酎は白い
脈絡もないことを思いながら歩いている
麺はのこしておいてよかったな
酔ったからだをホテルまで動かしている
出張 ....
あたしはコトバなんかじゃねえし
心なんかじゃねえし
おまえらみたいな輪郭がどうしても線にならないから
流れていってしまう
地上のある全部が全部が
あたし達の皮膚
皮膚
だから
午前中は ....
シャワーが浴びられない
赤の蛇口と青の蛇口を上手に開けないと
熱かったり、冷たかったり
今夜は何べんやってもダメ
シャワーで洗い流したいのに
濡れた髪が心までまとわりついて
上手に蛇口 ....
縁のしんだ友人と
埃くさい小屋で
昔の明細書のはみ出た戸棚の脇で
固まって静か
縁のしんだ友人と
大きなにごり沼で
どぶさらえみたいな
魚すくいを
縁のしんだ友人と
みんな消 ....
出張さきの宴席で地元の方々が
茶わん蒸しの唄をやってくれた
いつもそれを覚えようとするのだが
芋焼酎がぬけた朝には忘れてしまっている
だからその晩はDVDをおくれよと頼んでおいた
翌 ....
誰も居ない街の
小さな家の壊れて音がでなくなった
ピアノの前に腰掛け
ふうっと大きな息を吐いて
埃まみれな黒のボディを見えるようにしてやった
そして音の出ない鍵盤を必死に ....
いつから芋焼酎飲むようなったんかなあ
(あたしはどきっとした)
おまえにもうたんやっけ
(そうや)
(あのとき付き合うとった彼にもろたんや)
四五年まえおまえにもうたんや
(いまさ ....
粉々に砕けた星屑の海で、
一人ぼっちで船を漕ぐ。
宙をゆく旅は、
叶わなかった夢たちの残骸が放つ光で溢れ、
ひどく温かい。
波間から時折のぞく、
きらきら輝 ....
手取り14万で都内のアパートぐらしじゃ
刹那的に生きる以外のライフスタイルなんて
望めないよねと
黄色い電車の中で、話していた女子がいた
おきまりのように「いい人いないかね」と
相づちをうつ ....
人形と メールをし合う 人形と
絵画と 踊り明かす 絵画と
入ってる 入ってないと 気のはなし
嘘世界 ま ....
遠浅の日々はいつの間にか息継ぎの仕方を忘れさせる。
駅まで、の最後の交差点に立つと
呼吸が止まるほどに夕焼けの匂いがした。
*
「雲は、本当は流れていないのです ....
電源が回す鉄板が回転する
右から左から右 左
ピストンが ガコンガ コンガ コン
と誤差の範囲で稼動している
積み上げられた工場の部品を
組み上げて工場が工場の部品を
組み上げて工場が ....
宇宙の本とか見ていると
詩だとしか思えない言葉があります
著者氏にはおそらく
これっぽちもそのつもりがなくても
Can you see it ?!
おまえたち見えてるかと
飛び込んでき ....
立体的な画像に目を奪われ
グルグルと頭では
スプートニクが回っていた
七夕に願いをかけるなら
それはマジックで黒く染まっているでしょう
現実はいつも甘い薫りで
姿を ....
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