しおからい肌のおもては なまぬるく うらがえしてもどこか遠くて あまおとに そらにむらがる あまおとに たましいを忘れ たましいを忘れ

はねかえり つらなる円を 欲すれど あるのは怠惰な 水溜まりのみ

ひとことに ふとしたしぐさに まなざしに 弱い ....
悲しみの輪郭を、そっとなぞり
この雨の行方を探してみる
黒々と光る夜空の奥深くから、
ざあざあと雨は降っていた
冷たい三月の匂いをたたえながら

指先が閉じ込めているのは
言葉を紡ぐこと ....
両瞼月の形の白い傷



露出した骨を矯正してる口



三日後に二足歩行で倒れます



初夏の朝 身体の中はまっくらけ



磨かれた床に無数の目玉落つ


 ....
(春)

伝線したストッキング、国語辞書、スケッチブック、埃、先のまるまった鉛筆、花柄の布団カバー、キオスク、アルミフォイル、たまごサンド、青い軽自動車、浴室のタイル、制服、文房具屋、バス停、スー ....
手首を切り落とす、
という妄想が頭から離れない。
私の手首を切り落とすのではない。
最愛の人の手首を切り落とすのである。

切り口はなるべくすっぱりと潔いのがよい。
切れ味よく骨まで切り落 ....
魂を
込めてあんたに
火をともす
心でもいい
体でもいい
女の声は殆どが水で出来ている


舐めとればそれはひどく甘ったるくて
お祭りの屋台で食べた綿菓子みたいに
口がべとべとになってしまうんだ


男の声は殆どが煙で出来ている


吸 ....
 
 
卵に言葉を教えた
教えた言葉を
卵はすべて覚えたけれど
口がなかったので
話をすることはなかった
雲が形を変えながら
夏の空に消えていく
わたしが生まれてから
何度も見たそ ....
{引用=
それぞれに交差する
よっつのひとみ

そのやわらかな表面は
甘いのだろうか
それとも潮の

見詰めれば
卵黄を飲み込むように
喉を滑らかに落ちてゆく

嗚呼

同 ....
くじびきで誰の子供か決められる 欠陥品でごめんね母さん 受けとめきれない言葉が在るのは
なんら不思議ではなく
すべての言葉を
受けとめきれるつもりで
自らを削ぎ落としてしまう行為こそが
とても不思議で
ただ哀しい

それなのに
まったく等 ....
エナメルで拙く染めたら指先が赤くたわわにはじけていった



別離なんてこわくもなんともない昨日耳を小さくちぎって食べた



あなたに告げられた一声で包丁だけがぼうと明るかっ ....
夕暮れの窓辺で君は、膝にとまる蚊をみていた。君は決して蚊を叩かない。君は蚊に刺されながら、蚊よりはるかに太く鋭い刃に刺されることを夢みる。僕は刃を持たない。君が蚊に刺されるのを見ながら君の髪を撫でる。 .... 泣いていることに気づいてほしかった 高い背中がやさしく揺らぐ


いつも無表情の君をゆるませる春の気配に嫉妬している


そのときがきたらやさしくころしてね 桜のにおいをまとうひとよ

 ....
ただ
きみの
ひるがえる肩が
遠い国の祭りのようだった
ただ
きみの
あげる声が
ひばりのはばたきのようだった

きみに
伝えたかった
だけ
なのだと
新宿駅構 ....
薄暗い放課後の理科実験室で
やさしさの裏側を顕微鏡で覗いている
数名の男子が抱く女子への幻想があるかもしれなくて
もしくはどこか悲観的に
いくばくもない生命のおわりが映るような気もして
 ....
なつかしい音


なつかしい音


なつかしい音



結局 わかんなかったな


なつかしい首


なつかしい首


なつかしい首



めんどくさいん ....
淡紅色の水水しい肌に結びつく成長ホルモン
その道すじを振り乱して泳ぐ姿は
それぞれ脂の乗った、見事な鮭
美しい女子高生の群れです

信号の向こう側に居る人々

仕立て上げられた
 ....
ヨシミはカワバタとユキオのどちらが好きなのかを考えたことがない
ユキオとサヤマのときは考えてもいたような気もする
カワバタに借りたプルートウというマンガを読みながらその考えたこともないことをはじめ ....
耳を傾けるひとがいる/石川敬大さん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=207146

【耳を傾けるひとがいる】石川敬大 にポイントを入れた方々への公開質 ....
笑うことが苦手な君は()の中で笑っている

掴んだ言葉や色を

悲しみの下地に上塗りする

黒の透けた白い肌が

本当の君から目を反らす

人々は摘んで食べては

口々においし ....
{引用=
 花霞 目に映るのは君の背に散りゆくたったひとひらの夢



 北国の君に(好きよ)と花びらで書く 南風がさらってゆくよ



 首筋に君が降らせたひとひらは淡い花より ....
灰色の卵を割ったらからっぽだった。僕は黙ってねぎを刻んだ。 どうも!ショートレビューをかいてる者です。

このあいだ用事のついでに新宿へ寄って文月さんの詩集を買ってきました。
「適切な世界の適切ならざる私」は、文月悠光さんの中原中也賞受賞作です。
せっ ....
 
 
鳥かごの中で
小さなキリンを飼ってる
餌は野菜だけでよいので世話が楽だし
時々きれいな声で鳴いたりもする

夕焼けを見るのが好きで
晴れた日の夕方は
日が沈むまでずっと西の空 ....
羽根休む 鳥に石ころ 投げつけて
飛び立たせては 少し笑う
わたしたちは時間をうまくやり繰りして乳清だらけのヨーグルトになる

触感がどうだとうではないのです(生き物なのね)あたたかい罠

皮膚擦れて 二階の角部屋は朝日に焼かれ まな板の上で震える枕
 ....
君に対して
誠実な言葉を口にすることが
できなくなったのは

君が僕を軽く扱うから

それは僕が
気が付かないまま
不誠実な行為を繰り返して
いたからなのか

ゆっくりと壊れてゆ ....
嫌いだよ同じくらいに好きなんだ 伝え方が分からないけど
あぐりさんのおすすめリスト(193)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
抱き合う- はるな短歌710-5-23
通り雨- はるな短歌210-5-22
悲しみの輪郭- 九重ゆす ...自由詩6*10-5-21
まっくらけ- ふるる川柳5*10-5-21
季節ごとに近しくなるものもの- 吉田ぐん ...自由詩810-5-21
手首のソネット- 佐々宝砂自由詩710-5-19
生きてゆくために- TAT短歌2*10-5-16
声の実験- あ。自由詩22*10-5-16
夏の雲- たもつ自由詩22+*10-5-12
半身- 高梁サト ...自由詩14*10-5-10
アンドロイド- 朱印短歌4*10-5-9
結婚- 千波 一 ...自由詩4*10-5-6
耳を食べる。- f.luna短歌910-5-4
【140字ポルノグラフィー】ちょっとSM- 佐々宝砂散文(批評 ...4*10-5-2
春の気配に嫉妬- 七波短歌310-4-30
- イシダユ ...自由詩810-4-24
やさしさの裏側- かんな自由詩21*10-4-23
rr- イシダユ ...自由詩1310-4-19
浮泳ぎ- りこ自由詩7*10-4-17
群青のサンドウィッチ- 吉岡ペペ ...自由詩910-4-9
『ばっかじゃねーのー』はネイノーさんの口癖。- プル式散文(批評 ...5+*10-4-8
いつも()の中で笑っている君が- 瑠王自由詩8*10-4-5
桜並木- ことり ...短歌910-4-4
フィクション1- sh短歌4*10-4-1
レビュー_適切な世界の適切ならざる私_/_文月悠光さん- 露崎散文(批評 ...7*10-3-31
鳥かごのキリン- たもつ自由詩2510-3-29
疲れ- ぽこぽこ ...短歌4*10-3-29
(ほのかに腐った匂いにときめく根ナシ草が見るゆめ)- 佐藤真夏短歌6*10-3-28
- kauz ...自由詩12*10-3-27
嫌い- 朱印短歌110-3-26

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