すべてのおすすめ
ミツバチの午後 井坂洋子
恋人に会いにいくときは
緑樹の濃い反射がほしい
幾重にも層をつくる
日射しのプールの水面下
顔をあげると
ミツバチの唸りが耳もとをかすめる
肉体(からだ ....
血が流れた、青髭の家で、――屠殺場で、――円形競技場で。(「大洪水のあと」ランボー、宇佐美斉訳、『イリュミナシオン』所収)
文章には流れがあります。それは、時系列に沿ったストーリーの流れであ ....
ことし一番の冷え込みでした、と滑舌のわるい男が喋っている。昨日と明日の気温や服装について話つづける。雲が、保存のわるい油絵みたいにばりばりにひびわれてそこから橙色がのぞいていて、電気を点けていない ....
風が吹く。生きなくてはならない。
教会(という名前の映画館(という名前のゲストルーム))に
僕たち読者は座っていて、目の前のスクリーンに、
それぞれ違った夢を見る。
「それぞれ違う」こ ....
詩は言語を用いる作品であるが、その伝達においては概念的コミュニケーションよりはイメージコミュニケーションの果たす役割が大きい。もちろん、論理的に明快である詩もあるし、感情が明快に伝わってくる ....
ニコニコ動画を爆心(震源)地に、近年あれほど盛大に盛り上がった「IKZO=吉幾三=イクゾーMADムービー」に関して、いまだまともな批評が殆ど書かれていないことが気にかかる。
音楽の歴史は、ほと ....
もうすっかり書くべきこともなくなって、秋です。日向には夏の死骸みたいな光、日陰にははらはらした予感。眠たい身体を持ち上げると、それでもまだ風が通ります。
やっぱりわたしには時間というものがよくわ ....
ねむたい気持は目の奥らへんからやってきて、あたまをぼんやり後ろの方にひっぱるので、わたしはそのときちょっと上向きの、おかしな人でしょう。指や手もとに注目すると、近いのと遠いのがいっぺんにあるのです ....
仕事場のちかくにはおおきなイベント・ホールがあるので、駅からつづく大通り(コンクリートで整備された、大きな歩道橋、その上にばかばかしく華やかにちらばる噴水とか、見せびらかすような緑)は あ という ....
コンビニエンスストアで売っている、ひと口でたべられるゼリーは、ふたのビニールを開けるときにぜったいになかの汁がとびでてくるので、指がべとべとになってしまう。だから夫はそれを食べない。
夫のいない ....
泣きながら歩いた日はひもじくて、自分の体から精子の匂いがした。
似合わない色を着て、どうしてこんなところまで来てしまったんだろうって思っていた。
花は季節によっていろいろ違う。椿とかたんぽぽと ....
詩はなぜ「難しい」のだろうか。詩はなぜ「わからない」のだろうか。それは、「わかりやすい」文章が一義的であるのに対して、詩は多義的であるからだろう。解釈が一通りに容易に定まれば、何も難しいことはない。 ....
休日、タイ料理をたべて、よく晴れていたのでちいさなピクニックをした。コーヒーショップで買った飲みものとパウンド・ケーキ。さいきんできた、わたしのあたらしい友人は胸に青い薔薇を咲かせている。
公園 ....
では、ぼくの友人の話をします。名前を仮にNとしておきます。明るい、いいヤツでした。Nの実家は県境の山のすごく奥の方で、高校のときから市内に出てきてひとり暮らしをしていました。生物が好きで、生 ....
水でした。
わたしは息をしました。
水の中でした。
水の中でわたしは息をしました。
実際の話です。
あるいは、
想像上のはなしです。
息でした。
はじめに見たものは、無数の ....
(手前にいくほど新しい作品(…;)になる予定です。
* * *
2013/08/26 その2。
青い空。白い雲。緑の木かげ。
いい天気だ。
やっとやっと、
おれは ....
夜中、眠れないので散歩に出かけた。
とぼとぼ歩き、やがて近所のやや大きめな公園の方へ出た。
すると。
「んっ……」
目の前にあやしい地上絵があった。
「何を意味しているんだろう ....
わたしとカタツムリの初めての出会いは、わたしが幼稚園児のときだった。
ある日、仲良しのマミちゃんの家に遊びに行くと「なぁなぁ、いいものみせてあげる」と、ぎっしりと土の詰まった虫かごの前に連れ ....
文字や言葉にいつのまにか課せられている枷をはずしてあげると、詩になる。
生きるということの意味を考え、だんだんと自由になってゆくと、それが死であることとは、ちょっと似ているかもしれない。
....
今からちょうど5年前、2008年の4月20日に真美鳥というバンドが『ピラニア』というアルバムを発売していて、それをことあるごとにもうずっと聴き続けて いる。
別にゼロ年代の総評をしようっていうわけ ....
スープの用意をしていたら玉ねぎと一緒に人差し指の皮を剥いてしまった。
春らしい夜の冷えかた、風の強さ。彼にさいごに会ったのはもう半年以上まえで、そのあいだに会った男のこたちのことはよくわから ....
俺にも誰かと付き合うという機会はあるもので、大抵相手のその寝顔を見ながら夜を明かした。俺は眠れないことが多かった。
寝たいか。と、問われればイエス。
俺を殺せ。が、アンサー。 ....
さくらも雪柳もなんだってああもこぼれるように咲くんだろう。
かたわらでぼとぼと落ちている椿の鮮やかに腐れるさま。
きょうも海が見えている。花曇り、ぼうやりとした稜線。
手を閉じたり開いたりし ....
季節はどのこもきまぐれだから、ちょっと近づいてはため息を落として見えなくなってしまう。噴水の見えるベンチへ腰かけて見れば、滑稽な銅像のうえをすべっていく水たちのなめらかなさまよ。ほんとうはわたしは ....
詩集が書店にない。そんな嘆きをまた読んだ。それがいまの人びとの詩に対する無関心を証明するものだとは私は思わない。売る側にとって、ただ単純に、売りにくい。それだけのことなのだ。お店の構成としては、雑誌 ....
{引用=
ぼくはスケートリンクにとじ込められた
きみの日なた
日なただよ
アスパラガス「スケートリンク」より
}
詩人の書く言葉は
....
プロセスを無化させるためのプロセス
伊達風人とは同人誌「kader0d」(カデロート)を一緒に作った仲だ。伊達は無口な男だった。電話をしても余計なことは話さない。勢い私ばかりしゃべることに ....
小さなあまりにも小さな
小さなあまりにも小さな
ことにかまけて
昆虫針でとめられた一羽の蝶のように
僕は身動きひとつできない
僕のまわりを
すべては無声映画のように流れてゆく
....
■僕らが17歳だったころ
1971年。17歳の南沙織は「17歳」という、そのまんまやーん!な曲名をひっさげ、鮮烈なデビューをかざる。
そしてその18年後の1989年、同曲のカバーが森高 ....
木
木は黙っているから好きだ
木は歩いたり走ったりしないから好きだ
木は愛とか正義とかわめかないから好きだ
ほんとうにそうか
ほんとうにそうなのか
見る人が見たら
木は囁いて ....
ゴースト(無月野青馬)さんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト
(106)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
詩の構造について_詩と向き合う
-
葉leaf
散文(批評 ...
8
13-11-26
列挙する能力_詩と向き合う
-
葉leaf
散文(批評 ...
6
13-11-26
静かにしている
-
はるな
散文(批評 ...
3
13-11-14
多義性のデザイン(アスパラガスさん讃3)
-
渡邉建志
散文(批評 ...
6*
13-11-1
たなかあきみつ詩集『イナシュヴェ』について
-
葉leaf
散文(批評 ...
7
13-10-26
マカロニも無エ!
-
ツ
散文(批評 ...
2*
13-10-22
眠たいからだ
-
はるな
散文(批評 ...
2
13-9-14
91
-
はるな
散文(批評 ...
3
13-9-1
イベント・ホールのこと
-
はるな
散文(批評 ...
1
13-8-4
りんごのこと
-
はるな
散文(批評 ...
10
13-7-2
油と身体
-
はるな
散文(批評 ...
2
13-6-13
山田亮太詩集『ジャイアントフィールド』について
-
葉leaf
散文(批評 ...
9*
13-5-19
薔薇のこと2
-
はるな
散文(批評 ...
2
13-5-16
人魚
-
ホロウ・ ...
散文(批評 ...
4*
13-5-13
4/24
-
はるな
散文(批評 ...
5
13-4-29
(何かについて打った、何かをまとめるスペース)
-
(1+1 ...
散文(批評 ...
3*
13-4-28
夜の底
-
日雇いく ...
散文(批評 ...
2*
13-4-26
足の裏のカタツムリ
-
茜井こと ...
散文(批評 ...
2*
13-4-21
言葉ちゃんについて
-
はるな
散文(批評 ...
4
13-4-21
KARADAからでてくることば_~真美鳥のアルバム『ピラニア ...
-
さわ田マ ...
散文(批評 ...
2*
13-4-20
スープのこと
-
はるな
散文(批評 ...
1
13-4-11
隣で死んだように眠っていた横顔は
-
榊 慧
散文(批評 ...
2
13-4-9
眼科のこと
-
はるな
散文(批評 ...
6
13-3-30
家のこと
-
はるな
散文(批評 ...
2
13-3-7
書店に詩を
-
深水遊脚
散文(批評 ...
5*
13-2-15
静かに、なるべく静かに(アスパラガスさん讃1)
-
渡邉建志
散文(批評 ...
8*
12-12-16
伊達風人詩集『風の詩音』栞
-
葉leaf
散文(批評 ...
6
12-11-18
黒田三郎詩集_現代詩文庫を読む
-
葉leaf
散文(批評 ...
10*
12-11-13
しもつき七さんがオバさんになっても(HHM開催にあたって)
-
コーリャ
散文(批評 ...
20*
12-11-7
続続・田村隆一詩集_現代詩文庫を読む
-
葉leaf
散文(批評 ...
6*
12-10-26
1
2
3
4