すべてのおすすめ
いつの日かの憧れであった
本郷で道に迷った
しめしめと にたり顔で
坂道
のぼるとお稲荷さん
帰りたい
帰れない
僕の場所でない場所に ....
−計測−
重さではなく
距離を測りたい
大きさではなく
熱さを測りたい
姿ではなく
真意を測りたい
−引力−
ひかれあうのではなくひきあうの ....
風邪引いて
喉が痛いくらいの咳で
ふらふらしながら
煙草吸って
酒飲んで
関節も痛いや
みしりって音するや
壊れそうで
壊れないもんだな
けっこう丈夫にできてるもんだな
....
1
ビデオテープの町には
あの頃のままの
恋人がいて
老人は
画面に張り付き
色の雨粒を見ている
2
空と地面に一本の線が伸びる
その端っこを
紙コップにつなげて
い ....
この世界のどこかに
わたしにならなかったわたしがいて
やはり ひとりで歩いているなら
おそらく わたしは
声をかけることができないので
せめて すぐ前を歩いてゆく
少しで ....
国道にはいるまでの
大きなカーブを
みつばちにまたがって
オレンジ色の夕日を背に
はしる
ガソリンの匂いと
飛ばされるビニール
カラフルなベランダ
耳たぶでうなる
かぜのおと
....
きこえる
おはやし
耳もとで
雲に
跳ね返って
と〜ん とん
君の歌う
盆踊りのまねごとの歌が
なつかしくてなつかしくて
は〜よい よい
のこったしこりは
お ....
触れてしまうと
消えていくものがある
まなざしに耐えられず
溶けていくものがある
凍えるべきは
私の手だ
蔑むべきは
私の目だ
暗闇の中
独り 閉じ篭って
見据 ....
影と
影が
重なり合うので
夜でなくても
うずくまりながら
なにかしらの気配が
ぐるぐると周回する
忘れられたまま
中心もないのに
ライカ
私の声が聞こえますか
....
恋なんてものに
出会いそうになったら
それはもう
一目散に
逃げるしかない
だって
ひどいめに
遭うかもしれないよ
とにかく逃げて逃げて逃げて
見えなくなるところまで
....
遠くに行こう
と
あなたが言ったから
来てみたの
ずいぶん遠くに
でも遠くなんて
どこにもなくて
ここはどこでもない
雨の日の海に浮かぶぼくの部屋
星の意味に閉ざされたアンテナ
欲望から遠ざかれば遠ざかるほど
沈黙に占領されていく世界
未来は鳥肌たつように
真っ白だった
どうしてそうなのか
知らない ....
昼休みに
飛び出した君を
追いかけた僕
風が手の中でやわらかくて
あのまぶしさも
ゆっくりと体透けていった
そのまま僕らだけ残して
時が進めばよかったのに
聞きそびれた言葉
何度 ....
1
明後日の雲を見ながら
今日、雨が降らなければいいね、と
僕らは、手をつないでいたりして
傘を探そうともせずに
願ってばかりいたから
僕ら、から、ら、が逃げ出して
僕は、雨が降るこ ....
夜は、乾く、ので、ふらりと。
ここは、暖かいです
どこか、銀色の日々です
おだやかな、アラシが、ココにあります
やせたりは、しません
コトバがキンゾクのようです
ひとりごと、です
....
世界の外側は
ただのプラスチック
だから何も
心配することは
ないんだよ
光を浴びて
ミジンコが増えて
バクテリアが増えて
小さな魚も
小さなエビも
小さなタニシも
みんな笑 ....
海から見えるように
植えられたので
海岸沿いの山の中腹を何キロも
桜並木は続いている
去年は車の中から
弁当を食べながら観たけれど
いつか海の上から見たいね
ずーっと櫻色の帯になって
....
1
目の見えない私には
百科事典は
何の指針にもならない
漬物がよく漬かる重さだから
重宝しているんだ
それだけだよ
2
これはぼくのばいぶるなんだわからないことは ....
ビートルズの曲は
たいていタイトル部分しか
歌詞がわからなくて
あとはみんなホニャラ〜とごまかして歌う
これ日本の法則
で終わろうとしたテレビ側が
最後にインタビューしたのは
く ....
眠れない夜ってのは
色んなことをごちゃごちゃと
考えてしまっているからで
色んなことをごちゃごちゃと
考えないようにしようと
また考え始めてしまっているからで
眠っている朝ってのは
....
君の肩に
顔を押し付けて泣いた
夢の中で
夕暮れの城
ひかりは厚さを失いはじめひとりまたひとり
公園の砂場から友達がいなくなってゆく
やわらかな指の持ち主を伸びきった影が薙ぐ
夕暮れの城を築く今日の砂が水を失い
ひと葉の小枝を支 ....
花が咲きました
あなたに
そして
わたしに
その花びらは
透明なので
けして目で見ることは
できないけれど
こぼれる笑顔で
わかるのです
その花の
清らかさ
うつくしさ ....
ある晴れた日
手紙を出しに行くとポストは
「秋だなぁ」と
しみじみもらし
それから私に気づくと
真っ赤になって
照れていた
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