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白く清潔な四角に
閉じ込められる夜は

寝返りばかりうっている

シーツのまだ冷たい方へ
    まだ冷たい方へ

そうして考える
あの人の隣りにいた頃は
右向きに寝ていたんだっけ ....
掴み損ねた言葉の
微かな尻尾を追いかけて
自分の中の暗闇を
遠い目をして彷徨い歩く

赤いサンダルを履いた
今にも消え入りそうな
小さな誰かに手を振って

片道切符を握り締め
 ....
ノートの一番後ろのページに
言い表せない想いを小さく綴っては
どんな風に貴方に伝えようかと
やるせなく頬杖をついた


本当はこんな言葉なんて
グチャグチャに丸めてしまえば良かったんだ
 ....
                 090517


お茶碗を落っことす
がちゃんという音
鋭い破片が飛び散って
皮膚を破り
鮮血を散らす
のはずだったのに
を期待で ....
ちぎれた下着放り捨て
はだしで水と草を踏み
風は吹き、腕と腕ふれながら
セルジュ、きみと歩いていこう
…ぼくは還って来たのだから…
草そよぐ木陰の続くかぎり

きみとなら、森のざわめきも ....
人の耳にはピチピチなんて
明るい音ではねる鰯の水揚げ


にぎわう港から鰯そのものへ視線をうつせば
全身でわななく声が 流線形のまま突き刺さる


何万もの銀の鱗が震えている

 ....
彼女は言った。





この娘の唄って。



一聴するにうまく聴こえるかもしれないけど。

低音が雑ね。

最も悲しいことに

心が入ってないわ。




 ....
日を翳す気跡が崩れ去るように
季折を待ち焦がれる蕾の放熱を嗜めるように

はらりはらり、はらり

なづき忘らるる言霊の孤独を慰むように
三世を紡ぐ赤き糸にて夢の余韻を手繰るように

は ....
天地がひっくり変えるような出来事があった日も

バケツをひっくり返したように、とことん泣いた日も

小さな箱に閉じ込めてあった痛みが、

心を深紅に染めた日も

手首から血が流れた日も ....
本に読まれるな
本を読もう

服に着られるな
服を着よう

時間に追われるな
手玉に取ろう

難しい。できれば笑顔。目下の目標。
マシュマロ島がくるくるまわりながら
洗濯機の中身のようにまわりながら
汚れ落ちのように
溶けてゆくのです
ココアがだんだん白くなる

さっきベランダに来てちょっと鳴いて
行ってしまった鳥 ....
いかにも甘えた声で男を叱って
夜通し喘いでいた隣の部屋、
今は男が怒っている
机を叩いたり、ガラスか何かをがしゃんと言わせたりしながら
強い語気で呟くように何かを言っている、もう三時間もずっと ....
五月の夜が更ける
上限を過ぎた月が
丘々を 森を照らし
小さなこの庭を照らしている
ほの甘い空気の中には
すでに夏の気配が かすかになやましく
ひそやかに 息づいている

室内では 夜 ....
種類別名称 :お酒
商  品  名:水波一夏
原  材  料:米
内  容  量:500ml

格    言:酒は「粋」ではない。
注    意:お酒です。酔うらしいです。危険です。

 ....
たとえばあなたの
ことばひとつひとつが
あたしの細胞の
いちいちに染み込んで

思想からからだまで
みるみる変えていくことや

うまれて初めて
悲しみからでない溜息を
つくりだして ....
雨が降り続く夜を
遮ってしまおうと
戸袋から雨戸を引き出しかけて
ふと 手を止める

視界の端で
何かが咲いていた

雨戸とガラス戸の隙間
わずか2cmの
薄っぺらな空間の足元 ....
/
/かなしい/おしらせ/です/
/あなた/を/この/あたま/から/しょうきょ/し/ます/
/さようなら/おげんき/で/

青いにおいが鼻につく
遠くに見える海が白い光を生みだしている
 ....
心地よい浮力を感じながら
どこまでも流され続けようと覚悟する
その心意気だけで日々を過ごし
世界を変えようとしている

隠れたセオリーを白日の元へ引きずり出す
幸せに繋がる/がらない/のか ....
胸が つんと 詰まる
まるで涙をこらえているみたいに つんと
こぼれそうなこの思いは なんだろう

真っ白いシーツ 物干し竿でなびいている
舞い上がる 太陽を包みこむように
ひる ....
海に刺されたその日
雲は裏切り
風は行き過ぎた

生意気な
月が笑うた次の日
一緒になって笑う
星達が


  いい加減
  頭にきたので
  砂を
  生贄とした


 ....
投げかけてしまうのは
簡単なことだけど
それでおしまいじゃないって
みんな、知っている

自分の足で立つことが
どれだけ大切かなんて
色んな人が色んな言葉で
語ってきたこと

それ ....
夕暮れ時 彼岸花を片手に
黒髪が風になびいて
目を見据え
「何処にも行かないで下さい」
と鳴いた。。。。 。
ちょっとだけ、わかったかもしれない。

「頑張れ」「頑張ってね」と言われると苦しい。
認めてもらえてない気がして。エゴだよなあって思うけど。


「一緒にがんばろう」
言われて軽くなった ....
誰か私に呼びかけてください

はりぼての海から
髪ふり乱し人魚が突き破って
来るように突然

きれいなレモンが何万個も
緑の丘を転がってゆくので
丘が動いているように見える
そんなふ ....
上がる気温
冷たい飲み物
紫外線
日焼け止め

イタチゴッコの
夏近し
お昼休みにメールをチェック
件名:「虹が出てるよ!」
本文は、ない

数時間前のメールだから
虹はとっくに消えている
でもね
見えた
見えた気がしたよ

夜、帰りの電車でメールをチ ....
駅東端の改札を抜け昔ながらの踏切を渡ると
南口商店街の低い軒先を飛び交うツバメ達に出逢った

桜は散ったばかりだと思ってたのに
あっという間に日傘手放せない季節となってしまったんだよね

 ....
「明日の予定は?」
という
金曜日の夜の口癖は
もしかしたら
生涯無くならないかもしれない
あなたがわたしより
先に死なないかぎり


専業主婦だって
毎日遊んでいるように見えて
 ....
連休後の朝、
ちょっとお疲れ気味。

そんな時に限ってゴミの日で、
分別作業に気が遠くなった。

目玉焼きが半熟にならなかった時は、
朝食作りを放棄したくなった。

いつもできていた ....
イトしくて
カナしくて
仕方ないから

わたしは「夢」を視る

捉えどころのない
その想いを
苦い香の紅茶で飲み干して

白と黒の兎を
透明な「夢」
染まらない世界で追う

 ....
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