黒ずんだ木の床にそっと頬をよせる
インクと機械油の匂いが染みついた床は
使いこまれた年月を
なめらかな感触でつたえてくる
古い印刷工場をリノベーションしたと
誰かが言ってたっけ
そ ....
てすとテストてすとテストてすとテストてすとテスト
永遠に並ぶ文字
学生に課せられた退屈な文字
国語数学英語理科社会
真面目ニ勉強シテ良イ点数ヲトリマセウ
教室に響く先 ....
あいつのせいで
食事が楽しくない
箸の持ち方が変だと笑われ
ペチャペチャ音すると笑われ
ほっぺの米粒を見つけると
「麻痺してんの、お宅の顔。」
みんなの前で馬鹿にさ ....
息が凍りつく
順番が回ってくる
もうすぐ
目の前で走る
彼女の姿を見やるが
自分の番がきたら
もう一度
深呼吸をする
私はただ楽しくて
誰よりも速く
過ぎ去っていく光景を
知 ....
彼が
どんなに
鈍感でも
業を
煮やして
諦めてはいけません
彼が
どんなに ....
庭の中では
わたしは園丁です
剪定ばさみ片手に
いろいろ切り詰めてまわります
あおあおとした小枝
みずみずしい若葉
手を入れるべき季節というものはありますが
どれも好きなだけ伸びても ....
{引用=
おまえの気まぐれさは 朝霧のようなもの
昼がくれば晴れて 夜がくれば澄み渡る
古代ローマの少年王ほど 傲慢ではないが
猫なんて 可愛いらしい無邪気さでもない
濡れた衣服を ....
内から歩いた昌平橋は
橋の欄干鉄骨造
頑固に昭和を語っているが
通る者皆急ぎ足
君に会いたい訳でなく
季節外れの花粉症
マスクの中から見る川面
鯉が悠々縄張り確認
外から歩いた ....
その手を離さないで
今の僕は放たれて
たちまち空に
吸い込まれてゆく風船で
空の奥のそのまた奥
何もない空間を漂って
あなたの知らない街に
あなたの知らない姿で
降りて ....
思考の中の四次元空間
風と雨の中に
滲んだ映像の竜が
思考の中心から紡ぎ出される。
雲間に光る胴体は
蛇のようにくねり青色で
雨に塗れた鱗は
鈍い光を一枚一枚が放ち
珠玉を掴む前足 ....
「花火」
行列を作って
並んだあの時
僕と君は
話をしながら
とろとろと進む列の
後をついていった。
僕は君に相槌を打ちながら
とろとろと進む速度に
正直イライラしていて
....
水は雨になって大地を潤し
渓流は楽器になって
疲れたこころを癒します
渇いたら喉を潤しましょう
水は命の火を絶やしません
水を大切にしましょう
隙間があ ....
{引用=
海をぬけると…
ここは、違う国
この世界に一つだけ、二人だけの
バレンタイン・デー
今年はどうしますか、
きみの気持ちは かわっていませんか、
それならば、飛び切りの
....
もうすぐ
何も書けなくなるかもしれない
春の暁を迎えることもなく
散っていく
桜の木の下で眠る
モンシロチョウの卵のように
冬に埋もれて
全てを白灰に戻し
あなたのことを忘れ
{ルビ ....
{引用=
ごらんよ、僕たちの家が燃えている
帰る場所を失くした孤児は、何処へ向かうのだろうね
・
顔をあげて 僕の最後の一滴まで飲み干して
ゆるやかに 死に絶えてゆく世界で
胎児の ....
おめでとう
ついになりたい自分に
変わる事ができたんだってね
いろいろ大変だったんじゃない
がんばって がんばって
栄光をつかんだってわけ
家族の中の地位も
....
いっそのこと泣きくずれてしまいたい
切にねがった 冬の夜
凍りついた感情をさらけだせず
夜風に旅立っていくのはいつだって
かりそめのわたし
一面の雪に埋まってしまった
ぬく ....
言い訳のように
日は昇り
言い訳のように
日が沈む
言いたいことがあった
その日は
もうここにない
ここにはない
言い訳ばかりが
空と海の隙間
地平線で
まだ ....
恋人よ
その手のひらでジェット気流に逆らって飛べ
付加逆性の権化である時間を
乗り越える唯ひとつの方法
苦しみも悲しみも
スピードには敵わず
振り落されていく
まぶしい太陽が頭上に ....
{引用=
春を待つ少女の さくら色の唇
それは いとおしく やさしげなもの
懸命ではあるが 滅茶苦茶な その色香を愛しては
氾濫する 崩壊する 享楽の轟きを聞くのは
彼らではない 彼女たち自 ....
硬い
石の群れに
たまに
私も呼吸を忘れる
人肌の
暖かさも
しばらく
思い出していない
交わるようで
交わりきらないのは
きっと
全てのことに当てはまるようで
母の胎 ....
小学生の頃
うちのネズミ捕りにかかった
一匹の親ネズミを
母親は
バケツに水をためて
ネズミ捕りごと沈めた
....
孤独を研いで研いで研いで研ぎ澄まして
誰一人いなくなってから僕は
ヨーロッパへ向かう飛行機に乗る
後に思い残すことはもう、ない
まぶたの裏に懐かしいバラハス空港を思い描く
地下鉄に乗って ....
冷えたワインを片手に
盗んだ車で
湾岸線をドライブ
ぼくときみは
ボニーとクライドを気取って
飲み下すワインが
弾けるようなスピード感が
心地よく
ぼくを酔わせる
....
{引用=
おまえは死への憧憬もないまま 籠を抜け出して
まだ春も遠い 凍える大地へと羽ばたいていった
空高く飛翔することも出来ない そのか弱い翼で
導きの手もないまま 朽ち果てる身体は
誰に ....
もういやだと
四角い部屋に立てこもる
キュービックは
「{ルビ一=いち}」を培養するためのシャーレ
多数決って
何?
マイノリティの
さえずりが
連なる
マイナーリーグに
伝わ ....
翔けだした
雷鳥さえも追いつきはしない
億年の過ぎ去った
海峡の、氷河の流れに
止められない想いを抱きしめては、
巨きな犬の背にまたがり
髪をふりみだし
人のすがたなどでなく
....
「スカッとしたい!」
ただそれだけのこと
年上同僚と上司からの絶え間ない
ツートップなセクハラ発言
尻はなでくりまわされ
後輩はクレームばかり持ち帰るから
年々増えていくお ....
{引用=
敷居を跨いで 声高に罵ってくれ
トゥーレを歌いながら 首を絞めてくれ
あらゆる支配で 心を埋め尽くしてくれ
//
最初は澄んでいたことも知っているくせに
どうして人は醜さから目を ....
能開セミナーで
綺麗なお姉さんが
額に手をかざしてくれた
あたたかな波動
とてもいい気持ち
突然
MCのおっさんがたおれ
獣の声でうめきだした
お姉さん
カメハメ波のポーズで
....
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