すべてのおすすめ
思い出そうとして、思い出せないまま
思い出せないことを、思っている
みんなキレイで、神様みたいで、
キレイだってだけで、みんな神様みたいにきれいだ
季節が変わる/ハンドクラッピング ....
蝋燭の火で煙草に火をつけた。その蝋燭には赤い薔薇と黄色や青の花が散りばめられ、それらの花々の茎や枝は金色だった。母親の一人を弔うために、小さな町の教会で買い求めたものだ。教会の中庭には薔薇のアーチをく ....
こいびとは
ずっと
眠っている
こころを
腫らしながら
そこには
あらしのような
晴れ間が
ある
そこにだれがいけるの?
ずっと ひとが いない
彼女たちが
つよく ....
耳の奥で変わらずに響く、あの頃の歌。
身の丈に合わないローンを組んで買ったギター
必死にバイトして、自慢の相棒を抱えては
毎晩のように街に出て歌ってた
耳の奥で変わらずに響く、あの頃の歌。
....
前職を辞めた理由はって面接で問われてもねえ
誰もが正直に答えられるのだろうか
いやらしい上司にセクハラされたからとか
お局様に村八分されましたとか
かくかくしかじかで辞めましたなんて言える ....
さようならをするでしょうね
明日のことがわからない
おはようございますと言うでしょうね
昨日のことがおもいだせない
血が
よろこんで
泣くから
肋骨に
光を
あてろ
酸素を
....
100211
弾かれた音速の脅威を
忘れたかのように
滑走路から飛び立つのが
習慣となった
石油が無いから
空気を燃料にして
今日は ....
階段を降りて
坂道を下ったら
ともだちがきえていた
目の前を
横切る電車に
乗っていったのだった
老夫婦が手をつないで
それを見ながら
歩いていた
Aを語るB
Bを語るC
Cを語 ....
「スカッとしたい!」
ただそれだけのこと
年上同僚と上司からの絶え間ない
ツートップなセクハラ発言
尻はなでくりまわされ
後輩はクレームばかり持ち帰るから
年々増えていくお ....
ひとりでもつづけよう
体温になついている匂い
いま/きみ/とりどりのきみどりのなか
閉じているきみの内側が
きみだけのものにならないでほしい
黙っ/たままのミルク ....
1 ピアノ
誰もいない地平で
黒いこども達が踊っている
輪になって
誰もいない地平で
黒いこども達が歌っている
よその国の歌を
どこに置き忘れたのか ....
キィィィィ ンンン
鳴っている
塾帰りの娘を迎えに来て
路肩に車を止めてエンジンを切る
ガラス1枚隔てられただけで
街のノイズは膜を張られ
夜の静寂が濃くなるから
ィィィィィ ....
彼女は
丘の上に
住んでいて
彼女の家のまわりには
花がたくさん
咲いている
冬も
夏も
秋も
春も
彼女は
そこに座っている
おはなばたけ
とても
きれいで
おはなばた ....
{引用=
赤くて甘い熟れた先端よりも白くて硬くてすっぱいお尻を
齧ったときのほうがずっと春に近づけるんだってさ。
朝から晩までへたのまわりに齧りついたのに、今日の天気は雪です。
舌がただれて痛 ....
厚い一枚板のカウンターに2杯目のカクテルが運ばれてくる。
君はウエイターに軽く会釈すると、すぐグラスに口をつけた。
鮮やかなライムグリーンのカクテル。グラスのふちについた唇
のグロスの跡を ....
奇数行:萌木 碧水
偶数行:奥主 榮
するり とすぎた
形がないまま ふわりと
いま なにが流れたの
....
放課後の訓練室で
暇をつぶしていた僕たちを
待ち受けていたものは
熱放射だった
侮ってはいけない
強い熱は人を焦がす
ほら、僕の腕にはシミがついている
※
なす術もなく暮れなず ....
100128
台風の日は
窓を全開にしてください
窓があると
空気抵抗が増して
壁が潰されてしまいます
強烈な風に
窓から窓へと
通 ....
夜の冷たいベランダに出て、丸い月を眺
める。誰にも云えぬ悩みを白い吐息で呟
けば、胸底の容器に濁り積もった毒の塊
が、少しずつ、少しずつ、蒸発し、夜の
静寂に吸い込まれ、いくぶんか、胸の重
....
お嬢さん、ハンカチ落としませんでしたか
なんか懐かしいよね
それから腕時計しているくせに
いま何時?とちゃっかり左手首隠しつつ尋ねてみれば
そうねだいだいね♪
あの頃のあなた ....
台風の季節は
内川の水かさが増えて
びゅんびゅん橋が流されていく
毎年流されていく
助手席に深く座って
国道11号線のヘッドライトを目で追う
期待や倦怠で満ちた車内を
MJQ ....
豊洲から有明へ
ゆりかもめ沿いに
豊洲駅を東へ歩く
すぐに現れるガス資料館を抜けると
広大な空き地が広がる
新開地とはこんな
空っぽの場所を指すのだろうか
遠景は遠すぎるが故 ....
泣いてしまったから
終電 途中下車したよね
大切な人だから わたし
あなた 無茶なんかしない
....
この土地にくらして/わたしは深く息をする
なびかない風の日も/灰色の冬もあった
草の使命とはなんだろう/道の記憶はどこだろう
この土地にくらして/わたしの炎がはし ....
ちぇっ!
右肩に強い衝撃を感じたと思ったら
見知らぬ男のひとの舌打ちが耳奥にまで突き刺さる
ちぇって言われてもね
いつもと変わらぬおっちょこちょいだから
うっかり階段踏み外して捻 ....
+
花が散るころにわたしは女でした。女になってしまい、
鉄鉢の中の百枚の花びらが
蝶のように羽ばたき、遠ざかるのを眺めた
+
花びらのひとひらを虫ピンで留め ....
地平線がかぎざぎに囲われた東京を
中央線のガラス窓からのぞいて
ビルたちの壁面は薄黄緑に光る
水の色をしたいろんな影が長くのびて
フラットな装置のように空が広がる
鳥の群れがばらまかれ
ペ ....
一面に垂れこめる月から
頬笑んだ顔が落ちてきて
ここには
僕をつなぎとめるものなんかない
つぎの船を渡って
みんなみんな行ってしまうよ
指をからませながら
だけど母さん
僕に世界をくれ ....
セックスがまだ下手糞だったころの話をしようか。
学校帰りには毎日本屋に寄って
ゲーム週刊誌から現代小説まで立ち読みした。
田舎だったあの町には
本屋くらいしか暇を潰す場所がなかった。
町 ....
気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ
夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを
縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
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