俺は莫迦話をしたい
とても大変な時期に莫迦話をしたい
とにかく莫迦話をしたい
切迫感の中で莫迦話をしたい
どんなに偉そうなことを言っても自分のことしか話せない人と莫迦話をしたい
他人のこ ....
110709
牛10頭分のすじ肉求む
血を抜かれ吊り下げられた解体中の牛の姿に
無罪判決を聞く検察官の寂しさを重ねてはなりません
頼りのお父様も定年 ....
110701
ありふれた放射性同位元素を探し
地球を三周くらいした後に
原始人の顔をした博士が暖簾を潜って入ってきたときに
味噌ラーメンを啜ってい ....
さっき
セックスをしながら
メールをうってて
いきそうに
なったときに
「イク」
と
送信
して
しまった
ことが
ある人とは
心
を
ひらいて
話しを
しても
いー ....
{引用=
またいつもの
自転車にのって
ぼくがむかっていた
先とは
どこだろう
でも
いまは
どこだろうがかまわないおもいでいっぱいなのは
はたして
ど ....
朝の訪れるたび
切り離されたからだを思う
昨日との交信が途絶えて
寄る辺ない
なまぬるい風に
輪郭を確かめる
季節がしみこんでくるのと
季節に染み出していくのが似ている ....
青
車は停まり
人は進む
車は停まって
足は歩いて
手はそよいで
目は泳いで
思考は羽根をつける
時計を読み流して
ショーウィンドーを見過ごして
雑踏の中で溺れかけ ....
泣く女
泣く女は階段の下で
セーターを編んでいる
赤い毛糸と緑の毛糸で
哀れな女
シンデレラは靴の片方をなくした
シンデレラは靴の片方を探している
シンデレラは義足の片足 ....
大きな右腕のはさみを振り上げながら
あちこちで何かを話し合っている
静かな潮騒になら負けないくらい
その小さな声は辺り一面に満ちている
プチプチと話すのは毎日の事
今日はいい天気ですね
....
この、おはなしは、おはなしでは、ありません、という
ことを、{取消=まづ、ず?すにてんてんかな?}
宣言しておくひつようを感じ増す。
かくりつ
「つにてんてん」 2% ....
窓のむこうから
こちらを見ている
あの日とおなじ
空がまだ
そこにはあるんだろう
雨が降っている
あなたは雨を
まだ知ってるでしょう
セピア色の
窓のむこうに ....
かつてランボオという名であった
その喫茶店は、真昼も
赤煉瓦の壁に、洋燈を吊るし
仄かな灯を、ともしている
在りし日の作家が
夭折した友と懐かしい時を過ごした店の前で
あ ....
うつくしい季節です
赤い花は風に千々に、
報われないとか
叶わないとか
そんな怨み言とはかかわりなく
身を任せてゆきます
昼下がり、ぼくは自ずから
人並みに戦々
立ち向 ....
窓を開けて欲しい、と男は言った
壁しかない部屋だった
窓を開けた、とわたしは嘘をついた
男は両手を広げると
嘘の窓から青空へと飛び去った
ひとり残され
部屋を丁寧に折りたたみ
....
夕暮れ中央道にのり込んだ
明滅するテールランプが湿度ににじんで美しい
すべての初めては心を激しく呼んでくる
生きている
くるしいし高ぶるし泣きたくて笑いたい
センテンス
台 ....
ピラミッドみたいな形の倒立を 目を皿にして隈なくみてる
血まみれの夕焼けぜんぶ呑み込んで(みない、いわない、きかない、しらない)
帰ろうとしている影が剥がされて/いつまでも帰ろうとしている ....
真夜中に飛ばす
しゃぼんだま
闇夜に透けてゆらめく
触れてはだめ
われてしまうから
そっとみつめる
そっと飛ばす
唇に力こめないよに
泣いてしまわないように
ふう っと
....
owl city
という なまえの まちを
oil まみれ にしたら
そこから
killing が うまれ
かれ は はしる
平行線 の
となりを はしる
スピードを あげるのは
....
最近、古月さんに樋口由紀子さんという方の川柳の本を教えていただき、すごいのでびっくりして、川柳のことをちょっと学びました。古月さんの書かれた「【批評祭参加作品】ひろげた本のかたち(佐藤みさ子)」htt ....
ふりむけば
母がいる
ふりむかなくても
父がいる
はずだった
およぎ続けなければ
死んでしまう
魚のように
生きている
けれどもぼくは
人間だから
時々
息 ....
100622
反応が余計だと思うのだ
現象とか起源とかに束縛されて
ピチカカと今日も疲れている
一日歩き回ったあげく
上司から小言を食らい
....
15の時 演劇をやりたかった
が 部の雰囲気が悪く
音楽系の文化部に入った
戯曲”ロミオとジュリエット”に
あこがれていたから
その希望のままに
今も あたしは
生きている気 ....
疾走する赤き車
似つかわしくない車
それでも
気にならなくなった
麻痺したのだ
新産業道路から
尾久橋通りへ
さらに環状七号線へ
夜の四車線道路をとばす
その恍惚感
月の光 ....
真っ白だったところに
思い出はときおり順番もなく
まるで誰かの落書きのように在る
それはたしかに自分が経験したことや
自分が学んだものであるはずなのに
忘れてしまいたいことほど鮮明で
忘れ ....
えっ、ここなの?
翔太さんに背中押されるようにくぐった暖簾
彼とはじめてのデートだしお洒落なイタ飯屋さん期待してたのに
お母さん、ただいま!
彼の挨拶に笑顔で答える和服姿の女将さん ....
エメラルドグリーンの夜なまぬるい風がふたりを近付けている
陽炎を蝉が叫んで揺らめかす 入道雲が乗せてきた夏
わわわわと とおく、ちかくで鳴くかえる まっくらやみでわたしいまどこ
....
桜に混じって散り始めた朝も
川面を滑る鴨たちの口ばしも
濁さないほどそっと静かに
重ねた手のひらからさらさらと
留まることなくこぼれて落ちる
喉元がとくとくと同じリズムを刻む
指の ....
四つ角に生まれた風が
光になって踊っていました
六月の紺碧 空の下
オークの木のどの枝たちも みな夏に呼応して
新緑に色づく
私は、これが最後だと思うのに
あなたは、いつも明日を口にす ....
煩わしさと恋しさの狭間を
書きたかったのに
無骨な指は気がつくと
穢い言葉を叩き出していた
気ままさと淋しさの狭間を
言いたかったのに
愚鈍な唇は気がつくと
哀しい言葉を吐きだしていた
交差点と ....
「こんにゃくゼリーの会 発足!」
ある日突然
それはひとつのテロ、いや革命だった
「老人と子供にはあげません」
と貼紙をして
こんにゃくゼリーたちが檻の中に閉じ籠ってしまったのだ
....
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