すべてのおすすめ
ふれると
消えてしまうものばかり
見てきました
ふれる
ということは
案外
傷つけることかもしれないと
知ってしまってから
ただ
見ていることしか
できなくなっていま ....
090107
くるりくるりと
繰り返される
怖いことを
だぼ鯊の眼で
見つめていると
潮が満ちてきて
平らになって
異国の地は
遠くなって
山からの風が
....
カスタードクリームのにおいがする病室には
男の医者は来ない
女医と看護婦だけが少女たちを看に来る
いつもの’エマージェンシー’には甘い治療が必要
鮮やかなジェリービーンズの色彩で目 ....
雑踏ならば天使みたいな昼間のキミのキス
は磁石みたいでこわい
最悪感でひろがるのに
何度もやめたくなくてくりかえす
後ろの座席で友達がねてるのに
寝てないフリをしている
たぶん
たぶ ....
ビニイルの中から
米をとる
まだ少し
土のついた米に
虫が寄り添う
カップにゆっくりとり
一杯ずつをかみしめ
炊飯器がそれを食らう
そうして
ぼくの部屋は青くなる
静かにとぐ ....
{引用=
この宇宙は
はたして優しい場所だろうか
}
アインシュタイン、
僕はこの質問に
何と答えればよいのだろう
幸せだと呟くたびに誰かを傷つけていて
何 ....
090105
九官鳥を起こしてから
夜具をたたむ
昨夜、飲み過ぎてしまい
エスカレーターで蹌踉けて
危なく転落するところだった
すぐうしろの ....
テールランプが
アスファルトを赤く染める
夜がこんなにも深く深く
街を飲み込んでいく
手を伸ばしても
きっと届かない
あなたの手のひらは
今は誰の手を温めているの?
....
いつのまにか知り合って
いつのまにか朝を迎えていた
という状態は
どこか戦後に似てないだろうか
男と女
侵略するものとされるもの
その分け隔たれた
存在であるというだけで
戦 ....
最近の若い人たちは見境がない気がします
電車の中で糠床をかき回し始めたり
薄型テレビを漬物石の代わりに使ったりして
私が子供の頃にはそんな人はいませんでしたよ
昔は糠で作られた長屋にいくつもの ....
残った!残った!
言葉が残った!
この消費することされることに慣れっこの世界で
言葉が残った!力強く残った!踏ん張った!
これぞ大横綱! 言葉の海〜!!
人の心は序二段だ
絶えず打ちのめさ ....
081229
面白い
心の缶詰
煮て過ごす
口直しの
通り雨
北から南へ
蹌踉けてる
巫山戯たヤツだと
猫イラズ
銀の鉱山
お金 ....
ひとりになるということは
土手の芝生に埋もれながら
日に照らされて喜んでいる
ひとつの石になることです
毎日 自分が最低な人間だって確認するためにパチンコにいく
何かにすがるような思いでバックに詩集を入れて持ち歩く
喫茶店の前で立ち止まるけど中には入れない
友達がひとり去って
またひとり去 ....
そして去年
飯島愛の上にも雪が降り
今年
小菅刑務所にも雪は積もり
来年も再来年も
ブロック塀のうえで裸足をぶらぶらしてるみなし子の上に
毛布の無い家の壊れた屋根に
....
やさしい人がいる
生きることのつらさがわかるから
察してくれて
会ってくれる人がいる
めそめそと
泣いてしまうかもしれない
その人の前で
ほんとうは泣きたいのに
つよい男のふ ....
夜空を見上げていたんだ
真っ黒な夜だよ
幾千の明かりが灯った
クリスマスツリーの上
巨大なビルとビルの間の
ちっぽけで 真っ黒な夜空だ
星が一つだけ瞬いていた
明るい星だ
....
「死んでしまいたい」が口癖な君に
「生きていれば良いことあるよ」
と言いかけて言い切ることができなかった
それを時代のせいにしたところで何になるのだろう
夢とか希望を持ち難いこんなとき ....
081218
古道具店に立ち寄ってみたら
昭和初期のラジオがあって
古民具のような顔をして
お雛様を見つめてた
並四ラジオを探す
メーカーものは
マ ....
先輩の女性職員が
傘も差さずに
雨の中、楽しげな小走りで
施設の入口に入っていった
来春寿退社する先輩は
そうして幸せの入口へ
姿を消してゆくだろう
僕がまだ2年目 ....
忘れてください
と、口にした時から忘れられなくなる
ふいにこぼした言葉も
思いつめた頬の感じも
忘れてください
忘れたものは戻ってこないと知っている
ある日ふとまざまざと
風に揺 ....
気づいたときには
あたしの体は
小さい傷で溢れかえっていた
顔のかさぶた
剥けた唇
腕の切り傷
胸元のできもの
指先の逆剥け
へその横の湿疹
太もものかぶれ
膝の擦り傷
ふく ....
小学校に行ったよ
山奥の
廃校になった
なにもかも小さくて
洗面台なんかほんと低くて
でも何でも揃ってて
まだ、ひとの気配がした
あんまり陽あたりがよくて
運動場も広いから
....
グラマラスバタフライ
僕を狂わす炎
美しい人よ
その魅惑的な瞳で
僕を誘惑しておくれ
今宵僕らは二匹の蝶となって
真夜中へと堕ちて行く
二人の体は絡み合ったまま
二度と離れられ ....
081214
今日もよく晴れている
年末不況の寒さも増して
侍といえども無役の身
30俵二人扶持の昔を偲び
忸怩たる思いを胸に
内職の傘貼り、だるま貼り ....
神さまからひとつだけ願いを叶えてあげる
と言われたので
幸せになりたいとお願いしてみた
神さまはふむふむと頷いて
では、早速明日から叶えてあげよう
と言ってくれた
期待に胸膨ら ....
もしも、もしも、
お前がこれ以上「もしも」と言ったなら
俺はお前をぶっ飛ばすだろう
お前のもしもにはもううんざりだ
お前のもしもには夢があるようで夢がない
お前のもしもは全部過去についてのも ....
紅茶がぬるくて砂糖が溶けない
ぬるいままで わたしたち
ふわり ふわり
あなたのポケットで密航したら
見ちゃいけないもの
見えちゃったのよ
ふわり ふわり
....
心を投げた
思いっきり投げた
何度も何度も
あの人めがけて
投げ付けた
ぶつかり砕けた心の
小さく泣いてる破片まで
あの人は
ひとつ残らず拾ってくれて
まあるく丸 ....
十くらいはなれた
妹に
よく似た娘に
やさしくしてしまう
やさしくした後で
そのうかれた顔は何だと
誰かに言われたわけではないけれど
きっと僕は
そんな顔をしてる
もっ ....
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