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厚い一枚板のカウンターに2杯目のカクテルが運ばれてくる。   
君はウエイターに軽く会釈すると、すぐグラスに口をつけた。
鮮やかなライムグリーンのカクテル。グラスのふちについた唇
のグロスの跡を .... 
それは黒い鍵爪だった
重く垂れた空からスッと湿った宙を引っ掻いては
狡猾に隠れる
くり返される蹂躙
積乱雲はメデュ―サの含み笑いの唇をふちどり
うすく開いた
生々しいクレバスを曝け .... 
電話のあなたの声がしゅるしゅるとしぼんでゆく
タイムリミットは15分
「ウルトラマンのカラータイマーみたいね」
3分の5倍あると思っても
沈んでいくあなたを掬いあげられないまま
電話 .... 
すっかり生ぬるくなったビールの向こうに
睡蓮の花が物憂げな顔で座っている
白い陶器の肌が青ざめて
透き通った光沢を放っている
その清楚な肌に触れることを許した
借金まみれの男の手が離れそ .... 
トリコロールカラーを織り混ぜた不協和音が
螺旋状に響く午前2時
F♯dimとB♭7がクロスした地点に
ジンジャーエールを凍らせたような結晶が生まれる
そう、今わたしの左の腰に小さな氷山が突き出 .... 
