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どうしておしりあるの
だっておしりなかったら
うんちでないでしょ

どうしておっぱいあるの
だっておっぱいなかったら
のめれないでしょ

どうしてはなあるの
だってはななかった ....
 
かくしごとなんて
はじめからなかったはずなのに
生きてると
知られたくないことの
ひとつやふたつあるものでした

できることなら
椅子に生まれて
何も思わずにただ生きて
人を支 ....
 
下校中
ぼくは君の背中ばかり
見ていた気がする

とても小さな水が
生まれる場所をめざして
いつもの帰り道は澄みわたりながら
永遠みたいに流れていた

君の背中はとても自由に見 ....
 
僕らは
指定席とよばれる
ひとりずつ与えられた席にすわって
ときには時速三百キロメートルを超える
レースドライバーのように
ふと孤独の恐怖に気づいたかと思えば
またすぐに慣れてしまっ ....
 
白い書物の中で
あなたとはじめて会った
数千年の時を経て
変わらない声と声が
光に影を差して立ってる
向き合いながら
照れくさそうな文字になって

たとえば
あなたが好きですは ....
 
満月が
おおきくくちを開けて
新月になる
夜空をひとつ
噛み終えるまで

いくつもの時を食べつくし
それでもなお
夜はおとずれる

無数の星は彼らの目だ
今日もどこかで
 ....
 
幸せなときに限って
幸せを知らない
河原のベンチに座りながら
そんな時が誰にでもあるように
思うことがあった

ベンチに座ると
夏の虫が僕のまわりで
いっせいに鳴きはじめるものだ ....
 
故郷での暮らしは
けっして貧しいものではなかった

手に入るものは手に入り
手に入らないものは手に入らない
ただそれだけだった

小さな都会で暮らして
もう二十年になるけれど
 ....
 
恋文を書いたつもりでした
まったく何年ぶりなのでしょう
こんな気持ちは
なんども破り捨てようと思いましたが
結局そうすることもできずに
他の誰にもわからないように書きました
あなた以 ....
 
ひとり遊びしてると
きゅうに孤独を感じることがある
ひとり遊び
という言葉を知らなくても
たしかに僕は孤独だった

夜遅くに
父さんが帰ってくる
忙しくて食べられなかった
と言 ....
 
そういえば
結婚式しなかったね
ときどき妻が言う
僕は聴こえないふりをする

本当に
妻がそう言ったのか
確証のないまま過ぎてしまう
日々の幻聴のように

出会ってから
十 ....
 
雑音が聞こえる
鞄の中から
聞こえる声を聞きながら
母は呆けた

雑音が聞こえなければ
昔のような
声で母は話した

鞄の中から
雑音が聞こえると
途端に母は
声を濁らせ ....
 
駅のホームで
乗り換えの汽車を待つ
少し味の濃い
月見そばを食べながら

かけそばにしようと思って
左ポケットを探したら
小銭が思ったより入ってたので

長い線路を
そばのよ ....
 
本家にはいつも
猫がいた
本家とよばれる所には
いつだって
猫がいるのだった

お盆とお正月に
本家に帰ると
やはり猫がいた
けれどもその猫は
おなじ猫ではなかった

お ....
 
父さんと
楽天の試合を見にいった
けれども本当は
野球よりも球場を一周する
小さな汽車に乗りたかったから
父さんは入場券をポケットにしまって
試合が終わるまで
何度も何度も汽車に乗 ....
 
子供の頃
日曜日になると
隣町まで習字の塾へ行った

習字よりも
塾をさぼって
町の本屋で立ち読みしたり
ゲームセンターでゲームしたり
そんな思い出ばかりが残ってる

ある日 ....
 
風呂の戸を開けると
いつかの僕が
髪を洗ってる

背中を洗ってあげると
ありがとう
そう言って
妻がしてくれてると思ってる

湯船には
いつかの祖母が入ってる
髪を洗う僕に ....
 
庭の土を見てる
花ではなく土を
理由もわからずに

そこに横たわる
土の言葉で
言葉などなかったように
懐かしく対話する

知らない時を生きた
土の中に
句読点をさがしたら ....
 
孤独の森に迷いこんだなら
出口を見つけることは
容易ではなかった

孤独の森を
歩き続けることは
苦痛でも
それは森のせいではなかった

森は伐採され
孤独は終わりのない
 ....
 
はじめて
家族旅行に行った
夜の宿で
そこは二楽荘というんだけれども
楽しいことは
一つや二つどころではなく
三つも四つも
心配など
なにもなかったから
いくらでも夢中にはしゃ ....
 
小高い
線路を走る電車から
同じ色ばかりの
屋根を見てる

同じ色の屋根の
あの色の
屋根の下で家族たちに
いったい何が
あったのだろう
と、思うと
もう次の駅に着いてる
 ....
 
鏡にうつる
自分を見てる
ありもしない
本を読んで

ふすまが
開く音がして
慌てて
本を閉じる

それでも
気づくことなく
人は次の
ふすまから出ていく

少し
 ....
 
冬でもアイスが
買えるようになってから
妹がいる

冬でも愛した
恋人と暮らしてから
それでもまだ
妹がいる

冬にアイスを食べた後
当たりなのか
つい
確かめてしまうよ ....
 
掌の草原はしる僕がいる

生命線地平線のむこう側

夕暮れを切った爪が伸びている

風が吹く隙間を通る指と指

ないものを掌あわせたしかめる
 
 
家を
ぼだされだ
わらしが
わらしでなぐなるまで
泣ぐ声が聞ごえだど

おめは
山がらひろってきた
わらしだがら
ほれ、見れ
この柱さ傷がある
熊の爪あとが

オドは言 ....
 
友だちの
りんご畑から
りんごを盗んでしまった

十数年後
街でばったり
友だちに会った

一緒にお酒を飲んだ
ふところには
あの日のりんごが
ひとつあった

りんごは ....
 
せまい部屋の
小さな飯台をかこむ
家族がいる
いつもの朝だった

祖父はよく
僕のおかずを間違えて
食べた

だれも
気づかない
静かに人が食べる
音だけの
朝がつづい ....
 
おとこが悪い
というほど
おんなたちも悪くなかった
そのように
時価三百十五円税込の
ノオトには記されていて
比較的それは少し高価だったが
世界の絶望に見合うほどではなかったので
 ....
 
神社の階段を登る
人を追いかけて
無意識のまま
僕も登る
人になっていた

声が聞こえる
それは
ヒグラシの声かもしれないし
その日を暮らした
僕の声かもしれなかった

 ....
かんなさんの小川 葉さんおすすめリスト(89)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
どうしておしりあるの- 小川 葉自由詩3*08-12-7
椅子- 小川 葉自由詩21*08-11-30
初恋- 小川 葉自由詩408-11-29
指定席- 小川 葉自由詩4*08-11-12
白い書物の中で- 小川 葉自由詩508-11-9
夜を噛む- 小川 葉自由詩8*08-11-4
玄関の虫- 小川 葉自由詩608-10-30
手のひら- 小川 葉自由詩708-10-29
解凍パニック- 小川 葉自由詩4*08-10-25
ひとり遊び- 小川 葉自由詩12*08-10-24
聴こえないふり- 小川 葉自由詩12+08-10-17
- 小川 葉自由詩17+*08-9-29
左ポケット- 小川 葉自由詩708-9-26
毛を舐める猫- 小川 葉自由詩7*08-9-23
僕らの休日- 小川 葉自由詩16*08-9-17
兄さんの背中- 小川 葉自由詩508-9-7
入浴- 小川 葉自由詩608-9-3
花と土- 小川 葉自由詩508-9-2
孤独の森- 小川 葉自由詩3*08-9-1
未来がまだ懐かしかった頃- 小川 葉自由詩508-8-28
レトロつみ- 小川 葉自由詩2*08-8-24
部屋- 小川 葉自由詩208-8-23
アイス- 小川 葉自由詩508-8-20
掌の記憶- 小川 葉俳句308-8-18
小熊とわらし- 小川 葉自由詩408-8-18
りんご- 小川 葉自由詩708-8-15
暮らすように歌う- 小川 葉自由詩13*08-8-13
中世の旅- 小川 葉自由詩308-8-2
神社- 小川 葉自由詩4*08-8-2

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