すべてのおすすめ
たくさんの
言葉があるのに
ひとつしかない
辞書
いつも
同じ言葉を繰り返しては
おなじ辞書で
たしかめていた
今日も
あたらしい
言葉が生まれた
辞書を引くた ....
夏の青空にサナトリウムの白い壁が
セラミックナイフのように突き刺さる
静脈に流れる爽やかな風を感じるように
鉄格子の越しのひこうき雲は流れて
エアコンの室外機からの水溜まりに太陽が
反射して ....
夏の日の朝
外はまばゆい光があふれて
テレビのニュースは
原爆の式典の様子を伝える
平和を願う
人々の祈り
そのニュースの後で流れる
外国の空爆の事
沢山の人々が死んだって
こんな矛 ....
空気を喉につまらせて
ぱくぱくと喘いだ
さらりとした風は
この喉につまるものと別物なのだろうか
何に喘ぐのかも解からずに
ただ この違和感を追い出したいだけ
右手で触れてみても
な ....
<髪>
額にかかる倦怠を
耳元でうねる躊躇を
きっぱりかきあげて君は
さらさらと綺麗に笑った
<目>
ホントを見過ごしてしまったり
ウソを見破れなかっ ....
月を見ていたら
涙も
涙まじりの鼻水も
潮の味がしたから
海で生まれたこと思い出した
風は漣
木の葉は波音
空は海原
雲は島
月は
ぼくらを導く灯だ
....
神様お願い
ほつり祈ってから気づく
そんな神など信じていない
と
それは友人の名前を
交差点の真ん中で呼び間違えた時の
呆とした冷や汗
あるいは
言い訳の積み重ねで崩れてゆく
....
冷蔵庫の中を
クジラが泳ぐ
今日は朝から
ジュースが飲めない
つけあわせの菜っ葉は
鮮やかに茹で上がり
わたしは指と指の間を
紙のようなもので
切ってしまった
....
おんなのこになりたかった
わたしずっと
おんなのこになりたかった
からだはおんなのこ
おんなのこになりたい
こころはどうだろう
おんなのこになりたい
おんなのこに ....
ありがとう
僕らの朝食
光あふれる幸福な食卓に
小型の爆弾は落ちた
ばらばらになって美しく輝く体を
ひとつひとつ拾い集め
元に戻していく
どちらのものかわからないところは
昔のよう ....
静かに醒めながら燃えていたい
夏の陽射しに身を溶かしながら
冬の大気にカラカラに乾きながら
感性は既にブスブスと燻されて
炭を纏って汚れちまって
地肌なんて見えはしないしそのうえ
燻さ ....
一九四五年八月九日午前十一時二分 長崎
永井(旧姓森山)緑
原爆に焼かれながら祈る
主の御心のままに従います
願わくば
僕たる者共に
与えられし
大いなる業火につい ....
休み時間に生徒が漢字練習をしていた
なかなか漢字が覚えられないとぼやきながら
僕はそれを見守りながら
漢字はいくつかの漢字がくっついていることもあるから
それを手がかりに覚えてゆくのも ....
世界の終幕のときがきたら
きみと、ぼくと、
ゼロから恋に落ちよう
最期のたった1日を
なにもかもしがらみを無くして
互いのためだけに存在したい
僕ら許されないんだ、だから、だ ....
同じところにいるんだ、って
わかった瞬間に
綻ぶ表情とか
同じところにいるんだよ、って
教えたくなる瞬間に
動き出す指とか
全部 その人は知らなくて
こんなにこの上はむず痒い ....
話してしまいそう
彼の存在は最大の脅威
このままでは引きずり込みそう
それはダメだと線をひく
何故 と問いかける残酷さ
私は彼が好きだけど
引きずり込むことは出来ない
そこまで残酷に ....
ハロー
いま、ぼくのそばにいる、コトバ、は
みどりいろをしています。
ハロー
もう、ハル、なんですから
きっとすべてがうまくいきます。
ぼくの、てのひらで、
コトバ、は、硝煙、の匂いに
....
桜の開花を待つことなく
君たちはゆく
若さとは強さであり
同時に弱さでもある
だけど安心しなさい
私が信じる君たちは
無限の可能性を持っている
桜の開花を待たずに ....
あたしに蓄積されたそれは
あたしをただただ汚していくだけ
ダメ いや
なんて言いつつ
あたしの中のあたしは
にやりと笑ってガッツポーズ
それで良しと言い聞かせる
それは自傷、ある ....
君の背中にある八番は
誰がつけたというのか
躍動する大腿筋
身体から溢れ出していく汗
すべては君そのものだというのに
ただセンターとだけ呼ばれ
どこまでも白球を追いかけてく
スタ ....
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