すべてのおすすめ
 
 
薬が切れて震える父を
抱えてベッドに寝かせる
布団のしわなどが気に入らないと眠れないので
抱き起こし、位置を変えてまた寝かせる
そんな作業が延々と続く
父にとって毎日の睡眠とは
 ....
 
もし私の子供が象だったら
鼻が長かっただろう
耳も大きかっただろう
バスにも列車にも乗れないから
歩いて港まで行き
遠くアフリカまで船で渡っただろう
サバンナに沈む夕日をいっしょに眺 ....
 
動物園の絵はいつも雨が降ってるあなたと行ったあの日から
 
 
手を繋いで坂道を駆け上ったね下る時に負けぬ速度で
 
 
母と二人ハンバーグをつくる夕日よりもきれいだったひき肉
  ....
 
 
近所の用水路で小さな魚を捕まえた
家にあった水槽に放し
部屋の日当たりの一番良いところに置いた
魚は黒く細っこくて
その頃のわたしは
なんとなくまだ幼かった
 
+
 
 ....
 
掌は舟
温かくて何も運べない
体液を体中に満たして
今日も生きているみたいだ
塞ぎようのない穴から
時々漏らしながら

階段に座って
ラブソングを歌ったり
駅前の露店で
プラ ....
 
会議室を人が歩く
金属や樹脂などでできた
冷水機のようなものがあって
その向こうに浜松町が広がっている
どこまで行っても僕には体しかないのに
ポケットに突っ込んだはずの
手だけが見つ ....
 
砂漠に
雨傘が開く

長い人のように
午後だけが
遠くまで見える
 
行方のない自転車は
ふいにとまり

やがて
ぼんやりと朽ちた
 
 
 
 
冷蔵庫の中を
クジラが泳ぐ
今日は朝から
ジュースが飲めない
つけあわせの菜っ葉は
鮮やかに茹で上がり
わたしは指と指の間を
紙のようなもので
切ってしまった
 
 
 ....
ありがとう
僕らの朝食
光あふれる幸福な食卓に
小型の爆弾は落ちた

ばらばらになって美しく輝く体を
ひとつひとつ拾い集め
元に戻していく
どちらのものかわからないところは
昔のよう ....
君の背中にある八番は
誰がつけたというのか
躍動する大腿筋
身体から溢れ出していく汗
すべては君そのものだというのに
ただセンターとだけ呼ばれ
どこまでも白球を追いかけてく
スタ ....
依さんのたもつさんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
祈り- たもつ自由詩2109-8-17
もし私の子供が象だったら- たもつ自由詩409-5-2
星の鳴る夜- たもつ短歌2208-11-26
ねむらない- たもつ自由詩72+08-11-6
空の匂い- たもつ自由詩4308-10-29
- たもつ自由詩33+08-10-3
ペーパー・シープ(午後)- たもつ自由詩408-8-22
履歴書- たもつ自由詩1408-7-29
慰霊- たもつ自由詩1808-6-25
センター- たもつ自由詩1405-7-16

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する