むくわれない想いに
身を震わせて
とまどう心に
もてあます春風
真っすぐにそそがれる
あなたの視線さえ
拒む理由を
淡い紫の吐息にかえて
ひとり、うつむいて ....
破いたノートに
はじけた甘い物語
こぼれた涙が
君の名前を歪ませる
何も知らない
2人の想いが
ノートの上で
続きを待ってる
空を見上げて
星を拾って
手と手で絡めて
こ ....
青空は何処でも青くて
桜は何処のでも薄いピンク色
分かってるよ
頭でも心でも
簡単に逢えないんだから
言葉で繋がってることくらい
ちゃんと理解してる
でも
ワガママかもしれないけど
この青空 ....
何気なく
シャッターを押したんだ
そしたらさ。
ね?
近所の用水路で小さな魚を捕まえた
家にあった水槽に放し
部屋の日当たりの一番良いところに置いた
魚は黒く細っこくて
その頃のわたしは
なんとなくまだ幼かった
+
....
羽根を汚した天使が
苦悶の表情で此方を見ている
汗に混じる紅は
幾千もの痛みを受けた証
滴る鮮血を飲み干して
どうか僕だけの天使にしてあげる
十字を掲げた女神の許に
祈 ....
うろたえ、戸惑い、日が暮れました。
昼は、バーガーセットを買う時に
お金を出すのに手間取ったから
店員の若者に冷たい声で
「御会計先にいただきます」と言われ
思わず
「は?」
と聞き ....
これが最後の挨拶だ
もうここに戻ることはない
旅立つ準備はできた
喉の裏を空気が入り込む
感情が絡み合い
脳内で火花を散らす
まだ悩みがあるようだ
9時前にはおいしい
トー ....
君との愛を冷凍しておけばよかった
そしたら欲しい時にチンして手元におけたのに
だけど想いは儚く
甘いアイスクリームのように溶けてしまった
さよならは平行線
ただ違う道を行くだけ
君の行く先 ....
投げ出したチェリーパイ
散乱したキッチン
崩れ落ちた何か
衝動的に飛び出した
立ちすくむ君を残したまま
罪悪感の欠片も無い
だってもうイヤなの
サクランボにはウンザリしてたの
....
僕は知っている
通学路の途中にある花坂斜路の下には
恐竜の化石が埋まっているってこと
それをいつか僕が掘り起こすのだ
春には桜が咲いて
夏には向日葵が咲いて
秋には金木犀が咲いて
冬 ....
ぼくはきみが好き
きみはだれかに夢中
ぼくと
きみと
産み出された生命と
だれかと
4はバランスが悪いね
ぼくはきみが好き
きみが好き
きみがだれかと笑うなら
....
斜面を切り分けて
父の家が建つ
小さな
直方体を
重ねただけの
たぶん
遠い質量の
かたちのないたましいを
とどめおくために
ほっとした表情で
母は告げる
これで
....
秋学期が始まって
そろそろ学校祭だって。
シュウカツ。
乾燥して響く近い未来
秋が始まって
そろそろ飽きてきた平日。
ぶっちぎって走る地下鉄
脳を駆け巡る信号
改札を通り過 ....
ときどき、別れを告げそうになる
あまりに離れた歳の差、自分の現在、過去を考えると
君には僕のすべてを、本当の姿を見せていない
もしそれを話したらすぐにも別れなければならない
たとえ君が寛容 ....
ある日詩人が思いついた詩
人が殺せてしまう詩
初めは共感が詩の本質と思っていたらしい
共感されれば良い
作られた詩はネット上に投稿された
3日後
人が死んだ
その詩に ....
秋風が部屋に入ってくる
ひらひらと
ちょっぴり寒い秋の風
でも
なんだか落ち着くんだ
春のように
包み込んでくれそうな
風じゃ無いけど
でも落ち着くんだ
....
泣くな、泣くなよ
きっといつの間にか夜も明ける
眠れないで朝が来る
泣くな、泣くなよ
きっと悲しくなるだけだから
涙は笑顔をつれてこない
泣くな、泣くなよ
きっとしんどくなるだけ ....
どこまで歩き続ければいいんだろ
この果てしなく続くように思える道のり
一歩一歩の繰り返しがあまりに単調に思えてしまって
変わらない景色と変化のない緩やかな上り坂
どうしてこの道 ....
季節が解け
誰かはまちぼうけ
いつしか
プラシーボ
巨大な電波塔
のぼる太陽
うちつける鼓動
それが
街の螺旋を描くだろう
日曜日の朝に
すぎさりし夜の
すきま
届く
カ ....
駅のホームで
乗り換えの汽車を待つ
少し味の濃い
月見そばを食べながら
かけそばにしようと思って
左ポケットを探したら
小銭が思ったより入ってたので
長い線路を
そばのよ ....
秋になると 空を歌う詩を書きたいと思う。
私たちは皆 秋空の下に定義される
と今年も思う。
淡い水色に澄み切ってどこまでも広がり
幼い頃 故郷の山へ例えばアケビ取りに出かけた
記憶にま ....
正直今日の日はえぐれるような1日だった
いろんな意味で
あたしはもっと強くなっていかねばならない
昨日よりももっとぐるぐるめまいがした
あたしはもっと強くならなければならない
....
明日は晴れるでしょう
今日、これだけの雨が降ったのなら
明日は晴れるでしょう
こんなにも望んでいる
たとえそれが台風の目でも
空を仰がずにはいられない。
アルコールが分解されて
漠然とした不安が押し寄せる朝
太陽の容赦なき絨毯爆撃が
俺を痛めつける
あと二時間もすれば
いつも通りのつまらない光景が
映画館で上映される
なにもかも消えてなく ....
さようなら を
言ったつもりで
悲劇のヒロイン
ぶって気取って
あたしの物語きれいに
幕がおりたはずだけど
ほんとは ね
誰よりも
続きを望んで
....
三年間
そうしているように
病院に行った。
コップ一杯の
とろみ茶を
二時間かけて
きみは飲み、
歯磨きをし、いつものように、ぼくが磨き。
病室にもどって
ベッドに寝かされ
....
掴もうとしたらただの空気だったみたいな徒労感でフリーズ
ドライな心は針でつっつかれて爆発して粉々で愛を頂戴と叫びながら空中で光を乱反射して
きらきら
本当はポ ....
いつものことだ
水色が果てしないどこまでもいくひろがり
それを俺たちは空と呼びます
焦燥感に腹を蹴られ
挫折に身を切られながら両腕をのばし
手のひらをひらく
真実はいつだって指 ....
ゆっくりと
息を止めるように一日を仕舞う
箱の中のガラクタはいつも
明日になれば綺麗になっているから
ゆっくり、と
息を
ここ、に戻す
主のいなくなった
家の、傾き
通り沿い ....
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